ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters) による大規模な 「 The Wall Tour 」(2010年9月15日-2013年9月21日),「 Us + Them Tour 」(2017年5月21日-2018年12月9日) に次ぐ 「 This Is Not A Drill Tour 」 が,2022年7月6日米国ペンシルベニア州ピッツバーグは PPG ペインツ・アリーナ公演を皮切りにスタートし,徐々にツアー規模が拡大していっています.

 当初,このツアー(「 This Is Not A Drill Tour 」)は,2020年7月から 10月の間に開催予定と告知されましたが,COVID-19新型コロナウイルス感染症) のパンデミックが世界規模で進行を受け,再スケジュールされたものです.

 ツアーの為のリハーサルは,2022年6月13 日-16日の間,英国サウサンプトンで行われ,その後,6月21日米国ニューヨーク州ニューヨーク・シティにて TV番組:レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベアThe Late Show With Stephen Colbert)に出演し,ツアーの宣伝の為,ピンク・フロイド(Pink Floyd)時代のアルバム 『 The Wall (ザ・ウォール) 』 収録の ”The Happiest Days Of Our Lives”,”Another Brick In The Wall (Part 2)”,”Another Brick In The Wall (Part 3)” の 3曲をメドレー形式で演奏.
 そして 7月2日ペンシルベニア州ユニバーシティ パークはブライス・ジョーダン・センターでのドレス・リハーサルを経て,7月6日ペンシルベニア州ピッツバーグは PPG ペインツ・アリーナ公演からスタートしました.

 ツアー初日に当たる 7月6日ペンシルベニア州ピッツバーグは PPG ペインツ・アリーナ公演は 『 This Is Not A Drill : Pittsburgh 2022 (Amity 687) 』 として,7月にリリースされていますが,今回は 2ヵ月振りの第二弾として,ミズーリ州カンザス・シティは T-モバイル・センター公演のオーディエンス録音を収録した 『 Kansas City 2022 (Amity 695) 』 が,Amityレーベルからリリースされました.

 それにしても,ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters) の商品は,余り人気は無いのでしょうね.正直,CDRリリースなのが悲しいです.

 因みに Disc 1Track 09 の ”The Bar (Part 1) (false start)” は,開始 40秒目あたりで演奏ストップし,やり直しとなっていますが,これもある意味ドキュメントですね.

 音像は若干遠目ではあるものの,各パートの音のバランスは良く,オーディエンス・ノイズも少なく然程気にならないのも良いです.大会場の音の質感はりますが,高音質のオーディエンス録音と言えます. 

 メーカー情報では
 『2023年の欧州レッグも発表となり、本格的なワールド・ツアー化が決定した“This Is Not A Drill”。その最新ライヴアルバムが登場です。
 そんな本作に吹き込まれているのは「2022年9月3日カンザスシティ公演」。その一部始終を真空パックした極上オーディエンス録音です。当初ロジャー・ウォーターズは「アメリカ、カナダ、メキシコでギグをする。それだけだ。世界中を回ることはできないし、そうしたいとも思わない」と語っていたのですが、幸運にもその言葉は覆されました。そんな“This Is Not A Drill”の状況を知る意味でも、今一度最新のスケジュールを確認してみましょう。

 ●2022年
 ・6月21日:Late Show With Stephen Colbert出演
 ・7月2日:ドレス・リハーサル
 ・7月6日『PITTSBURGH 2022』
 ・7月8日ー8月31日:北米(23公演)
 ・9月3日:カンザスシティ公演 ←★本作★
 ・9月6日ー17日:北米(6公演) >>今ココ<<
 ・9月20日ー10月15日:北米(12公演)
 ●2023年
 ・3月21日ー4月1日:欧州#1(7公演)
 ・4月21日ー29日:欧州#2(4公演)
 ・5月24日:プラハ公演 

 これが現在までに公表されている“This Is Not A Drill”の全体像。
 来年の欧州レッグは12公演分が発表となったわけですが、よく見ると「欧州#2」の前後には約3週間ずつのオフが(不自然に)設定されている。まだまだ更なる追加が計画されているのではないか……そんな噂もくすぶっているところです。来年の話ばかりでは鬼が笑ってしまいますので今年に戻しますと、当店ではツアー第一報として初日のライヴアルバム『PITTSBURGH 2022(Amity 687)』をリリース。本作は2ヶ月ぶりの第二弾となります。
 そんな本作は、待った甲斐のある極上サウンド。前作『PITTSBURGH 2022』も極上級でしたが、タイプが少々違う。前作が鳴りのダイナミズムで圧倒するタイプだったのに対し、本作は空気感の透明度とディテールの鮮やかさが素晴らしいのです。スキッと晴れ渡った空間のド真ん中を輪郭まで鮮明な芯が力強く貫き、その鮮やかさはレーザー光線のようにくっきり。その一方、あくまでもナチュラルで耳に突き刺さるような鋭さはない。フロイド・ナンバーで沸き立つ大合唱も素直に吸い込んでいますし、音色的にもサウンドボードと間違える事はありません。しかし、演奏音の聞きやすさと絡み合っても混じらないアンサンブルの機微は、FM放送クラスの素晴らしさなのです。
 そのクリア・サウンドで描かれるのは、ロジャーが「最初のサヨナラ・ツアー」と語る“This Is Not A Drill”のフルショウ。

