【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

核のゴミに「待った」 米ネバダ、州法で投棄拒否へ


【ロサンゼルス2日=高野特派員】

米ネバダ州議会はこのほど、米国内の原子力発電所から出る高レベル核廃棄物の州内への投棄を認めない法案を可決した。核実験場を持つネバダ州を核廃棄物埋め立て貯蔵場所の最有力候補地としている米エネルギー省の計画を真っ向から否定する態度を鮮明にしたもので、米国の原子力政策への影響も避けられない。


ネバダ州議会当局者によると、この法案は28日に議会を通過し、ミラー知事に送られた。知事の署名があれば州法として成立する運びであり、同当局者は、知事が署名するだろう、といっている。


米国では、国内約100カ所の原発から出る「核のゴミ」が2000年には数万トンにも達すると見られる。エネルギー省は、7万トンを埋め立て貯蔵できる候補地としてネバダ、テキサス、ワシントンの3州を選び、検討を続けていた。中でもラスベガスから百数十キロ北にあるネバダ州ユッカ山系が最有力地とされていた。


ネバダ州議会当局者によれば、今回の法案が州の法律として成立しても、連邦議会の決定によっては効力を持ち得ないことがある。しかし、連邦議会がこうした動きに出れば、司法の場に問題が持ち込まれることも考えられると、ネバダ州議会当局者はいっている。


(朝日新聞 1989/07/03)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

ソ連原船やはり炉心溶融 60年代 北極海で死者30人?
CIA文書に記述 68年には原潜沈没で90人死亡

【ワシントン22日=共同】

ソ連の原子力砕氷船レーニン(19,240トン)が1960年代の後半、北極海域で炉心溶融事故を起こし、25-30人の死者と多数の負傷者を出していたことが、共同通信が22日までに米中央情報局(CIA)から入手した文書で確認された。


レーニンは現在も運航中で、事故による放射能汚染の規模、その後の改造の方法などは全く明らかにされていない。原子炉の深刻な事故としては、79年の米スリーマイルアイランド原発事故、86年のソ連チェルノブイリ原発事故がよく知られているが、実際には、これらより先の60年代に海上で深刻な炉心溶融事故が起きていたわけで、ソ連当局が事故を一切公表せず、米情報当局も沈黙を保ってきたことは論議を呼ぶことになろう。
報の自由公開法により入手した文書は「機密情報リポート」などと記されており全部で48ページ。


レーニンに関しては4つ記述がされており「放射能事故のためソ連当局が沈没させたとのうわさは否定された」「事故発生時に14人が死亡した」「1基の原子炉が突然の破滅的事故で溶融した」「事故は放射能に汚染された水漏れにより発生、死者は25人から30人とみられ、さらに多数が放射能障害でレニングラードの第1海軍病院に運ばれた」──などと書かれている。


これらの文書は、いずれも機密性、情報源の保護のため、多くの部分が黒インクで抹消されており、レーニンの事故発生地点などの情報も明らかでない。
レーニンの事故は西側の一部で過去に伝えられたことがあるが、今回、CIAの文書によりその事実が確認された。事故の発生時期は「66年に原子力装置の根本的改良を行った」(原子力年鑑)と伝えられることから、その直前ではないかとみられる。


これらの文書は、原子力潜水艦の事故に関する情報も多数含んでおり(1)68年に北方艦隊(司令部セベロモルスク)の潜水艦がムルマンスク近くの入り江で沈没、90人が死亡(2)70年の「オケアン70」海軍演習の際、火災が原子炉に及ぶのを避けるため潜水艦が沈没、多数が死亡(3)72年12月北米東海岸の大西洋で潜水艦の核魚雷が事故を起こし放射能が漏れた(4)73年2月、北方艦隊の潜水艦の放射能漏れ事故で数人が死亡した──など多くの事故に関する情報を記載している。


最近ではことし4月、ノルウェー海域での事故発生が伝えられたが、国際的な反核・環境保護組織グリーンピースの集計ではソ連潜水艦の事故は全部で三十数件に上るとしている。


