想いを料理一つ一つに!『飄香』井桁シェフの心のこもった料理 | Food to happiness ~スペインバルを目指す男の食楽記~

Food to happiness ~スペインバルを目指す男の食楽記~

スペインバルの開業を目指し、お店での食べる意味を楽しみながら綴ります。フードアナリスト最高資格1級習得“NORY”がお届けします。

2010年フードアナリストとしての回帰の意味も込めまして。

毎月恒例、食の師匠主催の「うまい会」でした。

本日のお店は代々木上原『老四川 飄香』さん。
フードアナリスト協会会長、著名な先生方、御田町「桃の木」さんのスタッフの方、様々な素晴らしい皆様が集った会でしたが、それにも全く引けを取らない絶品の素晴らしいコース料理を提供していただきました。
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中国シェフ若手最も注目されている一人、井桁さんの想いのこもった料理です。

四川の小皿前菜 八種
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まさか8種類とは、最初から度肝抜かれましたが…
よだれ鶏・ピリ辛腸詰・ピータン・クラゲ・牛もつのマーラーソース・キンカンの甘酒煮…など

どれも逸材。四川料理という枠にとどまらず、シェフの調味のセンスが十二分に発揮された品々。

大車海老の特製腐乳ソース
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腐乳とは、豆腐に麹をつけ、塩水中で発酵させた中国食品です。
臭さはまったく感じられず、クリーム煮をもっと濃厚にさせたような感じ。

コクと独特の今まで味わったことのない香り、甘く柔らかい味わい。

そこに大きな海老は、クワイなどの野菜と一緒に寄せ揚げになっており、ソースとの相性・食感・香ばしさ・甘さ、すべてが一緒になったハーモニー。

本当に美味しくて感動してしまいました。

鶉(ウズラ)のフカヒレ詰め 四川トリュフ煮
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心臓の悪いかたは、ちょっと目をそらしてね…

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祈りを込めて…命を頂きます。今年もそんな気持ちを忘れずに。

中国四川省の遠い山の森の中には、野生のトリュフが多く生息し、日本やヨーロッパへの輸出数量も増えてきているそうです。
中を割ると、たっぷりのフカヒレが…

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柔らかいウズラ。独特の味わい。
師匠は少し塩気が強く感じられたそうですが、自分はその分クセを感じることなく美味しく感じました。
甘辛く、コク深く、卵のようなまろやかさを感じたのは気のせいか否か。

ラムチョップの炒め 田舎四川風
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近くで見ると彩り鮮やか。
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上に乗った野菜・ナッツ類が香りをさらに増し、唐辛子が口内を刺激する。
少々女性陣には食べづらそうな印象でしたが、辛さと美味さの見事な調和。

ホタテ貝の蒸し物 グリーンソース
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大きなホタテ…柔らかなホタテ…あぁホタテ…(笑)
爽やかなソースが、さらに甘さを際立たせます。
横に添えられた大きなキノコとちんげんさいにはベーコンが挟まれ、さらに風味豊かな味わいを醸し出します。

重慶式白身魚の煮込み
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スープがいい感じで輝いててくれて非常にうれしいのですが…

「火鍋」、「口水鶏」に代表される重慶料理は香辛料を多く使われるのが特徴なんです。
パクチー(中国では香菜(シャンツァイ)とも呼ぶ)や香辛料を多く使いタイ料理にさえ近くなってしまうぐらいのスパイシーさ。

香ばしく、しかし中はフンワリ揚がった金目ダイ。
真っ赤なスープに煮込まれて、和風では味わえない味との遭遇です。

本場四川のマーボー豆腐。
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ホントに麻婆豆腐というもんは、その店、そのシェフの特色が味に出ます。

山椒、豆鼓、醤、辣油、それぞれの味、辛さ。

飄香の味は、手作りの醤、辣油が中心。もちろん豆鼓のコクも効いていますが、唐辛子の刺激が印象的。

そして、その辛さには、ごはんと、そしておつけもの。
四川の家庭常備菜4種。
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大根を醤油・老酒・にんにくなどの調味料で漬けたもの、かぶ、ザー菜などなど…
サッパリと、しかもピリ辛、ご飯が進みますよねぇ…
中国の家庭は、こんな美味しいものが常備されているのかぁ…いいなぁ…

そしてデザートは4種の中から選べます。
前回書かせていただいた3種、そして今回注文したのはコチラ。

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青山椒のアイスクリーム酒粕とオレンジのソースです。

刺激的な香りかつアルコールの刺激、そして甘さとまろやかさ。
面白いスッキリデザートです。

でも、一番好きなのは・・・
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紫芋のプリンココナッツソース 黒米添え

そして締めくくりは、ユリの花と桂花の緑茶です。
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マンダリンオリエンタルホテルの「センス・ティーコーナー」でもご紹介しましたが「芸術作品」とも言える、中国の『工藝茶』。

お湯を入れれば、茶葉が開き、美しい花が咲き誇ります。

見た目にも、香りも、彩りも…最高の締めの一品です。

会長もおっしゃっていましたが、まさにスパイスの魔術師。

これだけのメニューを食べても、何一つとして、似たような味がありません。
どれも工夫を重ね、繊細に味付けられた、一品一品が個性の象徴。素晴らしい料理でした。

最後に井桁良樹シェフからのお言葉もとても印象的でした。
お正月に中国に行っていたという井桁シェフ
『自分が目指しているのは、四川の田舎料理。しかし、本場中国でも、経済発展の影響で、料理も大きく変わってきている。』
『もっともっと皆さんの意見を聞き、勉強していきたい』という言葉に胸が熱くなりました。

終わりはない。これだけの物を作れても、“研究”し、“追求”する「熱き心」

これからも、お店のほうに通い続け、味わうたびに勉強をさせていただきます。


老四川 飄香 (ラオシセン ピャオシャン)
東京都渋谷区上原1-29-5 BIT代々木上原 001
03-3468-3486
11:30~14:00(L.O)
18:00~21:30(L.O)

定休日
月曜・第3火曜


老四川 飄香四川料理 / 代々木上原駅東北沢駅代々木八幡駅

夜総合点★★★★ 4.0
昼総合点★★★★ 4.0




http://tabelog.com/btb/5d646d34bbf88b14b81cdee186e2a86c361e746d9f309d7252b9e062776d8514/