最近では珍しい ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)のブートが先日の 『 Maui 1970 (No Label) 』,『 Stockholm 4th September 1967 (No Label) 』 に次いでリリースされました.

 1966年7月に アニマルズ(The Animals)のベーシストだった チャス・チャンドラー(Chas Chandler)に見いだされた ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)は,その後にイギリスに渡り,ロンドンに於いて行ったオーディションで,ベーシストの ノエル・レディング(Noel Redding),ドラマーの ミッチ・ミッチェル(Mitch Mitchell)と共に ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス(The Jimi Hendrix Experience)を結成し,1966年10月から活動をスタートします.
 そして,1967年6月には母国アメリカで有名となる切っ掛けとなり,3日間(1967年6月16日~18日)に渡り30組以上が出演した モンタレー(モントレー)・ポップ・フェスティバル(Monterey Pop Festival)への出演を果たします.

 本CDは,モンタレー(モントレー)・ポップ・フェスティバル(Monterey Pop Festival)出演の 1ヶ月前の 5月19日~24日に行われた北欧ツアーから最終日に当たる 5月24日と,モンタレー(モントレー)・ポップ・フェスティバル出演の 2ヶ月半後の 1967年9月4日~12日に行われた北欧ツアーからツアー終盤の 9月11日スウェーデンのストックホルムはチボリ・ガーデンのグローナ・ルンド公演(ストラ・シーン)をオーディエンス録音で収録した 『 Stockholm 24th May & 11th September 1967 (No Label) 』 です.

 それにしても前作同様,このオーディエンス録音は,録音された年代を考えるとサウンドボード級の恐ろしく高音質なオーディエンス録音です.
 モンタレー・ポップ・フェスティバルでブレイクする前後のパフォーマンスが収録されており,貴重な 1枚です.

 因みに 3rd Track に収録されている 1967年6月24日の ”Foxy Lady" はヴォーカル・マイクの不調なのか,ミキシング卓での音量調整の問題なのか不明ですが,ヴォーカルが殆ど聴こえません.しかし 4th Track の ”Rock Me Baby” 以降は解消されます.

 メーカー情報では
 『1967年のオーディエンス録音だとはにわか信じがたいほどのクオリティが世界中のマニアを驚かせている「STOCKHOLM 4TH SEPTEMBER 1967」に続き、再び1967年のストックホルム公演を収録したオーディエンス・アルバムの登場です。
 実を申しますと1967年のストックホルムでのジミは優良オーディエンス録音の宝庫でして、今回紹介する音源がまた凄まじい音質。それでいてステージの時間がまだ短い時代のエクスペリエンスとのライブですので、今回も二つのショーをカップリングしました。
 それをネット上に公開してくれたのは今回もおなじみKrw_co。そのクオリティの高さは前回のリリースで証明済みですが、今回もマスター・カセットからリール・テープを経由した(リールはセカンド・ジェネレーション)音源を元にしました。

 まず最初に収録されているのは5月24日のストックホルムでのステージ。この日のジミ一行はブレイクを果たす前ということもあって多忙な一日でした。最初に「POPSIDE」という音楽番組の収録で二曲のライブ演奏を披露(YouTubeにて素晴らしい画質と演奏にて見られます)したのち「Dans In」にて二回のショート・ステージもこなし、その上で「Stora Scenen」行ったショーを捉えたのがこの音源であり、それらの会場は「4TH SEPTEMBER 1967」と同じ場所。
 そのことからも解るように、今回の音源も同じテーパーによって録音されたオーディエンス録音なのです。

 そのクオリティは先のリリースで証明済ですが、この5月のステージも素晴らしい音質。ましてやブレイク直前のステージをよくぞこれほどのクオリティで捉えていたものだと感心させられます。それだけのレベルの高さゆえ、9月4日の音源と同様にブートはもとよりグレーゾーン・オフィシャルの「HENDRIX LIVE IN SCANDINAVIA VOL. 1」というボックスセットでリリースされた実績があります。
 ところがこの音源、ジミのストックホルム公演としては最古の音源ということもあり、ビンテージ・オーディエンスらしいトラブルも抱えています。それがピッチの狂いで、ただ低いだけに留まらず、なおかつ不安定に変動していたということ。これまで本音源を収録したアイテムで、この問題を解消していたタイトルは皆無。はっきり言ってこの問題はおざなりにされていました。そこで今回はその不安定さを徹底的にアジャスト。まるで問題がなく、正確なピッチが当たり前であるかの如く聞きやすくなりました。また微調整ではありますが、ビンテージ・オーディエンスならではの微妙に詰まり気味な質感も解消。
 
 それにしても9月でなく5月のエクスペリエンスのステージがこれほどリアルでクリアーな音質で捉えていたことに驚きを禁じ得ません。それに何と言ってもタイトで(いい意味で)遊びのないコンパクトな演奏が実に新鮮。
 オープニングの「Foxy Lady」ではボーカル・マイクの不調という60年代ロックライブにありがちなトラブルに見舞われますが、その後はジミのリードボーカルやノエルのバックコーラスもバッチリ聞こえるバランスでライブを展開。まだモンタレーで人気が爆発する前ですので、とにかくコンパクト、なおかつ勢いのある演奏が本当に素晴らしい。
 それらに加えて感動的なのが、ジミが「Purple Haze」の曲名を告げると観客が沸き上がるところ。この光景からも、同曲が話題となって人気が急上昇しているという、グループにとって一番いい時期の空気感すら捉えてくれているのです。

