iPS | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

今日のCellとScienceのonline publicationで、それぞれ日本とアメリカのグループが、iPS(induced pluripotent stem)cell をヒト細胞で作製することに成功の報が載った。

日本のグループは、昨年、世界で最初に、マウスでたった4種類の遺伝子を強発現させるだけで、細胞のreprogramming を起こすことが出来ると云う画期的な報告をして以来、この分野の研究を牽引して世界のtopを走り続けている。

ちょっと前に、猿のES cellの作出に成功し、もうすぐ、ヒトに応用かと云う話 があったばかりだが、現在の方法では、卵子ないし受精卵を必要とするES cellに比べ、iPS cellでは卵を必要としないので、そう云う意味の倫理面は解消される。

が、一方で、iPS cellは、外から遺伝子を入れ込む必要があり、且つ、そのうちのひとつは、紛れも無い癌遺伝子なので、一歩間違えると癌化に繋がらないとも限らない(実際に、マウスでは癌が出来る場合がある)と云う問題もある。

アメリカのグループは、これ迄日本のグループが使っていた4つの遺伝子のうち、癌遺伝子を含む2つを別な2つの遺伝子で代替させて成功しており、今後、更なる研究が進めば、上記の問題も解決されて行くだろう。

また、素人考えで云えば、若し、遺伝子導入に依る強発現ではなく、いきなりタンパク質そのものを導入してreprogramming化出来れば、文句無しなんだけどね。

医学的応用に向けた基礎研究として、大きな成果であるが、それ以前に、純粋に生物学的に、どうやって細胞のreprogrammingが起こるかと云う謎を解く鍵になる一連の研究成果が日本から発信されているのは、喜ばしい限り。

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