統合失調症攻略作戦TN-終 完遂&次のフェイズへ | カラダとこころと自由のおはなし

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こんにちは、「♨さる、」です。「おふろさる」と読んでください。
ニッチな話が大半です。心身にまつわる独り言を、なるべく独りよがりにならないよう綴ってます。
ふつうに生きるしあわせのために。僕と似ているだれかのために。きょうを忘れた明日の自分のために。

雨の日の母校


今月初頭、ここしばらく連絡を取っていなかったTNくんと高校の同窓会で再会した。TNくんは講堂のイス席に、おれと共通の親友・SSくんと並んで座っていた。相変わらず少々ぼんやりした表情だが、以前よりまともに見える。
SSくんはおれより先にTNくんと連絡を取り合っていた人。その彼に聞くところによれば、十数年ぶりに会ったTNくんはいきなり楽しかった高校生の頃の話を語りだし、それを何度も何度も繰り返しするばかりで言葉のやり取りなんて成り立たなかったそうだ。それが会話ができるようになっただけで凄いことだという。
おれもTNくんが一人で自宅から遠く離れた高校まで来た事だけでも驚いた。以前は街の人ごみの中に出るだけで頭が真っ白になり、車に轢かれかけて外出を止められていた。それに同じ話を繰り返さなくなっている。おれの目から見ても大変な進歩だ。

式典が終わり、新たに建て替えられた校舎を見学しながら、おれはSSくんや旧友たちと久々の再開を喜び合った。そして校門の出口に差し掛かったとき、TNくんは見送りに出てくれていた高校の恩師・N先生には聞かれてもいない話を滔々としていた。この辺はまだまだだが、今や校長となったN先生は温かくうなづき続けていた。おれと親友のSSくんは先生へのご迷惑を避けるべく左右から近づき、「先生忙しいからその話はまた、な」と言いつつ先生から引き離して帰途についた。

おれはこの日は夕方から予定があったので直帰したが、TNくんはSSくんに連れられて飲み会に行った。おれにはこれも驚きだった。そして皆と連絡先を交換し、三次会まで参加し、帰る方向の近い別の同級生に連れられて家に無事着いたそうだ。
2年前の年賀状にはTNくんの電話番号が記されており、それは彼からのSOSに感じられたことがきっかけで関わりをもつようになった。こうしてTNくんは皆と再びつながりを得られた今、おれの役割の第一章は完遂できたように思う。これを以って統合失調症攻略作戦「TN」は一旦ミッションコンプリートとする。

今後もTNくんとはより積極的に関わってゆくつもりだ。薬をゼロにし、働ける場所を探す等、この先まだまだやることが一杯ある。そのことについてはシリーズを改め再び書いてゆきたい。