1986年11月にリリースされた エリック・クラプトン(Eric Clpton)のスタジオ・アルバム 『 August (オーガスト) 』.
 アルバム・タイトルの 「 August 」(8月)は,この年の 8月に,イタリア人女優でテレビ・パーソナリティでもある ロリー・デル・サント(Loredana "Lory" Del Santo)との間に息子の コナー・クラプトン(Conor Clapton)が生まれたことに因んでいます.
 その息子 コナー・クラプトン(Conor Clapton)は,4歳7ヵ月に当たる 1991年3月20日に,ニューヨークの高層ビルの窓から転落死してしまい,その悲しみと向き合うために ”Tears in Heaven” を書いたのは有名な話です.

 今回(と言っても 6月末のことですが),商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテムとして 『 August (オーガスト) 』 のレコーディング・セッション,アウトテイク,リハーサル等を収録し,2018年8月に Beanoレーベルよりリリースされた 『 August Session : Outtakes And Alternates (Beano-184) 』 が,「 ★海外より入荷した50セットを限定ギフト・リリース!!」 という事で,50セットのみ登場しました.
 商品のギフト・アイテム化は時々行っており,在庫整理の目的もあるのでしょうが,太っ腹ですね.

 サウンドボード録音なので,初心者でも安心して楽しめます.
 ただアウトテイク、リハーサルテイク集なので,短期間に何度も集中して聴くかと言えば,そこまでは...と言う感ではありますが....

 メーカー情報では
 『エリック・クラプトンの秘蔵音源でお馴染みのイギリス在住、重鎮テーパーからの秘蔵マスターを使用。
 内容は、1986年にリリースされたスタジオ録音アルバム「AUGUST」のレコ―ディング・セッションでレコーディングされたプレリリース・バージョンやアウトテイク、リハーサルテイクを収めたものです。
 これらの音源は既に過去に流出しており、複数のレーベルからリリースされていました。「だったら、また同じ内容?珍しくないでしょ」と思われた方、どうぞご注目ください。もちろん過去にリリースされたテイク、バージョンは含まれているものの、それぞれのレーベルからのリリース作には収録されていなかったバージョンを集約した上に、非常にレアなバージョンまで追加収録した「AUGUST」セッションの集大成タイトルなのです。
 全曲ともレアで興味深いバージョン、テイクとなっており、オフィシャル・リリースされたアルバム・バージョンとは、ミックス、テイクの上で一切ダブりません。曲前のカウントの入ったもの、まだ歌詞が定まっておらず、取り敢えず演奏するためにガイドボーカルが入ったもの、ボーカル入れ前のインスト・バージョン、完全アウトテイク、オフィシャルではエディットされていた曲のノンエディット・ロングバージョン、完全未発表曲などなど、聴きごたえのあるレアバージョン、レアテイクが満載なのです。
 このアルバムは、前作「BEHIND THE SUN」に続き、プロデューサーにフィル・コリンズを起用した作品でしたが、そのテイスト、方向性はまったく異なるものとなりました。前作でフィルお得意のシンセを多用して、新境地を開拓したつもりのクラプトンでしたが、ソウルのスタンダードナンバーでチープなシンセホーンを用いたことに端を発し、仰々しさばかりが目立って、キャッチーなナンバーがなく、所属のワーナー・ブラザーズから再レコーディングを命じられ、渋々取り組んだForever Manが全米18位のスマッシュヒットを収め、何とか面目を保ったクラプトンでした。そんな彼がその反省を活かし、盟友フィルに再びチャンスを与えてやる友情を見せて取り組んだのが「AUGUST」でした。何と、クラプトンは「AUGUST」を2週間で完成させたといいます。
 この時は、Forever Manセッションで出会ったLAの「チームA」と呼ばれた一流のセッションマンを迎え、それまでのバックバンド全員を解雇して臨んだアルバムでもありました。ネイザン・イースト(ベース)、グレッグ・フィリンゲインズ(キーボード)、そこにフィル自身もドラムスで加わり、基本的には4人という少数精鋭で全曲が製作されたアルバムで、メンバーの意欲が溢れ返っていましたが、特に再びチャンスをもらったフィル・コリンズの気合は凄まじく、「もう失敗はできない」とばかりに、ホーンはシンセではなく、本物のブレッカー・ブラザーズを呼び寄せました。さらに女性コーラスとして83年のポリスの「シンクロニシティ・ツアー」で活躍した女性シンガー、テッサ・ナイルズと84年のロジャー・ウォータースの「ヒッチハイクの賛否両論ツアー」で活躍したケイティ・キスーンを起用しました。その結果生まれたサウンドは、これまでのどこかレイドバックしたテイストのあったクラプトンの志向とは異なる「ブラックコンテンポラリー風な」あるいは「ファンキー」なものに変貌しました。
 長年使用してきた「ブラッキー」ストラトを引退させ、フェンダーから新たに提供されたレースセンサー・ピックアップ搭載のシングネイチャーモデルのプロトタイプ・ストラトにチェンジしたクラプトンのトーンもこのサウンドの大きな要因となりました。ギラギラとバイタリティに溢れたクラプトンが取り組んだ意欲作「AUGUST」。その製作過程の全貌が本盤だけで堪能できるというわけです。