 セットは固定ですが、まだ第二弾ですので再び整理しておきましょう。

 ●第一部
 ・ザ・ウォール#1:Comfortably Numb/The Happiest Days Of Our Lives/Another Brick In The Wall Part 2/3
 ・ソロ:The Powers That Be/The Bravery Of Being Out Of Range/The Bar(★)
 ・炎/アニマルズ:Have A Cigar/Wish You Were Here/Shine On You Crazy Diamond (parts VI-VII)/Sheep
 ●第二部
 ・ザ・ウォール#2:In The Flesh/Run Like Hell
 ・イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?:Deja Vu/Is This The Life We Really Want?
 ・狂気(B面):Money/Us And Them/Any Colour You Like/Brain Damage/Eclipse
 ・その他:Two Suns In The Sunset/The Bar (reprise)(★)/Outside The Wall
 ※注:「★」印は未発表の新曲。

 ……と、このようになっています。

 ショウは二部構成で「第一部=DISC 1/第二部=DISC 2」となっています。普段のセット整理はアルバム毎に入れ替えますが、上記は曲順もそのまま。ショウ自体がアルバムごとのセクション構成になっており、第二部では『狂気』のB面再現も披露されています。
 セレクトも誰もが喜ぶ大代表曲もたっぷりと演奏しつつ、合間合間にはレア曲もしっかり。「Outside The Wall」「Shine On You Crazy Diamond (parts VI-IX)」「The Powers That Be」といった辺りは20年ほど演奏していなかったですし、『ファイナル・カット』の「Two Suns In The Sunset」は“This Is Not A Drill”がステージ初公開。新曲の「The Bar」「The Bar (reprise)」も披露されています。
 まだセットの入れ替えには至っていないながらも、場数を踏んでこなれてきた“This Is Not A Drill”。そのフルショウを目も醒めるクリア・サウンドで体験できるライヴアルバムです。なかなか「コレぞ!」の名録音が登場しなかったために間が空きましたが、その甲斐が十分にある最新レポート。日本では望むべくもない「2022年のロジャー・ウォーターズ」、どうぞ本作で存分に味わってください。

 ★「2022年9月3日カンザスシティ公演」の極上オーディエンス録音。スキッと晴れ渡った空間のド真ん中を輪郭まで鮮明な芯が力強く貫き、その鮮やかさはレーザー光線のようにくっきり。その一方、あくまでもナチュラルで耳に突き刺さるような鋭さはない。
 胸のすくクリア・サウンドで、ロジャーが「最初のサヨナラ・ツアー」と語る最新“This Is Not A Drill”のフルショウを体験できます。』

Kansas City 2022 (Amity 695)
 
 Live At T-Mobile Center, Kansas City, MO, USA
 03rd September 2022
 [This Is Not A Drill Tour 2022]

  Disc 1
   01. Roger's Pre-show Announcements
   02. Comfortably Numb
   03. The Happiest Days Of Our Lives
   04. Another Brick In The Wall (Part 2)
   05. Another Brick In The Wall (Part 3)
   06. The Powers That Be
   07. The Bravery Of Being Out Of Range
   08. Roger's Stage Chatter "Kansas City Here I Come."
   09. The Bar (Part 1) (False Start)
   10. The Bar (Part 1)
   11. MC
   12. Have A Cigar
   13. Wish You Were Here
   14. Shine On You Crazy Diamond (Part 6 & 7)
   15. Sheep
   TOTAL TIME (67:26)

  Disc 2
   01. Intermission
   02. In the Flesh
   03. Run Like Hell
   04. Deja Vu / Deja Vu (Reprise)
   05. Is This The Life We Really Want?
   06. Money
   07. Us And Them
   08. Any Colour You Like
   09. Brain Damage
   10. Eclipse
   11. Applause / MC
   12. Two Suns In The Sunset
   13. Roger's Stage Chatter
   14. The Bar (Part 2)
   15. Outside The Wall
   TOTAL TIME (75:17)

 Roger Waters : Bass, Guitar, Vocal
 Jon Carin : Keyboards, Guitar, Vocal
 Robert Walter : Organ
 Jonathan Wilson : Guitar, Vocal
 Gus Seyffert : Bass, Guitar
 Dave Kilminster : Guitar, Vocal
 Joey Waronker : Drums, Percussion
 Shanay Johnson - Vocal
 Amanda Belair - Vocal
 Seamus Blake - Saxophone

 Comfortably Numb
 
 The Bar (Part 1) (False Start)
 
 The Bar (Part 1)
 
 Brain Damage
 
 Two Suns In The Sunset
 

[参考]


















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This Is Not A Drill : Pittsburgh 2022 (Amity 687)
 


#2022-09-20