<原子力砕氷船レーニン> 世界最初の原子力推進船として、ソ連レニングラードのアドミラルティ造船所で建造され、1959年進水した。全長134メートル、全幅26.8メートル、19,240トンで、進水時は3基の原子炉を搭載。うち2基を常時、稼働させ、北極海に面するムルマンスクを基地に活躍した。
60年代半ば大規模な原子力事故によって、1年以上放置された後、造船所にえい航され、原子炉2基を取り換えて再就航した。現在、熱出力9万キロワットの加圧水型軽水炉2基が搭載されているといわれる。(共同)


(朝日新聞 1989/05/23)


【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

核燃料基地近くに模擬弾 米軍のF16が落とす 青森・六ケ所村


【青森】

青森県三沢市の米空軍三沢基地(ジョン・ローバー司令官)所属のF16戦闘機が、飛行訓練中に爆撃演習用の模擬弾1発を同県上北郡六ケ所村の核燃料サイクル基地建設予定地の南約8キロの牧場内に誤って落とし、既に米軍が回収していたことが、24日までに同基地から三沢防衛施設事務所に入った連絡で明らかになった。
昨年9月には、F16が岩手県の山中に墜落しており、膏森県内では今後、三沢基地近くに建設する核燃料基地の安全性をめぐる論議がさらに高まりそうだ。


同事務所によると、戦闘機が模擬弾を落としたのは今月16日。同基地の北約20キロにある三沢対地射爆撃場で通常の爆撃訓練のために基地を飛び立った戦闘機のうちの1機から、何発か装備された模擬弾の1つが搭乗員のミスで落下した。


米軍は16日午後から、飛行訓練ルート付近を捜索。17日早朝に六ケ所村平沼田面木の青森県酪農振興センターの職員宿舎の南側約15メートルのところで、模擬弾を発見し、回収した。模擬弾には爆薬は装てんされておらず、当時落下地点付近には従業員はいなかった。また、牛や畜舎の損害もなかったという。
落下の原因について米軍は「爆弾装着装置などの機械的な故障ではない」と説明している。


三沢基地は、核燃料基地の建設予定地から27キロしか離れておらず、事業者である日本原燃産業によると、米軍機などが予定地の上空周辺を年間4万2800回も飛行している。核燃料基地の一部は平成3年度から操業される予定だが、青森県内では農民を中心に反対運動が強まっており、今回の事故でさらに激化しそうだ。


(中日新聞 1989/03/25)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

自然界にない核生成物 東海村の周辺に
海藻から検出 動燃は関係否定


茨城県東海村付近の海藻から、科学技術庁放射線医学総合研究所那珂湊支所(同県那珂湊市)の測定で、自然界には存在しない核分裂生成物のテクネチウム99が検出された。東海村には動力炉・核燃料開発事業団の再処理工場があるが同研究所の測定に対し、動燃は「排水からはこれまで検出されていない」と関係を否定している。


検出は、テクネチウム99の検出方法に関する平野茂樹主任研究官の研究として昨年10月、広島市での放射線影響学会で発表された。茨城県から千葉県までの海岸沿い5カ所で、海藻のアラメに蓄積されたテクネチウム99の濃度を、平野主任研究官らが開発した方法で測定した結果、東海村に近い那珂湊市から、1キロ当たり640ミリベクレルが検出された。大洗町では82ミリベクレル、日立市では20ミリベクレルで、北茨城市と銚子市では検出されなかった。また、那珂湊市の海水からは、1立方メートル当たり最高226ミリベクレルのテクネチウム99が測定された、としている。


テクネチウム99は核爆発実験などで生成されるもので、半減期は約21万年。英国の再処理工場の排水の中から検出されて問題となったことがあるが、放医研では東海村の原子力施設との関連を目的とした研究ではないことから、因果関係については明言できない、としている。一方、動燃東海事業所は平野主任研究官の発表後、再処理工場からの排水を調べたが、検出限界(1立方メートル当たり37ベクレル)以下で、測定できなかったという。
茨城県環境局は「発表データからは人体への影響はないと考えられる。今後の研究の推移を見守りたい」と話している。


