エドガー・フローゼ(Edgar Froese)が結成し,1970年代に人気を博したドイツ出身のバンド:タンジェリン・ドリーム(Tangerine Dream).

 タンジェリン・ドリーム(Tangerine Dream)は,1967年に結成後メンバー交代を繰り返し,1983年6月に初来日を行い 6月22日中野サンプラザ公演を皮切りに,6月28日大阪フェスティヴァル・ホール公演まで都合 5公演を行います.
 そして初来日から 26年後の2009年9月,静岡県伊豆市にある日本サイクル・スポーツ・センターで行われた国内最大級のエレクトロニック・ミュージック・フェスティヴァル 「 メタモルフォーゼ 09 (METAMORPHOSE 09) 」 出演の為,再来日を果たします.

 残念な事に 2015年1月20日に中心人物だった エドガー・フローゼ(Edgar Froese)は肺塞症のため死去してしまいますが,その後もバンドとしては活動を継続し,1970年の 1st アルバム 『 Electronic Meditation (エレクトロニック・メディテイション/瞑想の河に伏して) 』 リリースから 50年を迎えた 2020年6月27日,28日に 川崎のクラブ・チッタで 『 From Virgin Years To Quantum Years Tour 2020 ~伝説の継承と進化への夜明け~ 』 と題してデビュー50周年特別公演の一環で来日公演を行う予定でしたが,残念ながらコロナ禍の影響で中止となってしまいました.
 因みに2011年には日本人の女性ヴァイオリニスト:山根星子が加入し,現在のメンバーは トーステン・クォーシュニックThorsten Quaeschning),ウルリッヒ・シュナウス(Ulrich Schnauss),山根星子(Hoshiko Yamane),ポール・フリック(Paul Frick)の 4名となっています.

 本商品は,1983年6月に行われた初来日公演から 6月25日新宿厚生年金会館公演のオーディエンス録音をメインに,前公演の 6月23日中野サンプラザ公演のアンコール部分のオーディエンス録音をボーナスとして収録し,Amityレーベルからリリースされた 『 Tokyo 1983 (Amity 446) 』 です.
 既発では Ayanamiレーベルから 『 Tokyo 1983 (Ayanami-107) 』 としてもリリースされています.

 本編(1983年6月25日)の方の音像は思ったより近く,バンドがバンドだけにオーディエンスが騒ぐ事もなく聴いている関係もあって,高音質なオーディエンス録音と言えます.
 ただ一部の曲(”Logos” 他)に関しては,導入部にオーディエンスの会話が被っている部分もあります.
 ボーナス(1983年6月23日)に関して,本編に比べると音像は若干遠目ながらも,オーディエンス・ノイズも殆ど無く,高音質なオーディエンス録音と言えます.

 でも即興演奏に近い タンジェリン・ドリーム(Tangerine Dreame)のファンの数は少ないんでしょうね.
 
 メーカー情報では
 『1981年のKRAFTWERKに続き、日本に本物のエレクトロニック・ミュージックを届けたTANGERINE DREAM伝説の初来日。その現場を超・極上サウンドで記録したライヴアルバムが登場です。

 彼らの初来日が実現したのは、1983年6月のこと。そのうち、本作に収められているのは2公演。
 「6月25日:新宿厚生年金会館」公演のフル録音をメインに、「6月23日:中野サンプラザ」公演のアンコール・パートをボーナス追加した2枚組です。
 まずは、日本に伝説を刻みつけていった日程からショウのポジションを確認してみましょう。

  ・6月22日:中野サンプラザ
  ・6月23日:中野サンプラザ 【本作ボーナス】
  ・6月25日:新宿厚生年金会館 【本作】
  ・6月27日:愛知厚生年金会館
  ・6月28日:大阪フェスティバルホール

