1971年6月14日の 『 Tarkus (タルカス) 』 リリースに合わせた欧州ツアーから,6月5日スイスはツォフィンゲンのスポーツハウス公演を,オーディエンス録音で収録したもの.(ジャケット上のクレジットには "Mehrzweckhalle" と記載されていますが,グレッグレイクの公式HP等では "Sporthaus" と記載 )

 この日の音源は,2011年5月に,1972年6月24日のスイスはヴェツィコンの多目的ホール公演とカップリングで Amityレーベルから 『 Developing Story (Amity 221) 』としてリリースされていますが,今回は新たに発掘された別音源(:Source 2)を使用してのリリース.

 音像は若干遠目ですが,オーディエンス・ノイズも少なく,高音質です.
 補填補填部分(特に "Take A Pebble" の 19分48秒~50秒)で音質が落ちますが,そこを聴けば,今回の Source 2 と既存の Source 1 の音質の差は歴然.
 上述したように,補填部分で音質が落ちるのが気にはなりますが,シームレスに聴く事ができます.また高音質に加え,既発には何故か未収録の "Jeremy Bender" が収録されているのが,アドバンテージです.

 メーカー情報では
 『初期『TARKUS』時代の極上ライヴアルバムが奇跡の新発掘です。“進化するロック”として一世を風靡したプログレッシヴ・ロックですが、数あるバンドの中でもEL&Pは驚異的な演奏力でジャズやクラシックを強引に融合させたグループでした。そして、実演家としてもっとも輝いていた時代と言えば、1970年-1971年にトドメを刺す。本作は、そのもっとも眩しい“1971年”の頂点を極める奇跡の記録なのです。
 そんな本作に収められているのは「1971年6月5日ツォフィンゲン公演(スイス)」。最近になって突如、この世に現れた秘蔵のオーディエンス・アルバムなのです。まずは、このコンサートがEL&P史においていかなるポジションなのか、活動概要からイメージしてみましょう。

 《1971年1月『TARKUS』制作》
   ・1971年2月-4月:英国#1(24公演)
 《1971年3月26日『展覧会の絵』録音》
   ・1971年4月-5月:北米#1(28公演)※初の米国ツアー
   ・1971年6月:欧州(13公演) ←★ココ★
   ・1971年7月-9月:北米#2(29公演)
 《1971年10月『TRILOGY』制作開始》
   ・1971年11月:北米#3(15公演)
   ・1971年12月:英国#2(20公演)
 《1972年1月『TRILOGY』完成》

 これが『TARKUS』から『TRILOGY』までの歩み。当時の記録にはあやふやなところもあるので厳密に正確とは断言できませんが、おおよそは把握頂けるかと思います。
 本作のツォフィンゲン公演は「欧州」日程の初日。『TARKUS』リリース(6月14日)の9日前というタイミングでした。
 そんなツォフィンゲン公演は、今回が初めてではありません。2010年にオーディエンス・マスター「SOURCE 1」が発掘され、Amityレーベルから『DEVELOPING STORY(の一部)』としてもご紹介したことのあるコンサートです。

 しかし、本作はそれとはまったく別の録音。世界中のマニアが「SOURCE 2」と呼ぶ、まったく未知の新発掘マスターなのです。初登場となる「Jeremy Bender」が収録されていることも衝撃でしたが、それ以上に強烈なのがサウンド。「SOURCE 1(DEVELOPING STORY)」からして1971年屈指の素晴らしいサウンドだったものの、それすら問題にならない。すべての面でアップグレードしていますが、特に衝撃なのはキーボードの近さと鮮やかさ。もう冒頭から圧倒的でして、「SOURCE 1」では遠くに渦巻いていたシンセの唸りが目の前に突きつけられる。その唸りも単に迫力があるのではなく、自在な変化のディテールまで克明。まるで、つまみをイジるキース・エマーソンの指先が見えるかのような繊細さ。再生した瞬間、「まさかサウンドボード?」と、我が耳を疑ったほどです。
 しかも、マスター鮮度もケタ違い。恐らくは大元マスターと思しきカセット現物からダイレクトにデジタル化されており、ダビング痕や劣化がまるで感じられない。正直な話、これまで“1971年”といえば「聴けるだけありがたい」レベルのものばかりでしたが、本作は次元が違う。ここまで素晴らしい“1971年”サウンドは聴いたことがない。45年の時間を飛び越え、強烈無比なインプロヴィゼーションを100%リアルに蘇らせてくれるのです。

