1969年,当時バニラ・ファッジ(:Vanilla Fudge)で活動していた強力なリズム・セクション(ベース:ティム・ボガート(:Tim Bogert),ドラム:カーマイン・アピス(Carmine Appice))に衝撃を受けたジェフ・ベック(:Jeff Beck).
 このリズム・セクションを入れたバンド結成を画策するもジェフ・ベックの交通事故等の関係で,バンド結成の企画は流れてしまい,その後も紆余曲折があったものの,最終的に1972年9月にトリオ編成(ベック・ボガート&アピス:Beck, Bogert & Appice)でスタートを切る事になります.

 その後,欧州ツアーや 1st アルバム 『 Beck, Bogert & Appice (ベック・ボガート&アピス) 』 のレコーディング,1973年に入って同アルバムのリリースと英国・北米ツアーを行い,1973年5月に初来日を果たしたのは,皆さんもご存知の通り.
 因みに,この5月の初来日では都合 4公演(14日:日本武道館,16日:名古屋市民会館,18-19日:大阪厚生年金会館)を行い,大阪厚生年金会館の模様はオフィシャルのライブ盤 『 Beck, Bogert & Appice Live (ベック・ボガート&アピス・ライブ・イン・ジャパン) 』 として,同年10月にリリースされています.
 
 このベック・ボガート&アピスも録音途中だった 2nd アルバムもリリースされないまま,1974年5月以降自然解散的に消滅.
 そんなベック・ボガート&アピスの来日約 3週間前に当たる1973年4月26日ワシントン州はシアトルのパラマウント・ノースウエスト公演をオーディエンス収録した 『 Seattle 1973 (Wardour-280) 』 が,Wardourレーベルからリリースされました.

 この当時のベック・ボガート&アピスのオーディエンス録音の音源は,聴くに堪えないものも相応にあるのですが,本音源に関しては JEMS が世に送り出しただけの事はあります.
 距離感も余り感じられず,且つ各パートの音も割とバランス良く収録されており,収録された年代を考えれば,非常に高音質な音源と言えるでしょう.何と言っても音が生々しく,オーディエンス・ノイズが殆どないので,非常に聴きやすい音源です.

 メーカー情報では
 『伝説的スーパー・トリオの新たなる極上ライヴアルバムが誕生しました。永久保存プレス決定です。
 その新名盤に刻まれているのは「1973年4月26日シアトル公演」。

 ジェフ・ベックの初来日ともなった日本公演は1973年の5月でしたので、約3週間前にあたるコンサート。その極上オーディエンス録音です。
 これまで知られていなかった録音の新発掘なのですが、いきなりの登場にして由緒正しき銘品。実は、かの名門JEMSがD&Dアーカイヴ・シリーズとして世に送り出したマスターなのです。
 「D&D」とは、70年代のシアトルで活動していた伝説的録音家コンビDave Departee&Donn Amickのこと。JEMSでは、このコンビのマスターを数十種もアーカイヴ。最近は発掘のスピードも落ちてきたようですが、本作はそんな中で一際輝く最新発掘のひとつです。
 さらに、新発掘にして世代も究極的。ソースとなったのは現存する最古の1stジェネ・カセット。
 45年に及ぶ時間の試練によって最終再生となったそうですが、ギリギリのタイミングで永久に残ることになった。これだけ時間の経過した新発掘と言えば、録音者や系統が不明でも当たり前なのですが、ここまでハッキリと分かるは珍しい。それもロック・アーカイヴ界で名門・名手と呼ばれる人々の手“だけ”を経て届いた。まさに名盤となるべくして誕生したライヴアルバムなのです。

 本作から流れ出るサウンドは、そんな経緯を音で証明する素晴らしさ。
 ほんのりと会場音響も吸い込んだオーディエンス録音には違いないのですが、その繊細さ、ディテールの鮮やかさには言葉を失う。
 カーマインの打音は乱打されるシンバルの1つひとつまで鮮明で、ボガートのベースはうねりながらもラインがクッキリ。もちろん、スーパー・リズム隊をからかうようなジェフの悪戯ギターも超鮮明です。更に言えば、オーディエンス・ノイズまでもが奇跡的。作為ゼロの自然な臨場感がたっぷりと味わえつつ、拍手の1粒1粒までクッキリ。しかし、そのバランスは精緻にミックスした公式作品のように見事で、演奏音の機微をまったく邪魔しないのです。それだけ繊細な上に、鳴りが極めて艶やかで美しい。
 1stジェネ・カセットだからこその鮮度がどこまでも瑞々しく、最終再生だったというのが信じられないほど安定している。唯一、「Sweet Sweet Surrender」の1:07で一瞬だけテープ劣化のノイズが発生しますが、それ以外にダビング痕はおろか、ヨレや歪みも見当たらない美音が延々と続くのです。

