1976年12月の初来日での模様を収録した,オフィシャル・ライブ・アルバム 『 On Stage (レインボー・オン・ステージ) 』 を,1977年にリリースしたレインボーは,1977年9月から 「 On Stage Tour 」 と銘打ったツアーを開始し,1976年12月の初来日から,ほぼ一年後の1978年1月に,ツアーの一環として,2度目の来日を果たします.

 1978年の再来日では,1月11日名古屋市公会堂公演を皮切りに,17公演が予定されましたが,不幸にも,ツアー中盤に当たる,1月27日札幌は中島スポーツ・センター公演で死者が出るアクシデントがあり,またその煽りで,2月1日の金沢厚生年金会館公演が中止となる等,後味の悪い公演となってしまいました.

 本CDは,1978年再来日ツアーの最終公演に当たる 2月3日東京は日本武道館での演奏を,オーディエンス録音で収録したもので,何と今まで音源化されていない,キニーの秘蔵音源との事.

 キニーとは,その昔,西新宿にあったブート店で,既に店を断たんで,かなりの歳月が流れますが,多分,キニー が店を閉める際に,何店かで譲り受けたか,購入したものなのでしょう.

 この日の音源は,既発で Rising Arrowレーベルから –2011年に 1976年12月2日と1978年2月3日を同時に収録した 4枚組 『 Still I'm Sad (Rising Arrow-008) 』,1978年1月21日,22日,2月3日を同時収録した 6枚組 『 Triumph & Tragedy (Rising Arrow-014) 』,2月3日単独の 『 Epilogue (Rising Arrow-047) 』 ,2012年には Calm & Stormレーベルから 『 Definitely Over (Calm & Storm 029) 』 がリリースされており,Taranturaレーベルからも 『 Who Has Seen The Rainbow (TCDNIJIFUNE78-16-1,2) 』 等,来日公演と言う事もあり多数リリースされています.

 音像は割と近く,鮮度は良く,ギター音がかなりオンで,収録された年代を考えれば,かなりの高音質と言えるでしょう.
 個人的には,1976年も,1978年も,東京公演は全て観ているので,非常に思い入れがあり,その時の興奮が蘇りますね.

 後述で [参考記事] として,初来日公演の記事等を紹介していますので,宜しければ,そちらもどうぞ♪

 メーカー情報では
 『完全・世界初公開のキニー・マスターが登場です。これまでキニーのオリジナル・カセットから数々の名盤をお送りしてきましたが、その最新弾はロニー・ジェイムズ・ディオ時代の来日公演。“ロニー&キニー”というと、センセーションを巻き起こした『OSAKA 1976 1ST NIGHT(Rising Arrow-052)』も記憶に新しいところですが、今回は二度目のジャパンツアーより「1978年2月3日:日本武道館」公演を収めたオーディエンス・アルバムです。
 1978年は、RAINBOWに限らずリッチー・ブラックモアの来日史上でも最多となる全16公演で列島を縦断した巨大ツアー。本作は、その最終公演にあたります。今さらではありますが、念のためツアー日程(後半)を確認しておきましょう。

  ・1978年1月21日+22日:日本武道館
  ・1978年1月24日:郡山市民会館
  ・1978年1月27日:中島スポーツセンター(圧死事故)
  ・1978年1月29日:秋田県民会館
  ・1978年1月31日:新潟県民会館
  ・1978年2月1日:金沢厚生年金会館(中止)
  ・1978年2月3日:日本武道館 【本作】
  (注:後半8公演のみ)

 以上がツアーの後半分。これだけでもいかに人気絶頂であったか分かろうというものですが、その中でも最終日の日本武道館は音源の宝庫。当店でも『STILL I'M SAD(Rising Arrow-008S)』『TRIUMPH & TRAGEDY(Rising Arrow-014)』『EPILOGUE(Rising Arrow-047)』『DEFINITELY OVER(Calm & Storm 029)』といった傑作録音群をご紹介して参りました。本作もそんな武道館・最終日の録音なのですが、手がけたのはかの名門キニー。キニー復刻というと、アナログ名盤のオリジナル・サウンドが聴けることで人気ですが、この録音は今の今まで音盤化されてこなかった秘蔵品。まさに、誰も聴いたことがなかった録音が世界初公開となったのです。

