少し前にリリースが続いた,レッド・ツェッペリンのアイテムで,5月に購入したものす.

 1977年4月1日テキサス州はダラスのダラス・メモリアム・オーディトリウム公演を皮切りに,7月24日カリフォルニア州はオークランドのオークランド・アラバマ・カウンティ・コロシアム公演まで50公演に及ぶ1977年北米ツアーから,ツアー終盤に当たる 6月23日カリフォルニア州はイングルウッドのザ・フォーラム(:LAフォーラムとも呼ばれている)公演をオーディエンス収録したもので,アナログ時代から有名な 『For Badge Holders Only』 です.

 ザ・フォーラム公演は,6月21日,22日,23日,25日,26日,27日 と 6公演行われていますが,本作はその 3日目(:6月23日)の公演を収録したもので,初日公演を収録したものは 『Listen To This Eddie』 の名前で有名です.

 この 『For Badge Holders Only』 は,早い段階でブート化された事,当時としては音質が非常に優れていた点に加えて,ザ・フーのキース・ムーンが飛び入りと言うかゲストで,ドラム・ソロ:Moby Dick(:Over The Top)等で,20分前後競演している点でも,アナログ時代から有名なブートで,メーカー情報に記載されているように,ジョン・ボーナムを捲し立てて煽る模様が収録されています.

 参考に 『Keith Moon On Stage - Rare film - L.A. 6/23/77』 として当日の映像を貼り付けていますが,アンコールに出て来たロバート・プラントがドラムを遊びで叩き,キース・ムーンが MC を,と言う場面から,ジョン・ボーナムがタンバリンをキース・ムーンに渡し,"Whole Lotta Love" に入るシーン,続く "Rock And Roll" のエンディング部分では,ティンパニーを叩きまくるシーンを観る事ができます.
(ジョン・ボーナムは,お前はこれでも叩いていろ的な意味でタンバリンを渡したんでしょうね.(笑))
 奇行で知られるキース・ムーンですが,ここでは抑制が働いているようで,"Rock And Roll" のブレイクの部分でもバカな事はしていません.

 また,この日の ”Kashmir" は,開始後 2分13秒で,ジョン・ポール・ジョーンズが演奏を誤って漂流し始めますが,そこはツェッペリン強引に演奏を進めて軌道修正をしてしまい,無事着地させます.

 ちなみに今回は,アナログ落としで,アナログを忠実に再現したもので,まぁ,それが故に不要な部分(:最後の何の脈絡も無い "Ending" 部分,"Black Country Woman" の 2重収録)も収録されている感は否めません.(苦笑)

 メーカー情報では
 『ZEP 1977年の名盤と言えば「LISTEN TO THIS EDDIE」それに「FOR BADGEHOLDERS ONLY」が有名であり、どちらも77年ツアーのピークである LA6公演の前半から生み出されました。エディの方はもはや 77年の中でも最高の名演、あるいは伝説のテーパー、マイク・ミラードの代名詞となり、ZEPライブ音源の中でも上位に挙げられるほどの存在となっていますが、実は77年ツアーをいち早くリリースし、その超弩級パフォーマンスを知らしめたのはバッジホルダーズの方でした。
 そうです、バッジホルダーズの偉大な点として、エディはもとより、サウンドボード録音のデストロイヤーすら登場していない時代に生み出された77年ツアーからの名盤だったのです。このリリースは Dragonfly Records というレーベルでしたが、これは TMOQ系列のリリースだったと言われています。確かに70年代のLPアイテムならではのスリック・カバーに包まれたデザインがそれを偲ばせます。