 9月11日の方は「4TH SEPTEMBER 1967」からちょうど一週間後のライブということもあり、音の傾向も似たオーディエンス録音。成功を手にした後ですので演奏全体のバランスは非常に良い(良い機材を使えるようになったのでしょう)のですが、ジミのボーカルは押され気味という状態。
 これが幸いにもかき消されるようなレベルではないので、「4TH SEPTEMBER 1967」と同じように67年の録音とは思えないほどクリアーな音質で今回も楽しめます。
 もちろんこちらの音源も過去に「HENDRIX LIVE IN SCANDINAVIA VOL. 1」でリリースされた音源ですが、それとは比べ物にならない安定感が圧倒的に聞きやすい。やはりこちらもビンテージ・オーディエンス特有の基本的なピッチの狂いと不安定さの両方を抱えていましたので、こちらも徹底的にアジャスト。
 こちらがまた素晴らしい音質ですので、一週間前から引き続いてテンションの高い演奏が冴え渡っています。何と言ってもここでは4日のステージでは取り上げられなかった当時の最新シングル「Burning of the Midnight Lamp」が聞かれるのがポイント高い。この曲を演奏した同時期のライブと言えば一般的には5日のラジオ放送(ライブ初演)が有名ですが、こちらのオーディエンス録音も音質が良いので十分に曲の魅力が感じられます。
 レパートリーとしては寿命の短い曲でしたので、なおさら貴重な場面を捉えてくれたものです。

 そして前回の「STOCKHOLM 4TH SEPTEMBER 1967」は同じ日に行われた二回のステージを収録していましたが、今回はストックホルムながらブレイク前とブレイク後というビフォアフター状態のステージが一枚のディスクで楽しめるのも大きな魅力。とにかく音が良いので、コンパクトな演奏が際立つ5月と、人気が爆発して演奏にはっきりと自信が現れている9月の違いが実に解りやすく楽しめます。「Hey Joe」に至っては5月だけでなく9月においてもまだ素直でコンパクトな演奏ですので、まるで「ギターが異様に上手い歌モノ」60年代ロックライブとしても楽しめる貴重音源のリリース。今回も活きのいいジミ達の演奏を驚くほどの高音質で楽しんでください!』

Stockholm 24th May & 11th September 1967 (No Label)
 
 Live At Stora Scenen,Grona Lund,Tivoli Gardens,Stockholm,SWEDEN 24th May & 11th September 1967

   [24th May 1967]
   1. Intro
   2. Tune Up
   3. Foxy Lady
   4. Rock Me Baby
   5. Hey Joe
   6. Can You See Me
   7. Purple Haze
   8. Wild Thing
   [11th September 1967]
   9. Intro
   10. Tune Up
   11. Foxy Lady
   12. Burning Of The Midnight Lamp
   13. Fire
   14. Catfish Blues incl. Drum Solo
   15. Hey Joe
   16. Purple Haze
   TOTAL TIME (59:38)

 Jimi Hendrix : Guitar, Vocal
 Noel Redding : Bass
 Mitch Mitchell : Drums

 Foxy Lady [Track 3]
 
 Can You See Me [Track 6]
 
 Hey Joe [Track 15]
 

[参考]
 リマスターメモ 
  ★両音源共に高音の質感を変えて、詰まった質感を解消し聴きやすくしました。
  ★ピッチは両音源共に半音の半分低い所を起点に+-20%程度で行ったり来たりしてるのでなるべく調整しました。

 1967
 May
  19 Konserthuset,Gothenburg,SWEDEN
  20 Mariebergsskogen,Karlstad,SWEDEN
  21 Falconer Salen,Copenhagen,DENMARK
  22 Ratakatu Television Studios,Helsinki,FINLAND
  22 Kulttuuritalo,Helsinki,FINLAND
  23 Klub Bongo,Malmö,SWEDEN
  24 Popside' Stockholm TV Studio,Stockholm,SWEDEN
  24 Stora Scenen,Gröna Lund,Stockholm,SWEDEN
       :::
 September
  04 Gröna Lund,Stockholm,SWEDEN
     ⇒ Two Show [Stora Scenen,Dans In]
  05 Studio 4,Radiohuset,Stockholm,SWEDEN
  06 Idrottshallen,Västerås,SWEDEN
  07 Amerikaans Theater,Laken / Laeken,BELGIUM
  08 Popladan Hogbo Bruk,Gästrikland,SWEDEN
  09 Mariebergsskogen,Karlstad,SWEDEN
  10 Akademiska Foreningens Stora Sal,Lund,SWEDEN
  11 Gröna Lund,Stockholm,SWEDEN
  12 Stjarnscenen,Gothenburg,SWEDEN

アー・ユー・エクスペリエンスト?



アー・ユー・エクスペリエンスト?(紙ジャケット仕様)



The Jimi Hendrix Experience



Electric Ladyland-Remastered




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