小説「ハイスクール・ボブ」 15-2.5 | なんとなく断髪・襟足好きのためのようなブログ

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 ここでは、麻衣が学園美容室で初めての定期カットをしたことを理奈と話しているシーンをもう少し詳細に書きますので2.5となります。

 

ハイスクール・ボブ
~ある全寮制高校のカット事情~
 

15 定期カット

(2.5)

 

 2023年5月2日
 朝の1年2組の教室
 1時限目の開始まであと5分ぐらいある。
 理奈は、前の席に座っている小谷 麻衣と話をしている。
 麻衣は、昨日のうちにカット指定期間の定期のカットを済ませていた。
 理奈は、麻衣から昨日のカットのことを聞いていた。
理奈「昨日、学園美容室でカットしたんだ。」
麻衣「そうだよ。ショートにすると少しでも伸びると気になるんだよね。形も崩れてくるし、そんなに切った感じはしないけど、形が整ったし、サッパリしたわ。」
 麻衣は、椅子を後ろ向きに向けて、真後ろの席の理奈と話している。
理奈「そうよね。そんなに短くはなっていないけど、前髪やサイドの髪が切りたてでパツンと綺麗に揃ってるし、後ろの刈り上げも綺麗になってるから、私から見てても気持ちいいわよ。」
麻衣「ありがと。」
理奈「麻衣って元々どんな髪型だっだの?」
麻衣「中学の時は襟足ギリギリの長さのマッシュボブだったわ。けど髪が伸びてくると形が崩れるの。それがイヤだったから月1回ぐらいのペースでママと一緒に美容室にカットに行ってたわ。」
理奈「そうだったんだ。麻衣は、けっこう頻繁に美容室に行く派だったんだ。」
麻衣「どっちかといえばそうね。美容室に行くことは面倒には思わないし、髪をカットすることがなんかストレス解消って感じね。」
理奈「そうだったんだ。」
 美容室に行くことが面倒に思ってる理奈とは全然違っていた。
理奈「学園美容室に行った時ってどんな感じだった?」
麻衣「昨日の4時ちょうどに予約していたから、4時になる少し前に学園美容室に行ったの。」
麻衣「その時、他にも4時で予約している子が2人いてて、3人とも初めてだったからよくわからなくて、3人で一緒に学園美容室に入っていったの。」
理奈「制服で行ったの?」
麻衣「うん、一旦寮に戻ってジャージに着替えるのも面倒だし、制服のままで美容室に行ったわ。」
麻衣「美容室に入ってまずカウンターで受付をするの。予約の確認をした後、生徒証を出してカードリーダーに通すだけだから簡単だったよ。」
麻衣「その後、すぐにカット席に通されたわ。」
麻衣「あとの2人の子も続いてカット席に通されたので、ほとんど3人同時にカットが始まったわ。」
理奈「麻衣のカットはどの美容師さんにしてもらったの?」
麻衣「店長さんだったわ。」
理奈「美容室の雰囲気ってどんな感じだった?」
麻衣「特に普通の美容室と変わらないわ。カット席があって、シャンブー台があって。けっこう今風の明るい感じの美容室だったわ。」
 理奈は、美容室の前の廊下は何回か通っていたが、中はまだ入学後のオリエンテーションの学校内の施設紹介の時に少し入口から中を見ただけだった。
理奈「美容師さんは何人いたの?」
麻衣「昨日は、3人の美容師さんがいてカットしてたわ。3人とも女の人だった。たしか一斉カットの時にもいてた美容師さんだったと思う。」
理奈「そうなんだ。」
理奈「シャンプーはしたの?」
麻衣「カットしたの4時だったから、どうせ夕食後にお風呂に入るんだからと思ってシャンプーは頼まなかったわ。」
麻衣「部活の後のカットだったらシャンプーしてもいいかなと思ったわ。300円ぐらいだったらお小遣いから出してもいいから。」
理奈「たしかカットはタダだったよね。」
麻衣「そうだよ。カットが終わった後、カウンターでもう一回生徒証をカードリーダーに通せばそれで終わりだったわ。」
理奈「そうなんだ。」
理奈「私は、特に予約してないから、5連休の間にカットに行くつもりなのよね。」
「キーン、コーン、カーン、コーン」
 始業のチャイムが鳴った。
麻衣「あっ、チャイムが鳴ってる。先生が入ってくるから前を向いて座っておかないと。」
理奈「ありがとう、麻衣、参考になったわ。」
麻衣「じゃ、またね。」
 麻衣は、椅子を前に向けて座り直して、授業に備えた。
 理奈も、まっすぐに前を向いて座った。
 理奈は、前の席に座っている麻衣の昨日カットしたばかりの綺麗に刈り上げられた襟足をじっと見つめながら、授業が始まるのを待っていた。
 

つづく