高校時代にディベート部だった著者が、どうしたら強くなれるのかを探究するうちに積み重ねたロジックについての知見をまとめたような内容だった。参考になったのは、反論のタイプを3つに分類しているところ。以下に引用したが、自分の経験に照らし合わせて合点がいき、次の試合(観戦?)で使ってみるのが楽しみになった。


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第1章 日本人はなぜ議論が下手か

p016  「論理的(ロジカル)」は「英語的」と同義で用いられる→本書では、本来的には、思考の流れをわかりやすく説明していくことにあるが、現在のところはアメリカ人にわかりやすいように説明することをロジックとよぶことにされている。

p018   本書では「スキーマ」が「心の習慣」と表現されている。

*日本人の議論下手は英語発想で思考しないからだとまとめられている。


第2章 ロジックの英語、ハラ芸の日本語

*日本は文化的に自他の区別がなく、他者を客体化しないのが英語発想に結びつかないと考えられている。


第3章 現代国語はどうして生まれたのか

*現代国語はスキーマを考慮しない、英語を直訳した漢字から作られているが、それは和魂洋才を実現するためであった。


第4章 ロジカルトレーニング[基礎理論篇]

p097   「競技ディベートは、ひとつの proposition(命題)をめぐって議論を戦わせる」。 


「主張や意見という意味で『イイタイコト』を『クレーム(claim)』と呼ぶことにする」


p100  クレームを誘発する3条件は、①相対的な形容詞、②助動詞、③think をはじめとする「主観」を表す動詞 ⇒これがツッコミどころ。①「相対的な」は、歴史や文化によって、地域によって、個人的な価値観によってさまざまな答えが出うるもの

p107  プラス、2条件は、④現在形であること、⑤主節のSVが①〜④であること

p116  「文尾に『〜と思う』と付け足すことができる発言」が論証すべき(ツッコミを受ける)クレーム

p120  それが省けるのは、当事者間が前提(常識)を共有していると考えられるとき。

p123  交渉の要諦は「yes-able proposition(肯定可能命題)」を提案するところにあり、それは相手を観察することから着想する。

p124  クレームを文章作成に応用するならば、クレーム+データ+ワラントの1セットを1パラグラフにする。⇒パラグラフとは「意味のかたまり」である。(対して、日本語は「読みやすさ」で段落をつけることが多い)

*まとめると、主張するとき/されるときには、相手が納得できる証拠を共有し、意見が合わないときに譲歩させるときにも(主張を通すには)、相手の「思う」に着目し、証拠を求める姿勢をもつということになるだろう。ちゃんと「なにゆえ?」と即座に言い返す練習しよう。


第5章 ロジカルトレーニング[アウトプット篇]

p144  反対の方法 ①反駁(データ、または証拠に対して意義をとなえる)、②質疑(データまたは証拠に対して why、howを質す、)③反論(クレームそのものに対して意義をとなえる、かならず理由と証拠を添える)


第6章 ロジカルトレーニング(インプット篇)

p165  論証のデータの挙げ方、パターンを「レトリック」という。そのバリエーションは①エピソード、②データの列挙、③定義・分類、④因果関係、⑤引用、⑥時系列、⑦対比・対照、⑧比喩。

⇒よく題名だけ書いて「なにを書けばよいか分からない」と途方にくれる人がいるものだけど、この著者も同様に悩んで自分なりに整理整頓してみたのであろう。

*残りは英語のパッセージでこれらを検証するトレーニングが載っていたが、あとは学校の課題で確かめていこうと思って読了とした。