 以上、全5公演。
 東京では3連続公演となっており、本作のメインは3公演目、ボーナスは2公演目にあたります。

 この初来日が音の記録として残っている事自体が奇跡的なのですが、本作のクオリティは、それどころではありません。
 特に強烈なのは本作のメインとなる「6月25日:新宿厚生年金会館」公演のフル録音。当時、洋楽ロックの名録音を連発していた名手によるもので、当店でもQUEENの大名盤『AT LAST BUDOKAN』等の傑作群が一世を風靡した人物。その名手のオリジナル・カセットからダイレクトにCD化したものなのです。
 実際、そのサウンドは極めてクリアで、恐ろしく繊細。高音はキラキラと輝き、低音はふくよかでヴァイヴが肌触り感覚で迫る。おおよそ「まるでサウンドボード」と呼ぶべき鮮やかさなのですが、そう呼んでしまっては録音自身に失礼かも知れません。実は、ほんのりとわずかに漂う空気感が素晴らしすぎるのです。実のところ、彼らのショウは生演奏の馬力感を期待するものではない。特に自宅で再生するライヴアルバムともなれば、スタジオ作の代用かと思われるかもしれません。しかし、実はそうではない。スタジオ作と決定的に違うのは、現場ならではの音響効果であり、繊細なノートが充満していく空間感覚。もちろん、それがボケボケに曇っていては台無しなのですが、本作はまったく違う。空気感はどこまでも透き通り、1音1音が細やかに重なり合いながら独特な世界で新宿厚生年金会館を満たしていく。まるでクリスタル・グラスに注いだワイン……いえ、超純水のような透明感と輝き。その中に全身を浸していられるライヴアルバムなのです。この快感は、スタジオ作でもサウンドボードでも決して味わえない、超高音質なオーディエンス録音だけの特権。本作は、その初来日版なのです。
 そんなサウンドで描かれるショウには呼吸さえも止まる。日によってセットが異なりましたが、本作は40分を超える超大作「Poland」「Logos」がメイン・セットを占め、アンコールに『WHITE EAGLE』の「Midnight In Tula」「Mojave Plan」を配した構成。そのいつ果てるとも知れない没入感が極めつけの美音で描かれるのです。
 そして、その現場には初めてTANGERINE DREAMと生対面を果たした日本人の息吹も素晴らしい。演奏中はクラシック・コンサートさながらに静まり返り、衣擦れの音も響きそうな静寂なのですが、その緊張感は確実に封じ込まれている。曲間で一挙に沸く開放感、演奏中に極々まれに漏れてしまう咳き込み。無音ではあるものの、確実に大勢の観客が呼吸しており、その気配が感じられるからこそ緊張感が一層高まるのです。
 メインの新宿厚生年金会館公演だけで長くなってしまいましたが、ボーナスの「6月23日:中野サンプラザ」公演も実に素晴らしい記録。さすがに超絶クリアな本編には及びませんが、こちらも並みのオーディエンス録音ではありません。アンコールの軽快な「Midnight In Tula」「Mojave Plan」だけではありますが、単なる貴重度以上の名録音です。

 当店ではKRAFTWERK初来日の超傑作オーディエンス『COMPLETE NAGOYA 1981(Virtuoso 373/374)』『TOKYO 1981 3RD NIGHT(Virtuoso 300/301)』が人気となっていますが、本作はそのTANGERINE DREAM版といってもいい大傑作です。
 KRAFTWERKに遅れること2年。シンセ・ミュージックの真髄を伝えてくれたTANGERINE DREAM伝説の初来日を体感できるライヴアルバム。生演奏を聴く意味がないどころか、ライヴこそが面白く、オーディエンス録音こそイマジネーション豊か。その事実を証明してくれる1本。
 どうぞ、存分にご堪能ください。』

Tokyo 1983 (Amity 446)
 
 Live At Koseinenkin Kaikan,Tokyo,Japan 25th June 1983
 Bonus Tracks : Nakano Sunplaza,Tokyo,Japan 23rd June 1983
 [From Original Masters]

  Disc 1
   1. Poland
   TOTAL TIME (42:26)

  Disc 2
   1. Logos
   2. Midnight In Tula
   3. Mojave Plan
     [Bonus Tracks]
   4. Midnight In Tula
   5. Mojave Plan
   TOTAL TIME (64:39)

 Edgar Froese : Keyboards
 Christopher Franke : Keyboards, Drums
 Johannes Schmoelling : Keyboards

 Logos
 
 Mojave Plan
 
 Midnight In Tula
 

[参考]
 Tokyo 1983 (Ayanami-107)
 

1983 JAPAN Tour Dates
 June
  22 Nakano Sunplaza,Tokyo,JAPAN
  23 Nakano Sunplaza,Tokyo,JAPAN
  25 Shinjyuku Koseinenkin Kaikan,Tokyo,JAPAN
  27 Aichi Koseinenkin Kaikan,Nagoya,JAPAN
  28 Osaka Festival Hall,Osaka,JAPAN
 
 





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