江里口歡人(2020)「国際バカロレア教育研究の果たすべき役割と可能性―『主体的・対話的で深い学び』 の実現に向けて ―」 国際バカロレア教育研究 第4巻 

 

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まとめた内容のようなので読むことにした。そろそろ資料が出そろってきたのに、ついインプットに走り、アウトプットに取り組めないのは悪い癖。だが、ここで一段落させる。がんばる。

 

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1.過日検討した赤坂先生の「批判的思考」にかかわる論文の語彙について

赤坂先生自身が「批判的思考という言葉の曖昧さについて言及する。元来、批判的思考という言葉は 2018年告示の 新学習指導要領上では使用されていない。その要因 として、具体的な定義が定まっていないことが挙げられる。そのため新学習指導要領上では批判的思考力 という言葉を使わずに、「多面的で多角的な考え方」 という言葉を使用したのではないかと推測される。」と考えていたことが示されている。また、ケネディー、 フィッシャー、エニス(Kennedy, Fisher & Ennis) (1991)は、高次思考力(特に分析、統合、評価)は、 批判的思考と一体化されていると述べている」と、問いから始められる授業の裏付けとなる資料について言及している。

 

2.江里口先生は「日本の学校のカリキュラムは多くの科目で批判的 思考力を養うことをせず、その結果、素直に教師の いうことを聞く子供を育ててきた。特に先生の権威が強く閉鎖的な田舎育ちの私だからこそ、そう感じるのかもしれない。いま自分の経験してきた学校教育を振り返ると、私は多くの場合、解答がひとつしかない問題をひたすら解き、受験勉強を中心に生き、 そこを疑問に思うことを避けてきたような青春だったことに今更ながら後悔をしている。「現実社会はシナリオ通りに動くものではない」はずなのに、私は 現実社会とはかけ離れたシナリオ通りの生き方を信 じて学校教育を駆け抜けてきたからである。そのような画一的な環境では、様々な感受性を持った多様 な子ども達をのびのびと活かす教育は達成されようもない」とコメントを残した。

 

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概念型カリキュラムと問いを中心とした探究型の授業をIBの特徴として捉え、赤坂先生の論文をひきついで、検定教科書を利用した指導案と実践にかかわる論文を書こうと思う。測定方法は、自由回答問題の回答率にしようと思う。それから、昨年の実践も発表にまとめようと思う。そのため、シラバスを書き始めようと思う。

 

 

 

江里口先生の文章に示された資料は以下のとおりである。


Elder, L.,& Paul, R.W.(1998). The role of Socratic questioning in thinking, teaching and learning. The Clearing House, 71(5), 298‒301. Kawano, M. (2016). A comparison of English textbooks from the perspectives of reading: IB Diploma programs and Japanese senior high school. The Asian Conference of Language Learning 2016. Official Conference Proceedings. Retrieved from http://papers.iafor.org/papers/acll2016/ACLL2016_ 29495.pdf Kennedy, M., Fisher, M. B., & Ennis, R. H. (1991). Critical thinking: Literature review and needed research. In L. Idol, & B. Fly Jones (Eds.), Educational values and cognitive instruction: Implications for reform (pp.11-40). Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum. King, A. (1994). Guiding knowledge construction in the classroom-effects of teaching-children how to question and how to explain. American Educational Research Journal, 31(2), 338-368. 孫工季也・江利川春雄(2019)「高校英語教科書に おける社会問題を批判的に考える力の扱われ方: 『英語表現Ⅰ』用教科書の設問題材分析を通じて」 『和歌山大学教育学部紀要 人文科学 和歌山大学 教育学部紀要委員会 編』, 69, 51-56. Taba, H. (1966). Teaching strategies and cognitive functioning in elementary school children. Cooperative Research Project, 2404. San Francisco: San Francisco State College.