 そんな貴重な極上マスターなのですが、未収録部分もありました。「Take A Pebble」中盤のピアノソロにテープチェンジと思しき空白が1分40秒ほど、3番の歌い出し部分に2秒(操作ミスでしょうか)。さらに終曲「Nutrocker」もごく僅かに欠けていた。貴重な大発掘の真実だけに、そのままにする事も考えましたが、キースのインプロやグレッグ・レイクの歌声を最大限にお伝えすべく「SOURCE 1」で補填。1秒の欠けもなく最大・最長で貴重なショウをお届けする事にいたしました。
 そんな最長最良のサウンドで蘇った“1971年のライヴ”。これがもう、本当に凄まじい。初のアメリカ・ツアーを成功させ、その自信漲る充実感のまま迎えた欧州ツアーの初日なのです。沸き立つアイディアとイマジネーションをその場、その瞬間で音に変えていくインプロヴィゼーションの嵐。定番が確立していない時期だけに、お約束のフレーズでも後の手慣れ感がなく、鋭い。例えば「Take A Pebble」ではピアノ弦を弾いて「第3の男」のテーマを演奏する。それ自体は大騒ぎする話ではないものの、こういうことさえ起きてしまうほどに自由で、創造力が滾々と湧き出る演奏が溢れ出す。まったく、目映いフレーズを文字に起こせないのが残念なくらいです。
 もちろん、そんな演奏力で描かれるから名曲も更なる輝きを聴かせる。大曲「Tarkus」も極初期バージョンのアグレッシヴな演奏ぶりですし、超貴重な「Jeremy Bender」まで聴ける。この曲も「本作でしか聴けない」というわけではないものの、演奏回数が異様に少ない。それがここまでのサウンドで聴けるとは……。

 単なる技術論で言えば、EL&Pよりも優れたバンドはいくらもいるでしょう。しかし、演奏力がスタイルそのものに昇華され、ロックの進化にまで繋げてみせたバンドは類を見ない。そんなEL&Pのインプロヴィゼーションがもっとも激しく、美しく輝いていた“1971年”。本作は、その貴重にして極上の記録なのです。EL&P史……いえ、ロック史においても目映く輝くライヴアルバム。今週末、この歴史的新発掘をあなたのお手元に。』

Zofingen 1971 (Virtuoso 314/315)
 
 Live At Mehrzweckhalle,Zofingen,SWITZERLAND 05th June 1971

 Disc 1
  1. The Barbarian
  2. Tarkus
  3. Jeremy Bender
  4. Take A Pebble
  TOTAL TIME (54:16)

 Disc 2
  1. Knife Edge
  2. Rondo (incl. Drum Solo)
  3. Nutrocker
  TOTAL TIME (37:06)

 The Barbarian 
 
 Take A Pebble 
 
 Nutrocker 
 

 本商品には,同じコンサートを記録した“もう1つのライヴアルバム”『 Zofingen 1971;Source 1 (Bonus CDR) 』 が付属しています.