(朝日新聞 1989/03/14)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

海水から人工放射性物質テクネチウム 東海村周辺
原子力施設が関係? 人体には影響なし

【水戸】

原子力施設が集中立地する茨城県・東海村周辺の海水から、半減期21万年の人工放射性物質「テクネチウム99」が、大気圏内核実験の放射性降下物を上回る濃度で検出されていたことが、科学技術庁放射線医学総合研究所那珂湊支所(同県那珂湊市)の調査で分かった。
検出濃度は国の水中許容濃度をはるかに下回り、人体や海産物への影響はほとんどない安全なレベルだが、この調査結果はテクネチウム99が東海村の原子力施設から低レペル廃液として放出されている可能性を示唆している。
一方、テクネチウム99を含む使用済み核燃料を再処理している動力炉・核燃料開発事業団東海事業所は独自の調査を基に「放出廃液からテクネチウム99は検出されていない」としている。
テクネチウムは半減期が極めて長いだけに、発生源の特定とともに長期的な環境放射能調査が必要になりそうだ。
調査したのは、同支所海洋放射生態学研究部の平野茂樹主任研究官らのグループ。東海村の原発や再処理工場から11-7キロ南に位置する那珂湊市磯崎町の同支所前の海水を対象に、一昨年12月から調査を始めた。
その結果、海水中のテクネチウム99の濃度は昨年2月末-同3月初めに海水1立方メートル当たり226ミリベクレルを検出したのを最高に、7カ月間で検出限界(1立方メートル当たり10ミリベクレル)以下まで大きく変動していた。
さらに海水中の濃度が最高値を記録した昨年3月、同県北茨城市-千葉県銚子市の太平洋沿岸5カ所で多年生の海藻の1つアラメを採取して、蓄積傾向を調べた。
那珂湊で1キログラム当たり0.64ベクレル、大洗で同0.08ベクレル、日立で同0.02ベクレルと東海村周辺の試料だけからテクネチウム99が検出された。
核実験の降下物によるテクネチウム99の海水濃度(バックグラウンド)は、1立方メートル当たり10ミリベクレル以下のため、調査関係者は、バックグラウンドを超えるテクネチウム99を含む水塊が、短期間で同支所の沖合を移動している、とみている。
しかし、検出されたテクネチウム99が、原子力施設から放出された、と断定するにはさらにデータを積み重ねる必要がある、と指摘している。


<テクネチウム> 金属元素の1つで原子番号43。1937年、モリブデンに重陽子を照射して初めて人工的につくられた。質量数92から107まで16種類の同位体がある。テクネチウム99は核分裂によって大量に生成され、比較的にエネルギーの弱いベー夕線を出す。半減期は21万年と長いが、体内に入って排せつされるまで体内で半減する期間は20日以内、と短い。本来、天然にはほとんど存在しなかったが、過去の大気圏内核実験や核燃料サイクルの進展に伴って環境中に放出されるようになった。


(中日新聞 1989/03/13)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

30年前のソ連核事故現場 今も広域汚染
スウェーデン社衛星写真を分析

チェルノブイリ原発事故以前にソ連の軍事核施設で起きた「ウラルの核惨事」と呼ばれる大規模な核廃棄物飛散事故現場を、地球観測衛星ランドサット(米)とスポット(仏)がとらえ、そのデータから惨事の存在が確認されたことが2日、明らかになった。東京で開かれた平和シンポジウム(東海大主催)で、人工衛星のデータを処理しているスウェーデンのスペース・メディア・ネットワーク(SMN)社担当者が講演した。約30年たった今でも2万5000ヘクタールもの範囲が閉鎖され、30以上の村落や農地が打ち捨てられたままになっているという


事故現場は、ウラル山脈の東側にあるキシュチュム軍事核施設。ソ連初のプルトニウム製造施設だった。


ソ連は1957年から翌年にかけて起きたこの事故を公表していないが、亡命者のもたらした情報などから、死者が100人以上にのぼる原子力史上最悪の事故、とする説もある。


