ザ・ビートルズ(The Beatles)が 英国ロンドンはサヴィル・ロウにあったアップル・コアの屋上で映画 『 Let It Be (レット・イット・ビー) 』撮影も兼ねてゲリラ・ライブを行ってから,この 1月30日で丁度 50年経った事もあるのでしょうが,最近は 「 ゲット・バック・セッション (Get Back Session) 」 関連の音源が集中してリリースされています.

 つい先日も 西新宿 柏木公園側の Blind Faith が取り扱う Moon Childレーベルが 83枚組BOXセット 『 Complete Get Back Sessions 』 を低価格:¥5,980 にて販売している事が巷の噂になっています.
 ¥5,980 で プレスCD 83枚と言うことは CD 1枚が約 72円 となるのですが,これではこれ単品で元は取れないでしょうね.でもレッド・ツェッペリンやエリック・クラプトン 他のブートを相応な値段で販売していることもあり,顧客還元セール的な発想なのでしょうか.(笑)
 私的には 「 Get Back Session の音源が 83枚あっても絶対に全てを聴かない 」 でしょうから,購入はしませんが.単品を何枚か購入するよりも明らかに安いと思うので,枚数的に訳が判らなくなりそうですが,これはこれで有りなのかも.

 本 CDは,米国のラジオ局:WBCN が放送した事で有名な幻となったアルバム 『 Get Back (ゲット・バック) 』 音源の初期ミックス・アセテート盤のリマスター・バージョン 『 Get Back WBCN Acetate Definitive Edition (No Label) 』 です.

 メーカー情報では
 『アメリカのラジオ局WBCNが放送したことでもおなじみの「GET BACK」音源最初期ミックスのアセテートバージョンが、ゲット・バック・セッション50周年記念としてついに決定版最新リマスター・タイトルの登場です!!

 未発表アルバム「GET BACK」はビートルズのレア音源の中でもっとも有名なものの一つ。後に「LET IT BE」としてリリースされたアルバムは1969年にそのようなタイトルと内容でリリースされるはずでした。このアルバムは単にお蔵入りしてしまったというだけに思わぬ副産物を生み出してしまいます。そう、ブートレグ。

 「GET BACK」は発売こそ実現しなかったものの、制作から完成までの段階で何度も試聴用のアセテートが作られており、結果としてアセテートが巡り巡ってブートレグの音源となったのです。
 「GET BACK」のコンセプトを現代に蘇らせたと当初は話題になった「LET IT BE…NAKED」も実際には最新技術を駆使して複数のテイクを繋ぎ合わせており、本家「GET BACK」とはまったく違った仕上がりとなってしまいました。
 結果として未発表アルバム「GET BACK」は現在も価値が色褪せないビートルズ貴重音源の一つとなっているのですが、同アルバムのアセテートは大まかに4種類のバージョンが存在します。それらの中でも頻繁にリリースされてきたのは最初に作られたアセテートと、初めてアルバム「GET BACK」にまとめ上げられたバージョンが3つ。

 まずLP時代に多くのアイテムが生み出されたのは最初に作られたアセテート。これはまだ「GET BACK」の形を成しておらず、同アルバム制作用にとプロデュースを務めたグリン・ジョンズが収録候補のテイクや演奏を集めたもの。このアセテートが流出し、さらにアメリカのラジオ局から「ビートルズの新作」として放送されたことが多くのアイテムを生み出す結果となったのです。
 流出の過程ではジョン・レノンが絡んでいるという説があり、彼がトロントでコンサート(「LIVE PEACE IN TORONTO」としてリリースされた)を行った際に、ジャーナリストにその盤をあげたというもの。確かにアセテートはアメリカのラジオ局で放送された以上、イギリスから海を渡らないといけない。その点ジョンの線は可能性が高く思えます。録音し終えた音源に頓着しない彼がトロント出発時に持参したアセテートをジャーナリストにあげてしまったという話はありえる。また実際にトロントでジョンはジャーナリストから取材も受けています。そして貰ったアセテートをジャーナリストがラジオ局に渡すのも自然な行為に思える。この時点ではそれがブートレグという形でリリースされることなど、誰も予想だにしなかったからです。それに何よりも最初のアセテートはアルバムとして完成しておらず、広範囲なプロモ用として配られるような段階のものでもなかった。