 一公演が長大な 77年ツアーのステージをリリースすべく、二枚組の LP でしかも二パートに分かれてのリリースという形態も同様でしょう。しかもパート1のスリックには77年ツアーにおけるペイジの写真が使われていましたが、パート2に使われたプラントの写真は73年だったというのがこれまた 70年代らしいですよね。
 しかしこれら二つのアイテムに収録されたオーディエンス録音は音質が素晴らしく、しかも LA公演からの白熱した演奏を収録していたことと相まって、バッジホルダーズは77年ツアーの名盤という称号が与えられました。
 80年代に入ると先のデストロイヤーやエディが登場したことでバッジホルダーズの存在感がやや薄れてしまい、それが 90年代以降からはいよいよエディの名声が高まってゆきました。
 その原因はエディのぶっ飛びパフォーマンスもさることながら、何よりもバッジホルダーズの日の音源が恵まれなかったことにあるのでしょう。しかもミラードはこの日に限って前半数曲の録音に失敗(録音ボタンの押し違いだったと言われています)、あのミラード・クオリティでバッジホルダーズの日全編を聴けないことが決定打となってしまったように感じられます。
そうなると存在価値が残されたのがバッジホルダーズ LP。特にライブ序盤に関しては先の理由から LPに使われた音質を超えるオーディエンス録音が存在しないのです。それでいて LPの元になった音源もソース・レベルで出回っていない…そうなるとバッジホルダーズこと 6月23日の LA公演に関しては、ミラード音源をベースにし、そこへ LPやさらなる別音源を補てんした形の編集が主流となっています。マニアからしてみれば、ミラード音源よりも懐かしのバッジホルダーズ LP音質でライブの完全版を聴きたい…しかし元音源が出回っていない以上、それは不可能…そこに目を付け、バッジホルダーズ LPをメインとし、他の部分を別の音源で補うというアイテムがリリースされたこともありました。

 しかし意外とないのがバッジホルダーズLP自体を忠実に再現したアイテムです。というのも例の長大な 77年ステージ自体が LP泣かせの構成となっており、バッジホルダーズが二種類に分けたリリースという苦肉の策をとってもなおライブ完全収録には至らず、それどころか LPに収録する為に曲順をかなり変えた編集でまとめていたのです。このLPをベースにしたアイテムでも曲順は実際のライブに沿って直されていたので、逆にLPオリジナルの曲順というのが実に面白いもの。
 バッジホルダーズをリリースするに当たっては、オープニングの「The Song Remains The Same」から立て続けに演奏されるいつもの展開が、この日に限って同曲で一度演奏が止められたことが怪我の功名となっています。ペイジのダブルネック SGの弦が切れてしまったなど諸説ありますが、いずれにせよいつもの展開の代わりにここでプラントのMCが入ったおかげで、LPはその部分からの収録が可能となりました。もしこの日も通常の展開をみせていたとすれば「The Song~」の終盤や「The Rover」イントロがフェイドインする形で収録されたことでしょう。
 しかしライブ全体の長さはもちろん、各曲の演奏時間が肥大していたのが77年ツアー。案の定「No Quarter」は一枚のLPの中で分断され、アコースティック・パートのいくつかや「Achilles Last Stand」などはあえなくフェイドアウトさせられています。それでいながら同曲終了後にはラジオか何かから録られたと思われる劇からの台詞が収録されているなど、摩訶不思議な編集がまたLP時代のアイテムらしいところでしょう。しかもCDではこのパートなどがカットされており(ZEPと関係ないのだから当然ですが)、そんな不思議な編集やフェイドアウトの状態を知らない人が意外と多いのではと思われます。

 そこで今回は敢えてオリジナル LP二タイトルの内容を尊重し、懐かしの名盤を完全再現した限定のプレスCDリリースとなります。LPからの収録ということで生じるスクラッチ・ノイズを極力排除しながら、あくまでオリジナルLPの音質を活かしたCD化。ミラードの高音がきめ細やかな音質とはまた違ったウォーミーでアナログチックな音質がどっしりとした77年ZEPのライブサウンドを見事に捉えています。例の理由から分断されてしまった「No Quarter」を通しで聴けるのも便利。それに何よりも77年当時に音盤化された鮮度の良さは本当に素晴らしい!
 そして6月21日のぶっ飛びボンゾが二日経ってバンド全体とのバランスをも考えたかのようないい雰囲気で演奏している様子も聞き逃せません。相変わらず激しいドラミングではありますが、21日にはなかったようなきめ細やかなプレイが顔を覗かせているのです。そんなボンゾは曲間でプラントが喋る間にちょっかいを出しているのですが、それに対して彼が笑い声を上げながら「うるさいよ、ボンゾ」と返している和やかな場面も魅力です。ZEPのライブ音源において、これだけステージ上でプラントとボンゾの親密さが捉えられている点も大きな魅力。そんなハッスル・ボンゾの独り舞台「Over The Top」では何とキース・ムーンが登場し、ボンゾが叩いている最中でもまくしたてた挙句、ティンパニで共演するなど、21日と同じように77年ツアーの伝説となった場面も素晴らしい音質で再現してくれるのです。いくつかの不完全収録や「Black Country Woman」の重複収録といった昔のLPらしい編集内容も含め、伝説のバッジホルダーズLP本来の姿を手軽に楽しめるアイテムが登場します!』