SMN社のクリスター・ラールソンさんによれば、米のアース・オブザベーション・サテライト社と、仏国立宇宙研究センターが衛星によって収集したデータをコンピューター処理した。写真(※江原注:割愛)はそうして得られたものの1つで、下の白い部分が、英国に亡命した生物学者ジョレス・メドべージェフ氏がかつて「核廃棄物を安易に近くの湖に捨て続けていた」と指摘した、事故発生場所としている。ここで廃棄物の崩壊熱が高まって“沸騰”、廃棄物が飛散する原因となったらしい。


写真右の湖の右端の白い線は、湖内の汚染水が他地域へ流れ出るのを防ぐ仕切りだという。さらに拡大した写真からは、この事故で粉末化した廃棄物が風に乗って北に向かって拡散し、汚染された地域を、周辺地域から仕切るフェンスなども識別できるという。


なお、核施設から北西の湖(写真の左上)の色が変わっているのは、熱い冷却水が排出されているためで、現在核施設が稼働を続けているのがわかるとしている。そればかりか、右上部の建物は、新しい原子炉群で、77年以降に建設され、去年から今年の間に一層拡張されているという。


(朝日新聞 1988/12/03)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

再処理施設設置直下に断層 原燃内部資料で判明


核燃料サイクル施設のうち、再処理施設の予定地に2つの断層があり、安全性をめぐって国関係者が調査不足を指摘したり、安全性が印象づけられるようさまざまなアドバイスをしていることが、同施設建設を担当する日本原燃サービスの内部資料から明らかになった。これは社会党県本部が7日、独自に入手した資料として公表した。同施設は11月に事業許可申請の予定で、同社は「この時期にそんな資料が出るはずはない」とコメントを避けているが、社会党は「事業者と国が『断層隠し』にやっきとなっている実態が明らかになった」として、今後は地震データの公表を求め、事実解明に乗り出すほか、国会の場でも追及する。



社会党 データ公開要求


同党が入手した内部資料は、再処理工場の立地に関する地質調査についての国関係者3人と同社とのやり取りと、現場の図面。図面にははっきりと2つの断層が示され再処理施設のいくつかの建物はその真上に建設される設計となっている。


社会党が発表したやり取りの部分は資料からの抜粋。反対派を警戒し、安全性を印象付けるデータ作成に腐心している様子が生々しく記されている。例えば8月23日の科技庁安全審査官とのやり取りでは、派生断層の可能性をめぐり、原燃サービスの調査に対して「2つの断層の派生断層が数多く存在することが考えられる」とし、「(もっと調査することによって派生断層が)ないことを明らかにして、反対派に論陣を張るべき。第2試掘坑を実施するのが申請受理の条件」と原燃サービスの資料に厳しく注文をつけている。


また、7月28日、現地へ断層調査に訪れた通産省工業技術院地質調査所環境地質部地震地質課の担当官は、「f-1断層の北の連続は、JNFI(日本原燃産業)サイトの断層とも関連するかもしれない」と述べ、原燃産業が担当するウラン濃縮施設や低レベル廃棄物貯蔵施設のサイトにも断層が存在する可能性を指摘する部分もある。


同担当官はさらに「今の状況の証拠だけでは第三者から活断層といわれたら十分説明できない」「将来裁判になったとき、このままの証拠では活断層でないとは言い切れない」と講評するなど「断層隠し」と誤解されかねないやり取りもある。


県や事業者はこれまで、「サイクル施設が立地する地盤は安定しており、断層はない」としてきたが、今回の内部資料でこうした説明がきわめてあいまいな根拠しか持たなかったことが浮き彫りにされた。「安全性は国任せ」の姿勢を取り続けてきた県にとっても、今度の内部資料の公開はショック。今後、国のデータに対する不信がますます募ることにもなりかねず、安全議論に大きな影響を与えそうだ。



