臭い毒 | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

2-メルカプト・エタノールと云う試薬があります。

臭い。まぁ、スカトロ系の匂いかな。

誰かが、間違って、壜を落として割ろうものなら、トンでもないことに。

還元剤で、分子生物学、生化学の実験に使われる多くの試薬に、極く少量だが、含まれている。

全然、知りませんでしたが、どうやら、日本では、この7月から、2-メルカプト・エタノールが毒物に指定されたそうで。

各試薬メーカーはテンヤワンヤ(例えば、コチラ [cache ])。

高濃度の原液のみを毒物に指定するなら未だしも、(って、実際、毒だしね)、低濃度でも含まれている試薬全てが対象になっているらしく、これは、ハッキリ云って、分子生物学、生化学実験を中心にした研究の大きな妨げ。これまでのように簡単に保存・廃棄が出来なくなってしまう訳ですからねぇ。

で、どうやって、これが決まったか、と云うのがコノ議事録 に出ています(cache。どういうメンバーがそこに居たかも分かります。

そこでの2-メルカプト・エタノールに関するやり取りを以下に、抜粋しますと、

『次に資料3です。「2-メルカプトエタノール」及びこれを含有する製剤ということで、説明をお願いします。』

『名称が「2-メルカプトエタノール」で、国連危険物輸送勧告で毒性物質に分類されている物質で、現在日本では光学材料の原料や化学繊維・樹脂の添加剤等に用いられているものです。
 この物質の物性については、別紙1を参照いただきまして、臭気のある無色の液体で、酸化剤や金属と反応し、加熱すると分解して有毒な硫化酸化物の蒸気を発するものです。
 毒性試験のデータについては別紙2です。経口については劇物相当、経皮についてはウサギで毒物、モルモットで劇物、吸入についてはラットにおいて毒物の下限、皮膚と眼の刺激性は共に刺激性ありとなっています。よって、毒物劇物調査会では、この物質の原体及びこの物質を含有する製剤については、毒物に指定することが適当との結論でした。
 なお、国内のあるメーカーから、当該物質については、食物アレルギー等に関する生化学実験で、非常に使用頻度の高い還元剤となるため、指定対象から除外していただきたいという御意見がございましたが、当該理由で指定対象物質から除外することは難しいのではないかと事務局から回答しています。審議のほど、よろしくお願いいたします。』

『いかがでしょうか、ウサギの経皮毒性から毒物に相当するということです。今の御説明にありましたように、生化学実験によく使っているものですが、特にございませんか。では案のとおり毒物に指定するということでよろしいでしょうか。特によろしければ承認可、として報告とさせていただきます。』

をいをい・・・・。

この資料には、データーまでは出ていないので、どう云う濃度で毒物・劇物のテストを行ったのか定かではないので、何とも云えませんが、もし、本当に低濃度でも含まれている試薬でも毒物指定とするしかない、と云う結論が、議論が尽くされた上で出されたものなら、まぁ、仕方がないんですが、・・・・

そもそも議論すらしていない。

この会議のメンバーは、サイエンスの現場を知っているのでしょうか?

本当に、各種試薬に含まれている位の低濃度でも毒性があるのでしょうか?どなたか、関係者の方、御存知ですか?(って、そんな方々は、こんなblogの存在すら知らんでしょうけど・笑)

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