以下、標題の書籍についてレビューする。

 

目次

はじめに

1 CEFR-J の基礎知識

2 CEFR-J RLD (参照レベル記述) プロジェクトの概要

3 CEFR-J RLD 資料に基づく指導・教材作成

4 CEFR-Jに基づくテスト・タスク作成

 

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1 CEFR-J の基礎知識

 

以下の質問項目を見出しとして、基礎知識が整理されていく。

Q1 CEFR の開発と世界的な影響はどのようなものか。

Q2 日本の外国語教育におけるCEFR の普及はどの程度進んでいるか。

Q3 CEFR の改訂のポイントは?

Q4 CEFR のCANDOリストと学習指導要領の関係は?

Q5 CEFR-J の開発はどのような経緯で行われたか?

Q6 CEFR-J は日本の英語教育においてどのように活用されているか?

 

ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)とは、「言語共通の学習・教育・評価のための枠組み」である。

たとえば、日本の学生が「英語ができる」というのと、アメリカの学生が「日本語ができる」と自己申告する場合、あるいは、TOEIC と 英検を比較する場合、何を根拠ともって言語能力を格付けし、比較するかの共通のものさしとすることを目的として作成された。根拠は CAN-DO リストによって示され、これに従ってテストなどを作ることができる。


CEFR は学習指導要領にも反映されており、各学習段階において、各技能を「条件」「質」「タスク」の程度を示したCAN-DOで記述されている。日本での CEFR の導入に関する課題は、生徒の力がA2~B2の範囲に集中していることから、ほぼ全員同じレベルと見られかねない点にあった。そのため、レベルを細分化した CEFR-Jが検討された。日本の中学卒業段階はA1レベル相当以上、高校卒業段階はA2レベル相当以上が国の英語の学習到達目標として用いられている。また、今回の学習指導要領の改訂では、高校卒業時の学習語彙が5000語に引き上げられたが、これも、B1レベルまでの語彙数が5000語であることを受けてのことである。

 

入試問題は各段階のリストをベースに作成し、達成度で生徒の学力を測ることによって、偏りのない客観性の高いテストとすることができる。実際、大学入試センターの文書では、「CEFR を参考に、A1からB1までの問題を組み合わせて出題します」と規定されている、との記述がある。また、大学入試で複数の民間の試験を活用することについても、この流れが背景にあったといえる。