原燃 強引な“断層隠し” 社会党は徹底追及の構え


社会党は記者会見で明らかにした原燃サービスの内部資料について、問題点を指摘しながら「断層隠しを徹底的に追及していく」と厳しく批判している。


同資料によると、試掘坑調査に関する原燃サービスと科技庁核燃料規制課の安全審査官のやり取りで、原燃サービス側は「ボーリングのデータを総合して重要構造物の基礎地盤を把握しているので新たに試掘坑を掘らなくても十分評価できる」「重要な建物の直下には派生断層がない」と主張。これに対して審査官は「ボーリングデータから直下に派生断層がないので良いという理屈は一番甘い妥協案であり、派生断層は否定できないと反対派から指摘されると非常に弱い」「直下は否定したとしても1本でも派生断層が推定されればその延長が重要な建物に及ぶ可能性もある。従って第2試掘坑を掘って派生断層がないことを明らかにし、反対派に論陣を張るべきだ」と指摘している。


また、鷹架中部層の地盤安定評価について原燃サービス側は「再処理施設の基礎地盤は軟岩で等方均質地盤」と説明、審査官は「AC(精製)建屋に関してだけの解析ではだめだ。地盤に何か問題があると反対派に言われかねない」などと指摘している。


また、再処理施設の事業許可申請(11月予定)との関連で、原燃サービス側がこれまでの調査に基づいた地盤安定性評価に現在の試掘坑の増掘調査などを補強して申請をクリアさせたい意向を示したことに対し、審査官は「それだけではだめだ。11月の申請には最低限試掘坑内での中部層に対する岩盤試験が必要だ。さらに派生断層の観点から重要な建物すべての直下で申請にまたがっても第2試掘坑を実施することが申請受理の条件だ」と述べている。
これについて社会党は「安全性の評価が不十分なまま事業許可申請を急ごうとする姿勢が明白だ」と指摘。


一方、通産省工業技術院地質調査所の担当官が断層調査で現地入りした時の打ち合わせ議事録によると、担当官は「断層の北の連続は原燃産業サイト(ウラン濃縮、低レベル廃棄物処理を担当)の断層とも関連するかもしれないので調整するように」「ピット1は構造性の断層と思わないが、将来、裁判になった時などこのままの証拠で活断層でないとは言い切れない」などと述べている。


青森市より強い岩盤

木村敏雄東大名誉教授の話 この断層は1000万年ぐらい前の地層にできているもので、その上を約300万年前にできた地層が覆っており、青森市内よりは強い岩盤となっている。ボーリング・コアで見ると、幅も大きくなく、地震があっても大丈夫と思っている。断層の真上には放射能にかかわる重要施設を置かないよう、念を入れているはず。


危険性に変わりない

宮城一男弘大教授の話 今回の資料は、断層があるとして私が前から主張してきたごく当然の内容を示したに過ぎず、驚くことではない。第4紀層まで伸びている活断層かどうかは分からないが、活断層でないとしても、危険なことに変わりはなく、地震が起きれば断層に沿って被害が集中するのは明らか。その上に重要な施設を建てるというのは議論以前の問題。


(東奥日報 1988/10/08)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

英国で放射能汚染による白血病論争盛ん

核燃料再処理工場がある英国のセラフィールド(旧名ウィンズケール)周辺では、放射能汚染に起因する白血病への不安がささやかれている。特に1983年にヨークシャーテレビが、セラフィールド近くのシースケールで幼い子供たちに過剰な白血病の発生がある、と報道してからは、住民や医師による真相究明の活動も盛んだ。


これに対して、英中央電力庁と英原子力公社の研究者が書いた放射能汚染を否定する論文が、このほど発行された英科学誌『ニューサイエンティスト』に掲載されている。


この論文は、白血病の発生自体を否定しているのではなく、ヨークシャーテレビによる統計的解析法を批判したもので、「データを見てから(患者の集団ができるように)境界線を引いているようだ。調査の前に線を引くのが本質的。集団の周りに線引きして、本当とは思えないことをつくり出すのは簡単だ」と断じている。この工場については、今年1月、1957年に起きた火災事故の報告が、政府の手で隠されていたことがわかったばかり。原子力反対派の攻勢にさらされている。


