1970年7月18日英国はロンドンで行われた,ハイドパークでのフリー・コンサートを,プロ・ショットで収録した衝撃的映像として,2014年5月リリースの 『Hyde Park 1970 (DVD)』 は,記憶に新しいところですが,本商品は,その日の音源をオーディエンス収録したもので,Sigmaレーベルからリリースされた 『Hyde Park 1970 (Sigma 163)』 です.

 この日の音源は,Recorder 1 と Recorder 2 の 2種類があり,両音源とも不完全収録ですが,両音源を組み合わせた最長版として 『Hyde Park 1970 (DVD)』 に,ボーナス・アイテム 『Hyde Park 1970 Audience Recording (Special Bonus CDR)』 として付属していました.
 また既発では,The Godfather Records レーベルから 『Atom Hyde Park (Godfather Records GR 320)』 としてもリリースされており,前者のボーナス・アイテムが,Recorder 2 をメインに据え編集しているのに対し,後者の The Godfather Records盤は,Recorder 1 をメイン(:原子心母のみ Recorder 2)に据え編集しています.

 今回は,Recorder 2 に関して,大元のリール・マスターを使用しているとの事で,音質はかなり向上しており,それ故のプレスCD.
 そして両音源を組み合わせる事なく,各々,CD 1枚に収録しています.

 Recorder 1 に比較して,Recorder 2 は,音像が近く,ヴォーカルは Recorder 1 に比較するとオフ気味ではあるものの,マスターを使用している関係もあるのかも知れませんが,全体的に低音部がふくよかです.

 Recorder 2 の "Careful With That Axe, Eugene" は,4分13秒に,また "Atom Heart Mother" は,1分51秒にマスターに起因するドロップ・アウトというか欠落があります.

 因みに,この日は 「Blackhills Garden Party (ブラックヒルズ・ガーデン・パーティー)」と題されたフリー・コンサートで,ピンク・フロイドの他に,ロイ・ハーパー,ケヴィン・エアーズ,エドガー・ブロートン・バンド,フォーマリー・ファット・ハリー,ロル・コックスヒル,サード・イアー・バンド等が出演しており,演奏時間も限られた関係からか,セット・リスト少なめ(:短め)となっています.

 [Set List]
  1. More Blues
  2. The Embryo
  3. Green Is The Colour
  4. Careful With That Axe, Eugene
  5. Set The Controls For The Heart Of The Sun
  6. Atom Heart Mother

 メーカー情報では
 『70年代PINK FLOYD衝撃のリリースです。先日は『COMPLETE APHRODITE 1971』や『TOKYO 1972 2ND NIGHT』といった驚愕の日本公演タイトルをお届けいたしましたが、本作はさらに時を遡った「1970年7月18日」。母国イギリスの“ハイドパーク”で行われたフリーコンサートを収めたライヴアルバムです。
 このコンサートはプレスDVDの決定版映像『HYDE PARK 1970』もありますが、それは40分ほどの部分収録でした。それ以外にはオーディエンス録音「RECORDER 1」「RECORDER 2」の2種が確認されており、本作はその2種の極上マスターをディスク1枚ずつに配した2枚組なのです。これらの録音は以前から知られているものですが、本作のマスターは「これ以上のクオリティはあり得ない」という決定的なもの。順を追ってご紹介していきましょう。

