午(2回目)と卯。
これって、デザイン的にどうなんです?
突然ですが、以下書評:
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伊良林正哉の『大学院生物語』
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)を読んだ。
5月の終わり頃、突然、伊良林氏からメールが来て、初めて小説上梓の件を知った。発刊と同時に購入したが、海外に居る都合上、今まで、手に出来なかった訳だ。美味しい物は、あとまで取っておく方である。
物語では、とある医学系の研究所での、(かなり最近の)ほぼ2年間の出来事が淡々とした筆致で語られて行く。帯には『異色の青春小説』とあるが、これに釣られて買うとおそらく期待はずれである。渡辺淳一の『百夜』のような自伝小説では決してない。どちらかと云えば、これはエッセイであり、例えて云うなら、
藤原正彦のデビュー作である『若き数学者のアメリカ』みたいなものかもしれない。
伊良林正哉は、現役バリバリの分子生物学者である。これまでに実名で発表している原著論文(英文)は、100報近いはずだ。本書に書かれている内容は、そんな現役の、しかし、只のヒラの科学者の、魑魅魍魎が巣食う医学系の研究所での日常の悲哀、ほぼ100%現実の出来事が、コミカルな筆致で描かれている、
表面上はフィクションを装った、しかし、実際は実体験に基づくエッセイなのである。
そこに登場する研究所や大学にたむろする人物像は、世間一般の常識から見れば、可成り奇異に映るかもしれない。だが、彼等は間違いなく実在する。私には、
モデルとなっている人物の多くを実名であげることも可能な程だ。だから、所謂、(
医、薬、生物系分子生物学)業界のひとが読んでも、余りにも日常な当たり前の光景であり、面白くないかもしれないが、内輪ネタにはニヤリとさせられる。し
かし、将来、医、薬、生物学系の道へ進もうと『漠然と』考えている高校生や、大学の教養課程の学生には、もし、そういう道へ進んだらどういう(理不尽な、
でも、一方で夢溢れる)世界が待っているかを垣間みる良い機会である。また、所謂、『偉い先生』方としかお付き合いがないであろうマスコミ関係者やお役人の人達にも、是非、読んで、ヒラの研究者や巷にあふれる博士研究員、程度の低い大学院生の実体を知って貰いたいものだ。もちろん、一般の読者にも、所謂、
『科学者』の実体を疑似体験出来る良い機会である。本書は、謂わば、医、薬、生物系の科学する人々の実体の『解説書』でもある訳だ。
内容に、敢えて苦言を呈すれば、それが、意図されたものなのか、推敲が足りない所為なのか(つまりは、習作の域を出ていない所為なのか)は定かではない
が、ところどころに冗長な箇所があり、例えば、作者の世間へ向けたメッセージないしは警告が、その内容には私もほぼ賛同するものの、何度も繰り返されているのは読んでいて退屈である。また、タイトルは、内容に相応しくないような気がする。これは、あくまでも『伊良林正哉物語』である。或いは、本書はこれから始まるであろう本当の『伊良林正哉物語』への序章なのかもしれない。続編が待たれる。
今日の
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今日の万歩計: n/a(9,419)