(朝日新聞 1988/08/30)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

「私たちも被ばく者」原爆製造した米都市の男女 核廃絶を訴え

長崎市に投下された原爆のプルトニウムを製造したハンフォード核施設がある米国ワシントン州リッチランド市から、男女2人の米国人が、初めて長崎にやってきた。私たちも核施設から漏れた放射能で被ばくした核の被害者。長崎の被爆者の思いと、私たちの気持ちは同じだ」といい、8日、長崎大学医学部で診察を受けたり、他の被爆者養護老人ホームを訪れたりして、核廃絶を訴えた。今も核施設のすぐ隣に農場を持つトム・ベイリーさん(41)と、風下に住んでいたミリー・スミスさん(40)の2人。原水禁(社会党、総評系)の原水爆禁止世界大会に海外代表として参加した。


ベイリーさんは祖父母と両親、姉妹らをがんで亡くし、自分もツメの奇形などの障害を持って生まれた。これまで3回、髪の毛や歯が抜けたほか、背中にしゅようができたり、両足がしびれたりの苦しみにつきまとわれている、という。スミスさんは高校時代に体調が悪化、慢性疲労で働けなくなった。1年半前には甲状せんがんと診断されたという。


スミスさんは「罪滅ぼしのため長崎に来ました。まだ声が出るうちに、核は地球上の生命を破壊するだけであることを訴えたい」と話している。


(朝日新聞 1988/08/09)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
東電福島原発の圧力容器 無理に整形と証言 元設計者


日立製作所の系列会社「バブコック日立」(本社・東京)の元原子炉設計者が、東京都内で28日開かれた原発シンポジウムで、「ある原子力発電所で、製作上のミスからひずんだ形になった圧力容器を、ジャッキで無理に形を整え、そのまま実際に運転しており、安全性を心配している」と指摘した。


原発の心臓部ともいえる圧力容器をめぐって安全性を問う具体的な指摘がされたのは初めて。問題の原発は東京電力福島第1原子力発電所4号炉で、東電側はひずみを修正した事実は認めたが、「安全上は問題ない措置だった」としている。


発言したのは、いまは翻訳家の田中三彦さん(45)。シンポジウムは、東京・霞が関のイイノホールで、ダイヤモンド社の月刊誌BOX編集部が主催して開かれ、田中さんは日本原子力発電の板倉哲郎・技術開発副本部長や、作家の広瀬隆さんらとの討論の中でこの発言をした。


圧力容器は、ウラン燃料を内部に収め、その核分裂反応を一定に抑えるための水をためている。いわば原発の心臓部。円筒形で、厚さ10センチ前後の鉄板で作られている。


田中さんによると、修正したのは昭和50年ごろ。圧力容器はほぼ出来上がり、横に寝せて最後の焼きなまし作業を終えた時、真円型であるべき断面が、だ円型になっており、許容される誤差から大幅に外れていた。このため、内部に大型のジャッキを突っかい棒のように当てて形を整え、再び加熱する処理をとった。当時、田中さんは別の部門に移っていたが、トラブルが起きたために呼び戻され、修正の際に容器にかかる力の解析にあたった、という。


田中さんは「何度も高温にさらされたことで、材料の特性は完全に失われている可能性がある」としている。


29日会見した東京電力の乙葉啓一・原子力発電部長によると、同炉の圧力容器(直径5.7メートル、長さ17メートル)を製作中に、直径が最大49ミリ狂ってしまった。許容範囲の34ミリを上回ったため、中に3本のジャッキを入れて、力をかけたまま、熱を加える処理をして、形を修正した。この作業については、日立側から連絡を受け、問題がなかったので、東電側も同意した、としている。


通産省、日立を含む三者は、この処理について「ジャッキを使って圧力容器に加えられたひずみは極めて小さく、その健全性には何ら影響はない。修正作業によって、この容器には3時間余分に、熱を加えられているが、その熱処理の時間は合計36.5時間で規定の40時間の枠のなかに収まっている」と、話している。


(朝日新聞 1988/06/30)