 本作では、そんな奇跡のマスターを更にブラッシュ・アップしました。実のところ、JEMSは発掘の真実に重きを置いてノイズリダクションもマスタリングも一切行わなかった。その奇跡の輝きに手を加えるのは躊躇したものの、残念ながら公開音源は約半音もピッチが低かった。それもまた1stジェネ・テープの真実なのでしょうが、本作ではそれよりも“現場の真実”を取りました。ピッチを正確に正し、反響を起こしている音域を緩和。より“現場で鳴っていた音”を再現してお届けすることになったのです。
 そんなサウンドで描かれるショウは……まさに伝説の現場。セットは間近に迫った来日公演と酷似していますが、演奏自体は名盤『LIVE IN JAPAN』よりもさらに苛烈でイキイキと躍動している。伝統のオフィシャル盤が霞んでしまうほどの名演が超極上のサウンドで綴られていくのです。

 儚いながらも眩しすぎる輝きをロック史に刻んだBECK, BOGERT & APPICE。あの伝説から45年後になって突如出現した驚異のライヴアルバムです。演奏の達人が紡ぎ、録音の名手が捉え、アーカイヴの名門が永久に残した“音”。音楽作品として素晴らしすぎる1枚ではありますが、それ以上に“音楽を残す”という行為の最高峰。その情熱の結晶でもあるのです。ロック・ヴィンテージが描き得る最高の新発掘ライヴアルバム。どうぞ、この奇跡の輝きを永久保存プレスCDでいつまでもお楽しみください。

 ★半音弱低いピッチを修正。(印象が変わる程の狂いを補整)
 ★反響している音域を緩和して聴きやすくしました。』

Seattle 1973 (Wardour-280)
 
 Live at Paramount Northwest, Seattle,WA,USA 26th April 1973

   1. Superstition
   2. Livin' Alone
   3. I'm So Proud
   4. Lady
   5. Morning Dew
   6. Drum Solo - Morning Dew (Reprise)
   7. Sweet Sweet Surrender
   8. Lose Myself With You
   9. Bass And Drum Jam - Lose Myself With You
   10. Black Cat Moan
   11. You Shook Me - Black Cat Moan
   12. Why Should I Care
   13. Plynth
   14. Shotgun
   15. Jeff's Boogie
   TOTAL TIME (75:01)

 Morning Dew
 
 Why Should I Care
 
 Jeff's Boogie
 

 本商品のナンバー入りステッカー付きに限り 『 Felt Forum 1973 1st Night (Special Bonus CDR) 』 がボーナスとして付属しています.
 このボーナス・アイテム 『 Felt Forum 1973 1st Night (Special Bonus CDR) 』 は,本年 2月頃に商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテム 『 Felt Forum 1973 1st Night (Gift CDR) 』 として登場したもので,今回の新音源発掘に伴ってボーナス・アイテム化されたものです.
 よって過去ブログ 『 Felt Forum 1973 1st Night (Gift CDR) 』 も参照してみて下さい.

 因みにクレジットでは Track 7 が ”Sweet Sweet Surrender” となっていますが,実際には ”Sweet Sweet Surrender” - ”Lose Myself With You” - ”Bass Solo” と続いており,Track 12:”Shotgun" は残念ながら終盤カットで終了しています.
 まぁ,CDR 1枚に収録される Maxが約80分弱であり,Track 12:”Shotgun" までで,約77分あるので,音源トレードの過程でカットされたしまった可能性もあります.

