気が付くと2012年も押し詰まって来た。ここ数年、エコプロ展が
終わると「今年も終わり」と思うようになった。今年も多くの
来場者があり、自転車とエコについてアピールする機会を作ること
が出来た。
自転車業界で力を合わせて出展するブースが常連になったことも
あり、来場者から「なんで自転車がエコプロ展に?」というような
疑問はなくなった。自転車=エコの等式が受け入れられて来た証
だろう。ほんの4~5年前までは来場者から、たびたび訊かれた
ものだが。
ブリヂストンサイクル、パナソニックサイクルテック、ヤマハ
発動機という国内メーカー3社が呉越同舟状態になって、シマノと
技研製作所と自普協が後押しする形でリンプロと自活研が後援に
回って運営して来た今回の「自転車ECO学園」には、懐かしの
ジュニアスポーツ自転車展示という目玉があった。
写真のブリヂストンサイクル「アストロG」は1973年ごろに
登場した当時の少年たち垂涎のフラッシャー付き自転車だったが、
現存する完動品、つまりフラッシャーが光る物は極めて少ない。
自転車文化センターにも、シマノの自転車博物館にも同じような
自転車は保管されているが、光る物はなかった。
今回の展示の目玉として、何とか完動品を入手したいと手を
尽くして探した結果、快く貸し出していただける方を見つける
ことができた。来場者の中で、少年時代にジュニアスポーツ
自転車と共に走った記憶のある方は素通りできずに寄って来られ
実に楽しそうに眺めて行かれた。皆さん満面の笑顔だ。中には
「貴重な物を見せていただき、今日は本当にありがとうござい
ましたっ!」とお礼を述べて去って行く方までいて、苦労した
甲斐があったと思った次第。
ヒキタさんの新ネタ「追憶のジュニアスポーツ自転車」講演も
当時、行く所まで行くつもりで各社競争を激化していった経緯が
分かって実にタメになった。ある時を境にして、あたかも恐竜が
絶滅したようにジュニアスポーツ自転車は消えて行く。その悲哀
が感じられて、ますます懐かしくなった。
驚いたのは若い来場者で、展示車を見て「これは今回の展示に
合わせて製作したコンセプト自転車ですか?」と訊いた方がいた
ことだ。40年前に現存した自転車だと伝えると相当驚いていたが、
若い人の中には見たこともない方がいることの方が驚きだと思うが
如何だろうか。
今後日本の自転車業界を考える上で「呉越同舟」などと云って
いる場合ではない。国内メーカー3社には売れるからと電動アシスト
自転車だけでなく、あの頃のようなワクワクする自転車を作って
もらいたいものだ。