 メーカー情報では
 『45年の時を超え、2016年の地球に突如姿を現した「SOURCE 2」。本編プレス2CD『ZOFINGEN 1971』は、そんな貴重なクリア・サウンドを永久に残す音楽遺産です。本来であれば、それだけの大傑作にボーナスなど不要なのですが、今回は“記録を残す”意味でも重要なライヴアルバムをお贈りします。

 そんな本作に収められているのは、本編と同じ「1971年6月5日ツォフィンゲン公演(スイス)」。本編プレス2CDが新発掘の「SOURCE 2」だったのに対し、本作は従来から知られた「SOURCE 1」です。従来とは言っても、こちらも2010年になって発掘されたもので、1973年の『YOU NEVER HEARD A WORD(Amity 222)』(現『ZURICH 1973(Virtuoso 208/209)』)や1974年の『REAL BLADE OF GRASS(Amity 223)』(現『ZURICH 1974(Virtuoso 210/211)』と同じ録音者コレクションとして一気に登場したもの(すべてスイス公演)。そのいずれもが世界中のマニアに愛されたわけですが、とりわけ1971年ツォフィンゲン公演「SOURCE 1」は、貴重な1971年にも関わらず素晴らしいサウンドで衝撃を振りまきました。本作は、そんな「SOURCE 1」を収録し、なおかつ誤っていた曲順を実際のショウに沿って直したものです。

 そのサウンドは、実に素晴らしいヴィンテージ・オーディエンス。新発掘の本編プレス2CDに比べるとやや距離があり、鮮やかさも及ばないものの、当時としては破格の美しさ。演奏のディテールまで鮮明・詳細に聞こえつつ、歪みも割れもなければ、ノイズの欠片も見当たらない。そんなサウンドで猛烈な勢いでフレーズを生み出し続けるキース・エマーソンも、1音逃さず、その機微に至るまでたっぷりと味わえる。「SOURCE 2」の発見がなければ、いずれは本作をプレスCDで永久保存したいと考えていたほどです。
 極めて豊かで創造力の塊だった“1971年のEL&P”。その真価を伝える名録音が奇しくも同じ日、同じ会場から2つも生まれていた。本作は、EL&Pの素晴らしいライヴアルバムというだけでなく、“録音の女神”が微笑む幸福な現場の生き証人なのです。さらに長く、さらに強力な「SOURCE 2」の登場により役目を終えた1枚ではありますが、本作自体も素晴らしく、あまりにも貴重。歴史の闇に忘れ去られるのではなく、共に“1971年”の証言者として生き続けてほしい。そのためのボーナス復刻。どうぞ、今週末は本編プレス2CDと共に思う存分お楽しみください。』

Zofingen 1971;Source 1 (Bonus CDR)
 
 Live At Mehrzweckhalle,Zofingen,SWITZERLAND 05th June 1971

  1. The Barbarian
  2. Tarkus
  3. Take A Pebble
  4. Knife Edge
  5. Rondo (incl. Drum Solo)
  6. Nutrocker
  TOTAL TIME (79:58)

 The Barbarian 
 
 Tarkus 
 

 [関連記事]として,1970~1971年の音源の記事をリンクしていますので,宜しければそちらもどうぞ♪

[参考]
 1971 European Tour Dates
  June
   01 Stadthalle,Karlsruhe,GERMANY
   02 Meistersingerhalle,Nurnberg,GERMANY
   03 Konzerthaus,Vienna,AUSTRIA
   04 Zirkus Krone,Munich,GERMANY
   05 Sporthaus,Zofingen,SWITZERLAND
   10 Stadthalle,Offenbach,GERMANY
   11 Meistersingerhalle,Nurnberg,GERMANY
   12 Festhalle,Oldenburg,GERMANY
   13 Rheinhalle,Dusseldorf,GERMANY
   14 Musikhalle,Hamburg,GERMANY
   17 Schwarzwaldhalle,Karlsruhe,GERMANY
   20 Royal Theatre Drury Lane,London,UK

Tarkus (タルカス)



Trilogy (トリロジー)



 Developing Story (Amity 221)
 

[関連記事]
Pictures At An Exhibition Rehearsals (Gift CDR)
 
Definitive Hollywood Bowl 1971 (Virtuoso 207)
 
Detroit 1971 (Bonus CDR)
 ELP - Detroit 1971 #2
Boston 1971 (Virtuoso 010/011)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-ELP Boston 1971
Yes And EL&P - Best Of 1971 (Siréne-243)
 Yes And EL&P - Best Of 1971 (Sirene-243)