 いずれにせよアメリカに渡ったアセテートは無邪気にも複数のラジオ局を通じて電波に乗り、その結果として「KUM BACK」、「GET BACK TO TORONTO」、そして「RENAISSANCE MINSTRELS VOLUME II」といった名盤を生み出すことになります。このことからも解るように、LP時代は「GET BACK」という形になる前の段階で作られたアセテートが花形音源でした。ところがCD時代に入ると状況は一転し、今度は「GET BACK」にまとめ上げられた完成品アセテートが彼らのファースト・アルバム「PLEASE PLEASE ME」のパロディジャケと共におなじみとなったのです。
 そのせいで最初のアセテートを収録したCDというのは意外なほど少なく、1990年代の名レーベルVIGOTONEが、番組のマスターテープから収録した「POSTERS INCENSE AND STROBE CANDLES」が唯一無二の存在となりました。あのイエロードッグですら、アセテートのノイズをイコライズで消した本タイトルのコピー盤を出していたほど。ところがVIGOTONE盤から20年近い歳月を経て、久々に最初のアセテートの新たなアイテムが現れました。それがIMPの「UNTOUCHED - OFF ELEKTRA ACETATE」。
 VIGOTONE盤はラジオ局の番組内で放送された番組からの収録でしたが、こちらは大本のアセテートから収録という点が画期的でした。当然音質も良好だったことからGODFATHERがコピー盤を出し、さらにはインターネットの時代らしくマニアによってアセテートのノイズが削除されたバージョンがいくつも公開されたものです。さらにはIMP盤自体、初回ボーナスとしてノイズを消したCD-Rを付けていました。

 こうした現象が物語っていたのは、「UNTOUCHED - OFF ELEKTRA ACETATE」の命題がいかにアセテートのノイズを抑えるか、ということ。それでいてどのアイテムも一様にノイズが消しきれていない、もしくはノイズリダクションの掛け過ぎで原音まで削られてしまった過剰なリマスターなど決定版と言えるタイトルはなかったような状況でした。例のボーナスCD-Rに至ってはノイズが残っていた上に音がふん詰まり状態という、この手のイコライズの典型的な仕上がりに陥っていたほどです。そのせいで一様に行き詰ってしまったのでしょう、ここ数年はグリン・ジョンズ制作による最初のアセテートのアイテム自体が減少する傾向にありました。
 ところが新年早々、久々にこの問題に立ち向かってくれたマニアがMasterJedi。そう、ビートルズのアセテート音源の集大成となった傑作「LAST LACQUERS」の作者。基本アセテート好きが明白な彼が「UNTOUCHED - OFF ELEKTRA ACETATE」のノイズ緩和やレベルオーバー箇所の修正などを中心としたオーバーホールにチャレンジし、年明け早々に公開してくれたのが「THE WBCN ACETATE」。
 だがしかし、さすがの彼でも原盤のノイズの多さからか消しきれておらず残念賞となってしまいました。そこで当店がMasterJediバージョン(彼はスクラッチノイズのみ消していないバージョンも一緒に公開してくれました)から独自に最新のリマスター環境を駆使しアセテートのスクラッチノイズを完全に消す修復作業を敢行。その結果は…過去のアイテムを寄せ付けない超クリアーかつ完璧なスクラッチノイズ除去の仕上がりを実現させたのです。
 「KUM BACK」の時代から懐かしさ一杯な最初のアセテートが遂にここまでクリアーな音質で聞けるようになったとは。原盤のアセテート作製から50年の時を経て、ついに永久保存版と言える決定的なタイトルとなりました。驚くべきその成果は穏やかな曲調の「Two Of Us」全編や「For You Blue」を始める前の静寂などではっきりと実感していただけるかと。ノイズがないのに音のエッジが不自然になることもなく、全編を安定のクリアーサウンドでお楽しみいただけます。ちなみにMasterJediバージョンで欠けていた一曲目の「Get Back」開始前の部分には、古の「KUM BACK」LPからパッチしています(よってノイズあり)ので、なおさらアセテート本編のずば抜けたクリアネスを実感してもらえることでしょう。

