競馬場別内外・脚質の有利不利
たまには一口馬主とは直接関係ない汎用的なデータを。
データは中京のコース改修後の2012年以降の13年間分。
13年間で1000頭分以上のデータがあるコースを対象とした。
対象とするデータは分散が比較的小さい複勝率とし、そのコースの平均複勝率を基準に内・中・外及び脚質の複勝率の乖離度を出した。
内有利度は、内枠乖離度/外枠乖離度
※内枠=1・2枠、中枠3~6枠、外枠=7・8枠
前有利度は、逃げ+先行乖離度/差し+追込乖離度
※逃、先、差、追はTARGET準拠
とした。
分量が多くなったので、データだけ先に掲載して、少しずつ注釈を更新していくつもりです。
今回の更新は、芝コースの内外差まで。
全体まとめ
枠順の有利・不利
芝コース距離別内外差
芝短距離
短距離コースは内有利のコースと内有利ではないコースが両極端で、馬券妙味がある。
前走京都芝1200mで外枠でそこそこの成績だった馬が、小倉芝1200で再度外枠に来た場合などは積極的に狙える。
中山芝1200mはそこまで極端な内有利という訳ではなく、むしろ、一見フェアな京都、中京、阪神の方が内有利というのは面白い。イメージと違うデータということは、ここに馬券妙味がある。
京都、中京、阪神の芝1200m内枠(1・2枠)の複勝期待値は83(全体75)、単勝期待値はなんと驚異の97(全体74)という一つの条件だけで絞ったものとしては驚異的な数値をたたき出している。
中京芝1200mは、GⅠが行われるコースの中で断トツの内有利度。
新潟の千直は全体でも異次元の数値で、ぶっちぎりの外有利コース。みんな知ってるけど、それでも外の期待値の方が高い。
芝1400m
阪神芝1400が全体でも2位の内有利コースという少しイメージと異なる印象を受けた。
内回りコースは京都が第15位に入っているようにイメージよりも内が有利になりやすいようだ。
京都は、芝1400mが内回りと外回り両方設定できるが、結果はかなり両極端に。これは意識しておきたい。
芝マイル
札幌1500m、中山1600は有名な内有利コースだが、そこまで極端な結果にはなっていない(阪神の芝1400や京都、中京、阪神の芝1200の方がよっぽど内有利)。
この2つ以外は比較的内有利度は低めで、フェアなコース形態になっていることが分かる。
コース形態からしてわかりやすい内有利の札幌と中山はみんなが内有利であることを意識しているので期待値的にとてもおいしいという訳ではない(それでもやや期待値はプラスだが)。
芝1800m
芝1800mは、1ターンと2ターンの競馬場が混在する。
1ターンの競馬場は基本的に内有利度が減少し、2ターンの競馬場は内有利となるはずだが、阪神芝1800mなど例外があり、イメージと違う競馬場は要チェック。
札幌、函館芝1800は極端な内有利コースなので覚えておきたい。
芝2000m
意外なのが新潟2000mの内回り、外回りのデータで、内回りコースは極端な外有利コースとなっている。イメージは1ターンの外回りの方が外有利になりそうなのだが、、、なかなか解釈が難しい。
東京芝2000mは意外と中位の内有利度。コース形態から極端な内有利コースだと思われがちだが、内有利度の順位で見ると平均よりも少し高い程度。思ったよりも内有利にならない原因は、スタートしてすぐにコーナーで内がごちゃつきやすいので出遅れると致命傷になりやすく、それがデータに反映されているものと思われる。
競馬民が抱いているイメージと客観的なデータが乖離すると非常に面白い現象が起こる。その典型が東京芝2000mなので、少し詳しく説明する。
東京芝2000mは内の先行有利のイメージが強い。
実際、東京芝2000mで前走逃げた馬(今回も先行以上が期待できる馬)は、全体複勝率25.9%→内枠31.1%と6%上昇する。
普通は、複勝率が上昇すれば、複勝期待値も上昇する。
しかし、東京芝2000mでは逆転現象が起こり、前走逃げ馬の複勝期待値は全体73→内枠63と逆に下がってしまう。
これは東京芝2000mがイメージよりも内有利ではないことに起因する。簡単に言えば、東京芝2000mの内枠先行馬は過剰人気になりやすいのだ(同様に前走先行馬も内枠だと期待値が下がります)。
このように今回示したデータを活かすには、客観的なデータと競馬民が抱いているイメージとの乖離が重要になってくるわけです。
ちなみに、東京芝2000mは外枠も期待値が下がるので、結果として中枠が圧倒的に期待値が高くなる。期待値ベースの話は気が向けば暇なときに書くかもしれない。
芝2200m以上
2200m以上は2000m以下のものと比べてレース数が少ないのでデータの精度に問題がある。参考程度に確認しておくのがよいと思うが、さすがに上位と下位では有意な差がある。
ダービーの内外の有利不利がよく言われますが、東京2400mは内外差が割と少ないフェアなコースだと分かる。
ちなみに、GⅠが行われるコースの中では阪神芝2200mが中京芝1200mに次ぐ2位の内有利度。
ダートコース距離別内外差
ダート短距離
内有利度の解釈は非常に難しい。
どうやら芝スタート、コーナーまでの距離、コーナー割合等が影響しているようです。
その中でも、コーナーの割合は比較的重要なようで、1000mの内有利度はコーナー割合順になっています。
しかし、ダート1200は芝スタート等の要素が加わるので話はそう単純ではありません。
福島ダ1150mはコース形態からすればもう少し外有利になっても良いような気がするのですが、実際にデータを取ってみると以下のようになります。
新潟ダ1200も少し意外な結果ですが、データ数は十分なので信用できるデータです。
ダート1300~1600m
東京ダ1600mはイメージどおりでトップクラスの外枠有利コースで有名ではありますが、期待値は外の方がプラスです。
ダート中距離
同じダート中距離でも中京と中山では34パーセントも内有利度に差があります。
なぜこんなに内有利度に差が出るのかは、いろいろなデータを見てみましたがよくわからないというのが正直なところです。データ数的には十分足りているはずなのですが。
ダート1900m以上
レース数が少ないので参考程度に。
内外差まとめ
芝コースまとめ
ダートコースまとめ
競馬場別内外差
脚質の有利・不利
芝コース距離別前後差
芝短距離
芝1400m
芝マイル
芝1800m
芝2000m
芝2200m以上
ダートコース距離別前後差
ダート短距離
ダート1300~1400m
ダート中距離
ダート1900m以上
前後差まとめ
芝コースまとめ
ダートコースまとめ
競馬場別前後差まとめ