昼から開始だったが、午前中には最寄りの駅に到着して待機する。植田一三・麦島千鶴子(2004)『英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング』ペレ出版を読みながら、会場近くのスタバで時間まで待つ。「形式的誤謬」について学ぶ。自分だけが質問に正対して答えるのが苦手だと思っていたが、そうではないことが分かった。
上履きを忘れたことに気がつき、駅ビルの100均でスリッパを買う。歩いても行けそうな距離だったが、バスに乗る。
受験会場に入ると、教室にはすでに2人の受験者がいた。教室中央の前から3番目に座る。意図したわけではないが、解答用紙の回収は教室の両端からおこなわれたため、自分はほぼ一番最後となり、気持ちの余裕がもてたのがよかった。
前回の不合格の反省で、英作文のための時間が足りなくなることが予期されたので最初にとりくむ。課題は Can individual privacy be protected in the modern world? (現代において個人のプライバシーは守られるのか) である。予定していたとおり、有無をいわさず「肯定(守ることができる)」を選ぶ。
次に、予定していたとおり、政治(国)、産業(ビジネス)、社会(個人)という枠組みで理由を考える。およそ5分で、理由1に「個人情報保護法によって守られている。JRの駅への監視カメラの設置も阻止された」、理由2に「情報の保護が企業にとってかつてないほど重要性を増している。みずほ銀行のシステムエラーは顧客離れを引き起こした」、理由3に「個人のセキュリティへの対策が改善されている。二重認証など堅牢性を増している」と決めた。5分もかかったのは、パンドラ文書に言及しようとして、これはむしろ守られない例であるなと考え直す時間があったためと、今回は設計をきちんとしてから書きはじめると決めていたからである。
原稿用紙は予定していたとおり、1行あたり8単語とし、小さい字で書いた。丁寧に、一生懸命書いていき、最終的には英作文には60分をかけることになった。予定していた25分を超過するころには気持ちはもう devastated であったが、とにかく、今回は自分ができるかぎりのクオリティで書いて悔いなしの気分で立ち向かった。なんなら残りは全部マークシートなのだから。
60分で書ききり、最後のピリオドを打って全体を読みかえし、もうこれで直しようもないと覚悟を決めて、残り時間は40分。あとは単語から長文の最後までノンストップで走りきる。検討の時間一切なし、一回読みで「これが正解」と思うマークを直感的に塗っていく。「鉛筆を置いてください」で最後のマークをちゃんと理解して、塗り終わる。あとは神のみぞ知るの心境となった。