 そして二枚目のディスクには、映画「LET IT BE」撮影班のモノラル音源から、アセテートに収録された演奏の全長版を収録。これは本盤が初の試み。
 単にモノ・ミックス状態というだけでなく、正規のスタジオ・システムを通さないで録音されたことによる「素のままの演奏」が聞かれるという点でも聞き比べが面白い。ポールの「Teddy Boy」などはグリン・ジョンズがルーズな演奏をどのように編集したのかがよく解ります。さらに冒頭に収録されている「Get Back」は演奏を始めた途端ジョンズによって止めさせられてしまったテイクで、そこでポールが答えた「what?」というセリフがアセテートに採用されていたのでした。
 一枚目のアセテートを史上最高にクリアーな状態で収録した限定のプレスCDというだけでも世界中のマニアを驚かせるに十分ですが、撮影班音源の集大成タイトル「A/B ROAD」からまとめた二枚目のディスクでアセテート採用テイク本来の演奏が聞けるのも本当に面白い。後にシングルとしてリリースされた「Get Back」が二つのテイクから編集されたことも解ってしまう。これははっきり言って自信作です。』

Get Back WBCN Acetate Definitive Edition (No Label)
 
 Get Back: Glyn Johns 1st Mix
 Master Reels: E69738 Z/E69739 Z
 Mastering Date: 10th-13th March 1969
 Olympic Studios - Stereo Mixing
 Producer and Engineer: Glyn Johns

  Disc 1
  [Glyn Johns 10th-13th March 1969 Mix]
   1. Get Back
   2. Teddy Boy
   3. Two Of Us
   4. Dig A Pony
   5. I've Got A Feeling
   6. The Long And Winding Road
   7. Let It Be
   8. Don't Let Me Down
   9. For You Blue
   10. Get Back
   11. The Walk
   TOTAL TIME (38:14)

  Disc 2
  [Film Crew's Nagra Reels Mono Mix]
   1. Get Back (Jan.23)
   2. Get Back (Jan.23)
   3. Teddy Boy (Jan.24)
   4. Teddy Boy (Jan.24)
   5. Two Of Us (Jan.24)
   6. Two Of Us (Jan.24)
   7. Dig A Pony (Jan.22)
   8. Dig A Pony (Jan.22)
   9. I've Got A Feeling (Jan.22)
   10. The Long And Winding Road (Jan.26)
   11. The Long And Winding Road (Jan.26)
   12. Let It Be (Jan.26)
   13. Let It Be (Jan.26)
   14. Don't Let Me Down (Jan.22)
   15. For You Blue (Jan.25)
   16. For You Blue (Jan.25)
   17. Get Back (Jan.27)
   18. You Won't Get Me This Way-The Walk (Jan.27)
   19. Get Back (Jan.28)
   TOTAL TIME (67:29)

 ※)この手の音源は アップすると著作権侵害となり,削除を余儀なくされるので,音源の貼り付けは行いません.

 本商品の初回ナンバー入りステッカー付きに限って,レアなアナログ・ブート 『 O.P.D. 』 の盤起こしによる 復刻盤 『 O.P.D. (Get Back : Glyn Johns Lost 2nd Mix) (Special Bonus CDR) 』が特別に付属しています.

