統合失調症攻略作戦AA-22 英語の勉強を始める | カラダとこころと自由のおはなし

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こんにちは、「♨さる、」です。「おふろさる」と読んでください。
ニッチな話が大半です。心身にまつわる独り言を、なるべく独りよがりにならないよう綴ってます。
ふつうに生きるしあわせのために。僕と似ているだれかのために。きょうを忘れた明日の自分のために。




以前AAさんのお宅に伺ったとき、本がズラリと並んでいるのを見た。蔵書は落合信彦の本が大半。AAさんは水商売の経験があり、国家vs国家や警察vsヤクザ、組vs組といった組織的な対立のネタを好む。英国スパイ映画なども好きで、国際関係の問題に関する本が多く並んでいた。

AAさんは中卒で、それをだいぶ気にしている。しかし日常生活に支障なく、「せんべい」を「せんべえ」と書く等、聴き言葉の理解度と、文字を書くという経験の絶対量が少ないのかな、と思わされる事もなくはないが、物事の理解に困るという水準では全くない。むしろ周りへの気働きがあり、感性は敏感な方といえる。
しかし「学問がない」という意識を強く持っており、それが「自信がない」という形で気持ちを低く抑えつけていると観じた。こうした心を自由にしない要素はひとつでも取り除くのが望ましい。
AAさんが働いているのは外資系のサービス業で、直属の上司はオーストラリア人だったりウクライナ人だったりする。英語でコミュニケーションが取れない。
そこでおれは英語の勉強をすることにした。なお、おれはだいぶ前に受けたTOEICが450点程度の英語力だ。

まず、筆記体が書けないと勉強のスピードが遅い。そこで今年初頭に筆記体ノートを買ってきて、レッスンを一緒に最後まで埋めた。しかしそこからが難事で、「I have a bag」くらいの、ほんの初歩的な基礎的な英文法しか分からない。それに語彙が少ないため、言葉を並べる以前にまず言葉を覚えないと始まらないことが分かった。
ある程度家で独習してきてもらおうと思い、AAさんの好きなボンジョビの曲を日本語訳したページをプリントして渡したが、難しすぎてアタマに入らないという。そもそもウチに来ているとき以外は幻聴・幻覚がうるさくて本を読むのもままならないそうで、まったく進まなかった。
1ヶ月ほど打つ手がなかったが、先月「バドワイザーが飲みたいんですがどこで売ってるか調べてもらえます?」というのでググッてみた。そのついでに「AAさんBudweiserの綴り覚えてみてくだいな」というと、その場でローマ字を書き綴った。

その事をふと思い出し、ビールの銘柄を10コ英語で書いてもらうことにした。ASAHI SUPER DRY、KIRIN Rager、SUNTRY MALT'S……バドワイザーやハイネケンはドイツ語だが、まあいいことにした。すると興味のあるものなので書ける。
これはいい。それで次は身の回りにあるものの綴りを書くことにした。AAさんはおしゃれに興味のある方なので衣服からはじめた。vest,parka,shirt,pants,socks,shoes,bag,cap,belt,under wear.これで10コ覚えた。

帰り際、手元にあったファッション雑誌の綴じ込み広告を外し、「こん中のローマ字綴りだけ目を通しておいてください」と伝えてAAさんに渡した。suit,coat,neck tieなどが書いてある。この路線で次は身体の部位、また仕事上で触れるモノ、通勤路などに広げてゆけば、目の前のものを英語で捉える感覚が身につくはずだ。