 メーカー情報では
 『本編プレスCDは、録音の名手とアーカイヴの名門が生み出した奇跡の新発掘アルバムです。
 その誕生を祝うボーナスには、やはり昨年末に話題となった発掘録音をご用意しました。
 そんな本作に収められているのは「1973年4月9日ニューヨーク公演」。マディソン・スクエア・ガーデン内にある劇場“フェルト・フォーラム(現:ワム・シアター)”のオーディエンス録音です。
 「1973年」「フェルト・フォーラム」と言えば、“4月10日”の録音も知られていますが、本作は完全別ライヴ。実はフェルト・フォーラムは2日連続公演であり、本作はその初日を収めたライヴアルバムです。
 本編プレスCDは名門「JEMS」による新発掘でしたが、こちらも名門「Krw_co」から発掘されたもの。もちろん、その新発掘が話題になったのは、そのクオリティが素晴らしかったからこそ。マスターからダイレクトにデジタル化されたらしく、実に素晴らしいヴィンテージ・サウンドなのです。
 実際、本作を再生して流れるのは力強くも端正なサウンド。とにかく楽音の芯は荒縄の如く極太で、会場音響どころか距離感さえも感じさせないダイレクト感も強烈。70年代オーディエンスなら低音が弱くても眼をつぶるところですが、本作のベースはブリブリと逞しく轟く。特に凄いのは、ヴォーカル。他の楽器はそれでも鳴りにオーディエンスっぽさを感じなくもないのですが、歌声はほとんどラジオ録音かのようです。
 それだけパワフルでありながら、歪みやオーバーピークがほとんどないのも驚異的。ドラミングのタッチは1打1打まで詳細で、ベースもラインの輪郭がクッキリ。肝心要となるジェフの気紛れギターも、ちょっとしたチョーキングや引っ掻くようなトーンまでえらく鮮やかに捉えられている。
 しかも、その1つ1つが綺麗に分かれており、最強トリオの有機的な絡みがあやとりの糸のように1本ずつ追えるし、総体での形も美しいのです。
 さらに追記したいのは、オーディエンス・ノイズ。猛烈な演奏に圧倒されているのか、演奏中の話し声や耳障りな音がほとんどない。もちろん、キメには声援や口笛も飛びますし、曲間には盛大な喝采が沸き上がる。しかし、それらもまるでテレビ放送用にミックスでもされているかのように絶妙なバランス。逞しい演奏音/歌声とも相まって、聴いているうちにオーディエンスであること忘れるのです。
 そのサウンドで描かれる熱演がもう最高。今なお、最強と言われるトリオの絡みは詳細サウンドだからこそ強烈。とにかく三者三様に歌心が素晴らしい。強力なうねりを生み出しながらどこまでもメロディアスなベース、語りかけるように多弁でパーカッシヴなドラム、その間を自在に泳ぎ、悪戯を仕掛けるように挑発するギター。細かく聴き込むほどに3人が勝手気ままに演奏してるようでありながら、総体ではパワフルでダイナミックなロックソングを描き、ポップささえも滲む歌声が分かりやすく観客をノセる。3人が3人とも自分の演奏にも相手の演奏にも集中し、その上で全体像まで把握している……。単に楽器の達人が集まっているのおてゃ異なる、“音楽センス”の集合体が鮮やかに浮かび上がるのです。

 まさに新名盤。名門JEMSによる本編プレスCDと、Krw_coによる本作。失われゆく音楽を語り継ぎたい、究極ジェネの美しさを残したい……。そんなマニアの情熱なし得た音楽文化の遺産です。そして、そんなマニアを生み出すほどに素晴らしいBECK,BOGERT & APPICEの生演奏。どうぞ、現代の銘品を2本併せてご堪能ください。』

Felt Forum 1973 1st Night (Special Bonus CDR)
 
 Live At Felt Forum,New York,NY,USA 09th April 1973

   1. Superstition
   2. Livin' Alone
   3. I'm So Proud
   4. Lady
   5. Morning Dew
   6. Drum Solo
   7. Sweet Sweet Surrender
   8. Black Cat Moan
   9. You Shook Me
      - Beverly Hillbillys
      - Black Cat Moan
  10. Why Should I Care
  11. Plynth
  12. Shotgun
  TOTAL TIME (77:44)

 ※) 音源は過去ブログ 『 Felt Forum 1973 1st Night (Gift CDR) 』 に貼り付けてあるので,そちらを参照下さい.

[参考]
 1973 Tour Dates
  February
   01 Civic Hall,Dunstable,UK
   02 Reading University,Reading,UK
   03 Imperial College Great Hall,London,UK
   06 Heavy Steam Machine,Hanley,UK
   07 Liverpool University,Liverpool,UK
   08 Loughborough University Of Technology,Loughborough,UK
   09 Newcastle Polytechnic,Newcastle,UK
   10 Leeds University,Leeds,UK
   11 Hardrock Theatre,Manchester,UK
   12 Top Rank Suite,Swansea,UK
   14 Oxford Polytechnic,Oxford,UK
   15 Hard Rock,Bournemouth,UK
   16 Edmonton Sundown,London,UK
   18 Top Rank Suite,Cardiff,UK
   20 Bataclan Theatre,Paris,FRANCE
 