 まず、大前提として「RECORDER 1」「RECORDER 2」は、どちらも不完全収録です。「RECORDER 1」は約39分の録音で「Atom Heart Mother」がない。一方の「RECORDER 2」は約50分で冒頭の「Blues」「The Embryo」が欠けています。この2種はトレード間で流通しており、既発群は、それらを組合わせて疑似の全長アルバムに仕立てていました。有名なところで言うと、GODFATHERレーベルの『ATOM HYDE PARK(G.R. 320)』や、当店のボーナスCDR『HYDE PARK 1970 AUDIENCE RECORDING』です。それに対し、本作は編集一切なしで「RECORDER 1」「RECORDER 2」それぞれのベストバージョンを収録したものなのです。
 ここからが肝心。
 本作の「RECORDER 1・2」は、共に至上・至高を追求したものですが、特に凄いのが「RECORDER 2」。今回、なんと大元となるオリジナル・マスターの所有者と接触することができ、今までどこにも出回っていなかった大元マスターからダイレクトにデジタル化することに成功したのです。従来の「RECORDER 2」も元を質せば、この人物に行き着くわけですが、当時彼が公開したのはMDにダビングしたもので、それ以降誰にも聴かせていなかったそう。つまり、現在に至るまで全世界に流通しているのは、MDの圧縮音声を経たものだけでした。しかし、今回はマスターリールから直接DATへ(当然ロスレスで)デジタル化。本作は、それをCDに封じ込めたものなのです。これまでに2回しか外部の人間が触れたことのない音(初回はMDへ、2回は今回)ですから、貴重な機会を最大限に活かすべく、デジタル化の工程にもこだわり、準備できる最高級のハイエンドの機材を駆使。今まで、いかなるPINK FLOYDのコアマニア/研究家と言えども、誰ひとり聴いたことのなかった“マスター・サウンド”を世に送り出すことになったのです!
 そのサウンドたるや、まさに絶品のヴィンテージ。「RECORDER 2」と言えば、従来の圧縮音声バージョンですら“70年代でも屈指の至近サウンド”・“演奏の機微まで鮮明”と言われてきた名録音。そのマスター・サウンドなのですから、まるで昨日録ったかのような鮮度でハイドパークにたゆたっていた大気を吐き出してくれるのです。野外とは思えないほど図太い楽音が幻想的に轟きながら、それでいて何ともリアルなサウンド。当時の楽器、機材の感触はたっぷりとありながら、“46年”の時間を飛び越えてきたとは信じられないほどにフレッシュなのです。ただ、マスター所有者からもたらされた原音はマスターリールの音をそのまま移し替えただけでしたので(わずかではあるものの)ピッチにヨレもあった。本作ではリール原音の“鳴り”を最大限活かしつつも、ピッチと音圧だけは整え、現代の音響機器に合わせたバランスに仕上げました。
 紹介の順番が逆になってしまいましたが、ディスク1に収められている「RECORDER 1」もただ者ではありません。録音自体は既発『ATOM HYDE PARK』と同じではありますが、これも「RECORDER 2」と同じ人物からもたらされたもの。“YEESHKUL”経由で初公開されたオリジナル・バージョンから、「RECORDER 2」と同様のマスタリングで最上級を極めました。こちらは「RECORDER 2」に比べると低音が薄めで、バッキングも控えめ。その代わり、中高音のエッジがクッキリとしていて、何よりヴォーカルが鮮やかな録音です。正直なところ、現場に吹きすさぶ風の音も拾ってはいますが、それもまた歴史のスペクタクル感、46年という時間のリアリティを醸している。デジタル・マスタリングでこうした特性を調整することも可能でしたが、それでは原音の味わいを損ないかねない。本作では、「RECORDER 2」と同様に音圧・ピッチの調整だけに止め、マスターのリアリズムを正確に再現いたしました。

 全世界初公開となる大元リール・サウンド版「RECORDER 2」、発掘当時のサウンドを最高級に磨いた「RECORDER 1」。どちらも“これ以上はあり得ない”ベスト・クオリティで46年前のハイドパークへ連れて行ってくれる大傑作です。“衝撃作”『COMPLETE APHRODITE 1971』に続き、70年初頭のPINK FLOYDの“リアル”に出逢える1本。今週末、あなたのお手元へお届けいたします。』

Hyde Park 1970 (Sigma 163)
 
 Live At Blackhills Garden Party,Hyde Park,London,UK 18th July 1970

 Disc 1
  Recorder 1
   1. Blues
   2. The Embryo
   3. Green Is The Colour
   4. Careful With That Axe, Eugene
   5. Set The Controls For The Heart Of The Sun
   TOTAL TIME (38:38)

 Disc 2
  Recorder 2 * Master Reel Copy
   1. Intro.
   2. Green Is The Colour
   3. Careful With That Axe, Eugene
   4. Set The Controls For The Heart Of The Sun
   5. Atom Heart Mother
   TOTAL TIME (49:49)

 The Embryo [Disc 1,Track 2]
 
 Green Is The Colour [Disc 1,Track 3]
 

 Green Is The Colour [Disc 2,Track 2]
 
 Set The Controls For The Heart Of The Sun [Disc 2,Track 4]
 

 本商品の初回限定ナンバー入りステッカー付きには,短いながらも,同日の公演の映像をオーディエンス・ショットで収録した 『Hyde Park 1970 8mm Colour Film (Special Bonus DVDR)』 が付属しています.

 2015年5月3日に突如 Jochen Laschinsky氏 なる人物によりフロイド専門サイトにアップされた 8mm カラー映像で,昨年の夏頃に ギフト・アイテムHyde Park 1970 8mm Colour Film (Gift DVDR)』 として配布されていたものです.

 ピンク・フロイドのハイド・パークと言えば,上述したように,2014年 5月に,モノクロではあるもののプロ・ショット映像が 『Hyde Park 1970 (DVD)』 のタイトルでリリースされ驚きましたが,この 8mm 映像は,カラーのオーディエンス映像で,収録時間も 2分強と短いのですが,これはこれでネットにアップされた時には驚きでしたた.

