またコアな企画物のアイテムのリリースです.(笑)

 レッド・ツェッペリンのオフィシャル映像 『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ 』 と,その昔ブートとして流出していた 『 The First Cuts 』 を統合した 『In For A Quick Garden (No Label) 』です.

 しかし,レッド・ツェッペリン人気は相変わらず凄いですねぇ.
 商品のリリース告知が出た翌日には
 『3/23 ★レッド・ツェッペリン「IN FOR A QUICK GARDEN」は予約完売致しました。』 って....

 この 『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ 』 は,1976年10月にニューヨークで公開され,翌年の1977年には日本公開.私も,当時新宿の劇場で観ました.

 逆に 『 The First Cuts 』 は,ブートとして1990年にリリースされ,当時,私も関内の diskunion にて購入.
 当時は関内の diskunion も現在の店舗より大きかったですね.


 本商品は完全にファン向けのアイテムで,映画 『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ 』 をライブ曲順通りに編集し直し,過去に同店より発売された ファン・エディション から,更に 『 The First Cuts 』 のビデオを使用している関係から,メーカー情報にもありますように "The Rain Song" のライブ公演シーンなどが増えています.
 ただ 『 The First Cuts 』 は,元々がビデオから落としたものなので,画質が落ちるのは否めません.
 しかし,かなりの力作であると言えます.

 メーカー情報では
 『レッド・ツェッペリンの映画「THE SONG REMAINS THE SAME」。
 これは、長い間グルーブ唯一のまとまったライブ映像として、有り難い存在であり続けた時代がありました。ZEPの場合、ライブ音源の方はLPの時代から膨大な数のリリースが生み出され、グループがリアルタイムに活動し続けていた時代ですら、驚くほどのアイテムが生み出されてもいました。その反面ライブ映像の存在が極端に乏しかった。最大の原因はZEPとマネージャーのピーター・グラントによる、メディア露出よりもライブ・ツアーへ圧倒的に力を入れていた活動スタンスにあります。同時期のディープ・パープルが驚くほどテレビに出演していたのとは対照的。パープルとZEPの両方が出演したテレビ番組と言えば、ドイツの「BEAT CLUB」だけです。おまけにZEPのライブ・シーンは長い間広まらず、出演からずっと後になって「Whole Lotta Love」のヒットを受け、「BEAT CLUB」側が以前の出演映像にヌード・ガールのダンスを織り交ぜたミュージック・ビデオ風映像だけしか見られず、これがまた「映像の限られたZEP」というイメージを強めることになってしまいます。結局、大本の出演映像(ファースト・アルバムから二曲を口パク)が世界的に見られるようになったのはここ十年のことでした。
 なぜここで「BEAT CLUB」を引き合いに出したのかと言いますと、ZEPのライブ映像は長い間これと映画「THE SONG REMAINS THE SAME」、後は「Communication Breakdown」と「Hot Dog」二曲のMV、そして懐かしのスーパーショウだけしか流通していなかったのです。オフィシャル・リリースである映画以外の映像をまとめると時間があまりに短いので、そこにライブ・エイドで時間稼ぎしたビデオがどれほど広まっていたことか…。あるいは細切れ過ぎて問題外の8mm映像。なおさらZEPのライブ全体をじっくり鳥瞰出来た「THE SONG REMAINS THE SAME」の存在が揺るぎないものとなり、それはありがたく観ていたものでした。

 ところがどうでしょう、今やオフィシャルから「DVD」という絶大なアイテムが生み出され(そういえば「Blu-ray」というバージョンアップは実現しないのでしょうか?)、それだけでも画期的だったのに、昔のビデオでは絵と音がまったく合わず、おまけに画質も劣化しまくりで見るに耐えなかった8mm映像が見事に整理され、オフィシャル・サイトから簡単に見られるというご時世です。この贅沢な状況の変化を受け、以前ほどありがたみが失せてしまったのが他でもない「THE SONG REMAINS THE SAME」です。
 この映画は元々「Concert And Beyond」という副題が表していたように、単なるライブ映画を超えたものである、という狙いがZEP側にはありました。この映画が撮影された1973年にアメリカで人気の絶頂を迎えていたグループがライブ終盤の様子を撮影して映画にする…これ自体は当然の成り行きでしょう。問題は演奏シーン以外の場面が(既に公開当初でさえ)ミュージシャンの演技の素朴さを超えたものではなく、MVがまだまだ発展途上だった時代ということを差し引いても、やはり垢抜けないものがありました。
 ペイジ以外のメンバー全員が家族を引き連れて参加したという点も「やりすぎ」感は否めず、またほとんどのメンバーのシーンが「イメージ」と呼ぶには稚拙な感がまた否めません。結局、普通の日常とスピード狂ぶりを映したボンゾのシーンがもっとも観るに耐える仕上がりになったのは当然でしょう。それだけならまだしも、マネージャーとスタッフ(=リチャード・コール)がギャングの演技(のようなもの)まで見せてしまったのだからいただけない。
 そうした演奏シーン以外の場面が風化してしまったことで、この映画の存在感は薄れてしまいました。そこで2007年にはボーナス映像を加えたDVDバージョンが作られましたが、それでも映画本編を作り変える訳にはゆきません(スターウォーズのDVD版のような改変が利かないのが音楽映画の厳しいところ)。こうした中でファンが望むのは、そうした「イメージ」シーンに惑わされず、純粋に、ストレスなく演奏シーンが見られるようになりたい…。しかも映画が収録されたマディソン・スクエア・ガーデン三日間の公演は、1972年から音楽性を変えたZEPが迎えた新たな時期における最初の到達点。この重要性はライブ音源が出揃い、同じ73年でも様々なライブが聴かれるようになった昨今だからこそ、なおさら力説されるようになったもの。
 
