改めてよい本だったのでちゃんと記録に残すことにする。この本はありきたりな論文作法の本とは一線を画すところがよい。ちゃんと「探究学習」のガイドになっている。指導する人に強く勧めたい。


実際に現役で探究をし続けている人が書いたという手応えを感じる。論文の構成とか、そんなのを知るのはそんなに大変ではないのだ。高校生を指導して、あるいは自身が論文を書こうとして困るのは、何を書くか、だ。本書はそのノウハウに詳しい。


「第1章 探究学習をなぜやるか」は、自主性に任された時間をなんとなく休み時間風に過ごしてしまいがちな高校生に探究をする動機を与える。

「卵の殻を破る」「最初の一歩を作る」「なりたいものに今すぐなる」「即戦力育成としての探究学習」という目次だてからも探究はキャリア形成に必要な学習なのだと訴えていることが伝わる。


「第2章 テーマを見つける」も何を探究するか決まらずに何ヶ月も過ごしてしまう生徒を持つ教員の光明となる内容だ。

「航海日誌をつける」は報告が苦手な生徒がどこまで探究を進めているかを知るのに欠かせない。

自転車は走っていないと倒れる

テーマの範囲指定と自由度の塩梅

テインバーゲンの4つの問い

偉大な探求テーマとは

幸運の女神は誰に微笑むか

アイデアの仕込みと熟成

テーマを「検証可能な仮説」に絞り込む

先行論文に「読」まれるな

1人単独か、複数人共同か


第2章 探究活動の安全と倫理

探究には危険がある

ケガと器物損壊の危険性

倫理と法律の問題

うそ情報対策と3現主義

盗用と捏造

第4章 テーマを解く方法の選定

勝ってから戦え

解決法は1つではない

解ける問題はたちが悪い

解けないと分かっている問題には夢がある

解けるか分からない問題は最小限の成果をねらえ

ブレークダウンと具体化

第5章 調査と実験のコツ

よい探究活動をするには支援が必要

外の知識を掘り起こせ

大事なところを念入りに調べる

「極端」を試し、「引き算」を心がける

失敗こそが大チャンス

第6章 成果のとりまとめと発表

発表してこその探究

論文の章立て

ポスターとプレゼンテーションでの内容と順序

論理的な文章を書くコツ

成績の評価方法

成果を学校の外へ発信する

あとがき