 中でもレア中のレアテイクと言えば、インスト・バージョンしか残されていないWalking The White LineとLady From Veronaの未発表曲2曲でしょう。前者はこのメロディ、演奏に一体どんな歌詞が載る予定だったのか、興味が尽きませんし、後者はこの当時、誕生したばかりの息子を産んだイタリア人モデルの愛人ロリ・デル・サントに捧げたナンバーでした。隠し子が発覚しながらも、正式夫人であるパティさんと一応仲直りしたクラプトンとすれば、愛人に捧げたナンバーを収録するわけにはいかず、オクラ入りしたという曰く付きのナンバーです。しかも本盤では、女性コーラスの有り無しバージョン、インストバージョンと、3つものバージョンを収録しています。その他の曲も「へえ~」と唸るバージョン、テイク、ミックスが目白押し。「AUGUST」が好きな人もそうでない人も楽しめる、クラプトンの裏舞台が覗ける貴重な音源です。是非、この集大成盤でお楽しみください。

 ★海外より入荷した50セットを限定ギフト・リリース!!人気タイトルゆえ、リクエストはお早めによろしくお願い致します。
 ★オリジナル・リリースは2018年8月リリース(★これは無くなると思います。)』

August Session : Outtakes And Alternates (Beano-184)
 
 Recorded at Sunset Studio, Los Angeles, CA, USA
 May - June 1986
 [STEREO SOUNDBOARD RECORDING]
 [UPGRADE]
 [From Original Masters]

  Disc 1
   01. Hung Up On Your Love (♯1 Rough Mix)
   02. Grand Illusion (Full Length Version)
   03. Grand Illusion (Early Take with Greg Phillinganes' Guide Vocal)
   04. Wanna Make Love to You (Alternate Take)
   05. Run (Rough Mix)
   06. Miss You (Alternate Take with Greg Phillinganes' Guide Vocal)
   07. Tearing Us Apart (Long Rough Mix Version)
   08. Bad Influence (Rough Mix with Cut Out Ending)
   09. Hung Up On Your Love (♯2 Long Version Rough Mix)
   10. Wanna Make Love to You (Rough Mix with Long Ending)
   11. Behind The Mask (Rough Mix with Cut Out Ending)
   12. Holy Mother (Rough Mix with Cut Out Ending)
   13. Walk Away (Long Version)
   14. Run (Long Version)
   15. Lady From Verona (The Complete Version with Backing Chorus)
TOTAL TIME (79:14)

  Disc 2
   01. Hold On (Long Version)
   02. Hold On (Instrumental Version)
   03. Lady From Verona (Without Backing Chorus)
   04. Lady From Verona (Instrumental Version)
   05. Walk Away (Instrumental Version)
   06. Miss You (Early Take with Greg Phillinganes' Guide Vocal)
   07. Take A Chance (Instrumental Version)
   08. Run (Alternate Vocal Take)
   09. Bad Influence (Instrumental Version)
   10. Hung Up On Your Love (Rough Mix)
   11. Grand Illusion (Early Take with Greg Phillinganes' Guide Vocal)
   12. Wanna Make Love To You (Alternate Take)
   13. Walking The White Line (Unreleased Song, Instrumental Version)
   14. Holy Mother (Instrumental Version)
   15. Behind The Mask (Instrumental Version, Different Take)
   TOTAL TIME (75:27)

 Eric Clapton : Guitar, Vocal
 Greg Phillinganes : Keyboards, Vocal
 Nathan East : Bass, Vocal
 Phil Collins : Drums, Vocal
 Michael Brecker : Saxophone
 Randy Brecker : Trumpet
 Tessa Niles : Backing Vocal
 Katy Kissoon : Backing Vocal

 Tearing Us Apart (Long Rough Mix Version)
 
 Run (Long Version)
 
 Behind The Mask (Instrumental Version, Different Take)
 

[参考]









#2022-06-28