 そのクオリティは、まさにキニー・マジック。最大の特徴はオンなサウンド。これまでの傑作群は距離感のあるものが多く、クリアであっても会場反響をだいぶ拾っているものばかり。下手をすると、演奏よりも観客の会話や声援(野次?)の方が上回りかねませんでした。それに対し、本作は紛れもなくRAINBOWの演奏こそが主役。もちろん、当時のオーディエンス録音らしく熱狂も封じ込めていますが、極太でダイレクト感のある楽音が観客の喝采さえもかき消さんばかりに飛び込んでくるのです。
 その“オン”ぶりを分かりやすく証明してくれるのが、奇しくもMC。有名な話ですが、この日は「16th Century Greensleeves」の後で、札幌公演で起きた圧死事故について触れる。その際、日本人スタッフが日本語で黙祷を呼びかけるのですが、そのMCさえ一言一言クッキリと聴き取れるのです。ちょっと書き出してみましょう。
「ここで我々RAINBOWグループは、心から故○○○○様のご冥福を祈り、1分間の黙祷を捧げたいと思います。皆さまのご協力をお願いします。ご起立をお願いいたします。《黙祷》ここでリッチー・ブラックモアが○○○○様のために、即興ではありますが1曲捧げるそうでございます」
 今までの既発でも聴けないわけではありませんでしたが、ボケて聴き取りづらかった部分までクッキリ。故人に触れるのが主旨ではないので伏せ字にさせて頂きましたが、その氏名まではっきり聴き取れてしまうほど間近なのです。そして、そのダイレクト・サウンドで描かれる最終公演こそが胸を打つ。この日はバンドも悲劇から立ち直れていないのか、遊びもほとんどないタイトな演奏。それだけに絶好調でかっ飛ばす名演とはいかないわけですが、その代わり他では聴けないシリアスなムードが全編を覆う。ノリの良い曲でも浮かれずにキリッと演奏し、センチメンタルなメロディは深い悲しみを滲ませる。特に、黙祷に続いて捧げられる「Catch The Rainbow」は、この日にしかあり得ない深み。ロニーの歌い口にも、リッチーのピッキングにも、ただただ安らかな魂の眠りを祈るよう……。爆発的なドラマの感動ではなく、静かな祈りを込めた虹の世界なのです。

 実のところ、これまでの復刻シリーズとは違い、キニーのオリジナル・カセットには若干の経年劣化も見られました。そのため、静かなパートでは小さなテープ揺れもあり、軽々に「この日の決定盤!」と喧伝するには戸惑いもありました。しかし、間違いなく決定盤競争の最有力候補ではある。その演奏から滲む悲しみまでも描き出し、心に染み入る詳細さ、ダイレクト感。キニーだからこそ、本作だからこそ、「単に大人しいライヴ」ではなかった事が手触り・肌触りの次元で感じられる銘品です。
 世界初公開となるキニーのオリジナル録音。そして、そこに刻まれた“シリアスなRAINBOW”が胸に迫るライヴアルバムです。無数の既発があろうとも、本作でしか伝わらない想いと音。今週末、あなたのお手元にお届けいたします。』

Budokan 1978 Final Night (Rising Arrow-053)

 Live At Budokan,Tokyo,JAPAN 03rd February 1978
 [from Original Masters]
 

 Disc 1
  1. Intro.
  2. Over The Rainbow
  3. Kill The King
  4. Mistreated
  5. 16th Century Greensleeves
  6. Ronnie MC & Interpreter
  7. Catch The Rainbow
  8. Long Live Rock 'n' Roll
  TOTAL TIME (56:25)

 Disc 2
  1. Lazy Intro.
  2. Man On The Silver Mountain
  3. Blues - Vocal Improvisation
  4. Starstruck - Night People
  5. Man On The Silver Mountain (Reprise)
  6. Guitar Intro.
  7. Still I'm Sad
  8. Beethoven 9th
  9. Keyboard Solo
  10. Drum Solo feat. 1812 Overture
  11. Still I'm Sad (Reprise)
  12. Over The Rainbow
  TOTAL TIME (40:12)

 Ritchie Blackmore : Guitar
 Ronnie James Dio : Vocals
 Cozy Powell : Drums
 Bob Daisley : Bass
 David Stone : Keyboards

 Catch The Rainbow 
  
 Long Live Rock 'n' Roll 
  
 Still I'm Sad 
  
 Beethoven 9th 
  
 Keyboard Solo 
  

[参考]
1978 JAPAN Tour Dates
 January
  11 Nagoya Shi Kokaido,Nagoya,JAPAN
  12 Hiroshima Kenritsu Taiikukan,Hiroshima,JAPAN
  13 Kumamoto Kenritsu Taiikukan,Kumamoto,JAPAN
  14 Fukuoka Kyuden-Kinen Taiikukan,Fukuoka,JAPAN
  16 Osaka Koseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
  17 Osaka Koseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
  18 Kyoto Kaikan Daiichi Hal,Kyoto,JAPAN
  20 Osaka Koseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
  21 Nihon Budokan,Tokyo,JAPAN
  22 Nihon Budokan,Tokyo,JAPAN
  24 Koriyama Shimin Kaikan,Koriyama,JAPAN
  27 Sapporo Nakajima Sports Center,Sapporo,JAPAN
  28 Tokyo Budokan,Tokyo,JAPAN
  29 Akita Kenmin Kaikan,Akita,JAPAN
  31 Niigata Kenmin Kaikan,Nigata,JAPAN

 Feburary
  01 Kanazawa Koseinenkin Kaikan,Kanazawa,JAPAN
      [Cancelled After The Sapporo Accident.]
  03 Nihon Budokan,Tokyo,JAPAN


On Stage
レインボー・オン・ステージ




 Still I'm Sad (Rising Arrow-008)
 
 Triumph & Tragedy (Rising Arrow-014)
 
 Epilogue (Rising Arrow-047)
 
  Definitely Over (Calm & Storm 029)
 
 Who Has Seen The Rainbow (TCDNIJIFUNE78-16-1,2)
 


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