 そんなマニアの夢を叶えるべくして作られたのが「THE SONG REMAINS THE SAME : FAN EDITION」DVD。もちろんすべてをライブ・シーンに作り替えることは不可能ながら、演奏曲が大方の映像が出揃った状況を生かし、実際のライブの曲順でまとめあげた内容は世界中のマニアから感嘆と絶賛の声が上がったものです。あれから5年以上の歳月が経ち、遂にこの名作のアップグレード・バージョンが限定のプレスDVDにてリリースされることになりました!
 既に「FAN EDITION」の時点でもハイレベルな仕上がりでありましたが、それはまだ映画のフォーマットを保った作りでありました。ところが今回の編集コンセプト、それはさらに実際のライブを再現する映像集に近付けるということ。そもそもオープニングからして前回と今回では編集センスがまったく異なっており、前回が映画のオープニングを残した形で始まっていたのに対し、こちらはすぐにMSG会場映像へと切り替わるのです。それだでも今回の編集コンセプトがはっきりと理解してもらえることでしょう。

 もちろん今回もジョンジーの奥さんやジミーの老化を省くまでには至っていません。それでも例えば「No Quarter」の冒頭で登場する地下鉄のシーンをカットし、代わりに観客のショットに差し替えることでよりライブ映像らしい仕上がりとなっているのです。中も今回のハイライト言えるのが「Rain Song」。ここに演奏シーンが付け加えられることで、プラントのバイキング風イメージ・シーンが半分に減りました。そこで使われたのは「FIRST CUTS」というビデオに収録されていた同曲のアウトテイク・ショット。このビデオは当初映画の制作を依頼されて撮影まで担当しながら、編集の段階でZEPのメンバーと対立して解任されてしまったジョー・マソットが所有していたラフ・カットが元になっていると言われています。
 90年代初頭に細々と現れたこのビデオですが、パッケージがあまりに冴えなかったこと、それ以上に映画で見られた以上の収録曲がないことが災いして見過ごされていたもの。しかし、このビデオで見られたもっとも貴重な映像が「Rain Song」だったのです。そんな不遇なビデオを今になって使ってみせるセンス、これこそマニアを唸らせるものでしょう!90年代のハーフ・オフィシャル的なビデオを元にしているので、この部分になると画質が多少は粗くなるのですが、それ以上に演奏シーンが増え、プラントのチャンバラ(あえてそう表現します笑)が減った仕上がりには感動されること間違いなし。
 とにかく今回の「極力コンサートに関連した映像でまとめる」というコンセプトの緻密さと言ったら…。eckoesを名乗る人物による、プロも顔負けな編集ぶりには脱帽させられるばかり。「Dazed And Confused」が20分を過ぎたところで、あの警官に捉えられるファンの場面を短くして、それらしく見える演奏シーンをあてはめたセンスなども本当に見事なもの。
 元が分断されていた「Heartbreaker」が純粋に演奏を見聞きできるようになった編集は既に「FAN EDITION」でも見られたものですが、そこでは映画の冒頭、ツアーに向かう前のメンバーの映像を当てはめてしまったことが裏目に映った感があったのですが、今回はそこに同じ映画の前半部分ながら、ニューヨーク到着後の場面を使うことでより自然な映像にまとめ上げられました。そしてとどめは「FAN EDITION」で散見されたアフレコのずれなどまで、またしても緻密にアジャスト。もはや現状ではこれ以上望めないほどの仕上がり…それがプレスDVDによってじっくり見られてしまうとは。あの「FAN EDITION」を超える新たな感動で73年MSGのZEPライブを蘇らせてくれる夢のアイテムが今ここに!』

In For A Quick Garden (No Label)
 
 Three Night Of Concert At Madison Square Garden In New York City. July 1973
 The Song Remains The Same : Fan Edit
 PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 137min.

  1. Intro.
  2. Rock And Roll
  3. Celebration Day
  4. Black Dog
  5. Over The Hills And Far Away
  6. Misty Mountain Hop
  7. Since I've Been Loving You
  8. No Quarter
  9. The Song Remains The Same
  10. The Rain Song
  11. Dazed And Confused
  12. Stairway To Heaven
  13. Moby Dick
  14. Heartbreaker
  15. Whole Lotta Love
  16. The Ocean
  17. End Credits
  TOTAL TIME (137:04)

 収録されている映像の一部:The Rain Song
 

[参考]
当時の映画公開時のフライヤー


The First Cuts
    
 『The First Cuts』 に収録されている映像の一部