 メーカー情報では
 『未発表アルバム「GET BACK」は「KUM BACK」や「RENAISSANCE MINSTRELS VOLUME II」といったブートレグが何度も再発されて一世を風靡しました。
 ところが、それよりもいち早く未発表アルバムの姿を封じ込めていたLPが存在しています。それが「O.P.D.」。

 ビートルズ最古のブートレグの一つだと言われており、リリースはあの「KUM BACK」よりも先だったとも言われています。その希少度から名著「ビートルズ海賊盤辞典」ですら存在を触れていないというビンテージアイテムだと言えば、どれほど貴重な存在だから解ってもらえるでしょう。
 タイトルがポール死亡説の一因となったアルバム「サージェント・ペパーズ」のジャケットで彼が着ていたワッペンのイニシャルから冠せられたことからして、先の伝説が物議を醸していた1969年後半のリリースであることを偲ばせます。
 しかもこのLP、収録内容が「KUM BACK」や「RENAISSANCE MINSTRELS」とは違う。それらがグリン・ジョンズによって「GET BACK」に編纂される前の初期段階アセテートを元にしていたのに対し、こちらは同アルバムのフォーマットにまとめられた状態のアセテートを元にしているのです。
 ところが話は一筋縄でいきません。「GET BACK」にまとめ上げられたバージョンをまとめ上げたのかと言えば、そうとも言い切れない。例えば「Get Back」は同アルバムよりも演奏後のやりとりが長く収録されている。極めつけは「Dig It」がそれよりも大幅に長く収録されているのです。よって最初に作られた「GET BACK」の完成一歩手前のアセテートだと思われ、言うなればセカンド・バージョン。
 実を言うとこちらも「KUM BACK」と同様に多くのコピー盤や亜流を生み出しており、「SILVER ALBUM OF WORLD’S GREATEST」に「LIVE ON SILVER」といったシルバー系タイトルなどがその流派に属するもの。
 よって「GET BACK」に近いフォーマットをリリースしていたという点では歴史的な価値の高い「O.P.D.」だったのですが、一つ大きな欠点を抱えていました。それはステレオの片チャンネルから拾ったモノラル録音だったという。おかげで「One After 909」はジョンの歌声がほとんど聞こえませんし、同曲の間奏前で音飛びが生じるのも特徴(この現象は派生アイテムにも継承されていました)でした。さらに「Get Back」でもジョンのギターソロが遠くから聞こえる不思議なバランスでもありました。
 「RENAISSANCE MINSTRELS」や初期「KUM BACK」といったタイトルがステレオで収録していたのに対し、こちらのモノラルでしかも片チャンオンリーという問題はいかんともしがたく、すぐさまそれらのアイテムに押されて影が薄くなってしまいます。この「O.P.D.」もモノラルのざらついた音質ではありますが、さすがに1969年当時にいち早くリリースされたLPだけのことはあって鮮度はなかなか。
 そんなビンテージかつ貴重なLPはマニアにおなじみRemasters Workshopがリリースしてくれていたのですが、それがボーナストラックを加えて収録していたのに対し、今回は改めてオリジナルのLPから丁寧にトランスファーされたバージョンにピッチ修正などを施してCD-R化しています。音質面においてもRemasters Workshopバージョンよりこちらの方が明らかにクリアー。メガレアなビンテージLPを手軽に楽しめる初回ボーナスをお見逃しなく!』

O.P.D. (Get Back : Glyn Johns Lost 2nd Mix) (Special Bonus CDR)
 

   1. One After 909
   2. Rocker
   3. Save The Last Dance For Me
   4. Don't Let Me Down
   5. Dig A Pony
   6. I've Got A Feeling
   7. Get Back
   8. For You Blue
   9. Teddy Boy
   10. Two Of Us
   11. Maggie Mae
   12. Dig It
   13. Let It Be
   14. The Long And Winding Road
   15. Get Back (Reprise)
   TOTAL TIME (43:15)

 ※)この手の音源は アップすると著作権侵害となり,削除を余儀なくされるので,音源の貼り付けは行いません.


[参考]












[関連記事]
The Rooftop Concert Definitive Edition (No Label)