  March
   28 Music Hall,Boston,MA,USA
   29 Lowe's Theatre,Syracuse,NY,USA
   30 Capitol Theater,Passaic,NJ,USA
   31 McDonough Arena,Georgetown University,Washington DC,USA

  April
   01 Palace Theatre,Albany,NY,USA
   02 Veterans Memorial Auditorium,Columbus,OH,USA
   03 Kiel Auditorium,St. Louis,MO,USA
   04 International Amphitheater,Chicago,IL,USA
   05 Armory,Minneapolis,MN,USA
   06 State Fair Coliseum,Indianapolis,IN,USA
   07 War Memorial Hall,Rochester,NY,USA
   08 Cobo Hall, Detroit,MI,USA
   09 Felt Forum,New York City,NY,USA
   10 Felt Forum,New York City,NY,USA
   11 Syria Mosque,Pittsburgh,PA,USA
   13 Maple Leaf Garden, Toronto,ON,USA
   14 Civic Center,Providence,RI,USA
   15 University Of New Hampshire,Durham,NH,USA
   16 Winterland, San Francisco,CA,USA
   26 Seattle Centre Arena,Seattle,WA,USA
   27 Paramount Theatre,Portland,OR,USA
   28 Winterland,San Francisco,CA,USA
   29 Winterland,San Francisco, A,USA
 
  May
   ?? ABC-TV In Concert,Santa Monica,CA,USA
   03 Hollywood Palladium,Hollywood,CA,USA
   04 University Of California,Santa Barbara,CA,USA
   05 Sports Arena,San Diego,CA,USA
   06 Long Beach Arena,Long Beach,CA,USA
   08 Honolulu International Center,Honolulu,HI,USA
   13 Nippon Budokan,Tokyo,JAPAN
   14 Nippon Budokan,Tokyo,JAPAN
   16 Nagoya Shimin Kaikan,Nagoya,JAPAN
   18 Koseinenkin Hall,Osaka,JAPAN
   19 Koseinenkin Hall,Osaka,JAPAN

 June
   ?? Rad Stadium,Nuremburg,GERMANY
   ?? Un-Known,Frankfurt,GERMANY
   09 Waldbühne,Berlin,GERMANY
       ⇒ [Summer Rock Festival Berlin 1973]
   09 Messezentrum Halle,Nuremberg,GERMANY
   11 Burgemeester Damen Sportpark,Geleen,The NETHERLANDS
       ⇒ [Pinkpop Festival 1973]
   12 L'Olympia,Paris,FRANCE

 July
   03 Hammersmith Odeon,London,UK
   11 Spectrum, Philadelphia,PA,USA
   12 Park Centre,Charlotte,NC,USA
   13 Curtis Simpson Hall,Tampa,FL,USA
   16 Municipal Auditorium,Atlanta,GA,USA
   20 Municipal Auditorium,San Antonio,TX,USA
   21 State Fair Coliseum,Dallas,TX,USA
   29 Alexandra Palace,London,UK
       ⇒ [London Music Festival 1973]

  September
   01 Chestuee Charolais Farm,Benton,TN,USA
       ⇒ [Cancelled]
   15 Crystal Palace Bowl,London,UK
       ⇒ [Celebration Garden Party]

  November
   25 Cine Marni,Brussels,BELGIUM

 1974 Tour Dates
  January
   08 Apollo Theatre,Glasgow,UK
   09 Caley Cinema,Edinburgh,UK
   10 City Hall, Newcastle,UK
   11 Free Trade Hall,Manchester,UK
   12 Leeds University,Leeds,UK
   13 De Montfort Hall,Leicester,UK
   14 Civic Hall,Wolverhampton,UK
   16 Dome,Brighton,UK
   17 Top Rank, Cardiff,UK
   19 Lancaster University,Lancaster,UK
   20 Empire,Liverpool,UK
   22 City Hall,Sheffield,UK
   23 Town Hall,Birmingham,UK
   24 Colston Hall,Bristol,UK
   26 Guildhall,Portsmouth,UK
   26 Rainbow Theatre,London,UK [2 shows]


Beck Bogert & Appice



ベック・ボガート&アピス・ライヴ・イン・ジャパン



ベック・ボガート&アピス
SACDマルチ・ハイブリッド・エディション
(完全生産限定盤)(SACD HYBRID)



ベック・ボガート&アピス・ライヴ・イン・ジャパン



ベック・ボガート&アピス
[Blu-spec CD]



ベック・ボガート&アピス・ライヴ・イン・ジャパン
[Blu-spec CD]



ライヴ・イン・ジャパン-40周年記念盤-




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