 メーカー情報では
 『1970年のハイドパークで行われたフリーコンサート。本編プレス2CDは、その歴史的ライヴの模様を最高峰マスターで蘇らせた大傑作です。そのボーナスには、現場の光景を撮影した貴重なカラー映像をお贈りします。
 このハイドパーク公演には、モノクロの関係者ショットを収めたプレスDVD『HYDE PARK 1970』もあります(同タイトルですが、本編プレス2CDとは別です)が、本作はそれとは別。近年になって発掘されたカラーの8ミリフィルムなのです。全長2分14秒という短さではありますが、そのクオリティは特級。マスターフィルムからダイレクトにデジタル化したと思しき画質は、強烈な映像美。客席からの撮影なのですが、スタッフと思われる人物の赤いシャツの発色はまるで現場で直接見ているかのように鮮やかで、半裸で踊り狂うファンの揺れるブロンドは1本1本まで見えるかのよう。客席を分け歩く観客に至っては、シャツのシワまで超鮮明なのです。観客の話ばかりしてしまいましたが、もちろんFLOYDのメンバーたちの姿も鮮度バツグン。客席からの撮影だけに「表情まで分かる」とはいきませんが、日中の野外公演をサイケデリックな空間に染め変えていくリアリティは強烈です。
 正直なところ、演奏の様子としては激近関係者ショットで約40分も目撃できる『HYDE PARK 1970』に及ぶべくもありません。しかし、現場にたゆたっていた空気感覚・時代感覚はカラー映像の本作に勝るものはない。たった2分14秒ではあるものの、百聞は一見にしかず。プログレッシヴ・ロックの夜明けに立ち会っていた観客達の姿、新進気鋭のロックを収めようと撮影していたスタッフ、そして何より、PINK FLOYD自身が呼吸していた“時代の匂い”……憧れても手の届かない“1970年”を、百の言葉よりも雄弁に伝えてくれる超・貴重映像です。彼らの音楽をこの上なく蘇らせた本編プレス2CDと併せ、自宅を“1970年のハイドパーク”に変えてくれる1枚。今週末、あなたのお手元へお届けします。』

 Hyde Park 1970 8mm Colour Film (Special Bonus DVDR)
 
 Live AT Blackhills Garden Party,Hyde Park,London,UK 18th July 1970
 COLOUR NTSC Approx. 2min.
 

  Includes Cuts Of
   1. Blues Jam
   2. The Embryo
   3. Careful With That Axe Eugene
   TOTAL TIME (2:14)

 実際の映像は過去ブログ 『Hyde Park 1970 8mm Colour Film (Gift DVDR)』 に貼り付けてありますので,そちらを参照下さい.

[参考]
 June
         
  27 Bath Festival of Blues & Progressive Music '70, Bath & West Showground, Shepton Mallet, England
  28 Holland Pop Festival, Kralingse Bos, Rotterdam, The Netherlands (Stamping Ground, Film)

 July
  12 1st Open Air Pop Festival, Reiterstadion Soers, Aachen, Germany
  16 BBC Paris Cinema, Lower Regent Street, London, England (Peel Sunday Concert, BBC Radio 1, Broadcast 19 July)
  18 Blackhill's Garden Party - Hyde Park Free Concert, Hyde Park, London, UK
  26 XI Festival International de Jazz, Pinède Gould, Antibes Juan-les-Pins, France

 August
  01 Festival d’Aix-en-Provence, Parc de Saint Pons, Aix-en-Provence, France (Cancelled)
  05 Popanalia Festival, Autoroute De L’Esteral, Biot, France (Cancelled)
  08 Pop Festival Saint Raphael, Stade Municipal, St. Raphaël, France (Cancelled)
  08 Festival de St. Tropez, Les Caves du Roy, San Tropez, France (Pop 2, ORTF 2 TV, broadcast 10 & 24 October)
  12 Fête de St. Raphaël, L’Amphithéâtre Romain, Fréjus, St. Raphaël, France
  15 Yorkshire Folk, Blues & Jazz Festival, Krumlin, Barkisland, Halifax, UK (Cancelled)
  29 Open Air Festival Heidelberg, Thingstätte Amphitheatre, Heidelberg, Germany (Cancelled)
  31 Charlton Park, Bishopsbourne, near Canterbury, UK

 当日の写真(ネット上から拝借)
 
 
 
 
 

 Atom Hyde Park (Godfather Records GR 320)
 

[関連記事]
Hyde Park 1970 8mm Colour Film
 
Hyde Park 1970 (DVD)