無意識化されたフェルトセンスへの気づきと心理的変化について | こころのメモ帳

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鹿児島市大竜町に相談室を持つ「心理カウンセリングこころね」代表 田中 晃@心理カウンセラーのブログです。一緒にこころの整理をしていきましょう。

私は時折楽器の練習で川沿いの公園に行くことがある。

 

そこで練習していると、決まって、杖を片手に黙々と散歩している男性に会う。

 

年の頃は50くらいだろうか。

 

あまりにしばしば会うので、「今日も頑張りますねー」とお互いに話し合うくらいには近しくなったが、個人的な会話もなく、天気の話など、社交辞令的なやりとりをした後にはお互いの世界を黙々とこなすといった風だった。

 

何ヶ月かたったある日、その男性がこう切り出した。

 

「実は私、むかし楽器吹いていたんですよ。」

 

話によると、学生の頃はブラスバンドに所属していたが、社会人になるとともに忙しくなってやめたんだそうだ。そして、こう言った。

 

「実はガンで、足を切ったんですよ。」

 

あまりに上手に歩くので気がつかなかったが、彼の片足は義足だった。

 

そういえば、すり鉢状になっているこの公園を、彼は何度も、何度も黙々と往復して歩いていて、私はそのことを多少不自然に感じていたのだった。

 

そのあと、少しだけそのことについて会話があり、私が彼の世界で演じていた役割について知り、彼がそんなプライベートなことを私に語ろうと思った気持ちを理解できたのだった。

 

無意識ではあるが、彼は練習する私に自分を重ね、私もひたすら歩く彼に自分を重ねていた。

 

彼は去り際に、四葉のクローバーを置いて帰っていった。

 

私には、公園に群生するシロツメクサの代表が微笑む材料を送ってくれた気がした。

 

そして、彼に病がもたらしたものについてしばし思い。帰宅した。

 

 

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