For Badge Holders Only (No Label)
 
 Live At The Forum,Los Angeles,CA,USA 23rd June 1977
 Taken From Vinyl Bootleg "For Badgeholders Only"
    Part 1(2LP) & Part 2(2LP) (Dragonfly Records, LZ1234 & LZ7)

 Disc 1
  1. Intro
  2. The Rover Intro - Sick Again
  3. Nobody's Fault But Mine
  4. Over The Hills And Far Away
  5. Black Country Woman
  6. Since I've Been Loving You
  7. Ten Years Gone
  8. Battle Of Evermore
  9. Going To California
  10. Black Mountain Side
  11. Kashmir
  12. Trampled Underfoot
  TOTAL TIME (75:42)

 Disc 2
  1. Stairway To Heaven
  2. Whole Lotta Love
  3. Rock And Roll
  4. No Quarter
  5. Black Country Woman
  6. Bron-Y-Aur Stomp
  TOTAL TIME (57:49)

 Disc 3
  1. Out On The Tiles
  2. Moby Dick
  3. Guitar Solo
  4. Achilles Last Stand
  5. Ending
  TOTAL TIME (43:37)

 The Rover Intro - Sick Again
 
 Kashmir
 
 Bron-Y-Aur Stomp
 
 Moby Dick
 
 Ending
 
 


 本商品の初回ナンバー入りステッカー付きに限って.1977年7月17日のワシントン州はシアトルのキングドーム公演をプロ・ショットで収録した 『Seattle Kingdome 1977 (Special Bonus DVDR)』 がボーナス・アイテムとして付属しています.

 映像自体は割りと定番なのですが,メーカー情報によれば,過去最良のプロショット映像で収録とありますが,確かに過去出回っている映像と比較すると,良くなっています.

 メーカー情報では
 『1977年北米ツアー3rdレグから、初日となる7月17日ワシントンはシアトル公演をプロショット収録。毎度おなじみの定番映像ですが、今回、ロージェネレーション・マスターを使用し Stairway To Heaven、Whole Lotta Love、Rock and Roll の 3トラック 18分(Stairway~からWhole Lotta Loveまでの、約8分に亘るオーディエンス部分は未収録)を収録。
 とにかくジェネレーションの差は明らかで、既発にみられた色の滲み等、終始ぼやけた感じは全くと言って良い程感じられません。(残念な事にマスターに起因する帯状の線が所々でみられます。)サウンドも嬉しい事にアップ・グレードしており、この素晴らしい映像を、エッジの効いた理想的な音像が見事に演出します。
 Stairway To Heave では、ギター・ソロの辺りからラストまでのクリアすぎる画像が圧巻で、特にペイジの手元のアップ、ヴィビッドな赤の照明を主体とした中でのジョンジー、ボンゾの珠玉のプレイを鮮やかに写し出します。(1:08、6:00でノイズが入ります)Whole Lotta Loveでは、プラントの一際目立つアップの美しさ、(0:04でノイズ)Rock and Rollでのメンバー全員がこれでもかとリアルに写し出されるダイナミックな映像には完全にノック・アウトされる事でしょう。なんとも 3トラックのみというのが残念ですが、(Stairway To Heavenの頭が、既発にはみられないアナログ的な縒れた状態で収録されて入る為、このソースでの完全盤はおそらく存在しないと思われます。)過去最高の鮮度をもってパッケージしたファン必携のシアトル公演がボーナスタイトルで登場です。』

Seattle Kingdome 1977 (Special Bonus DVDR)
 
 Live At Kingdome,Seattle,WA,USA 17th July 1977
 PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 19min.

 

  1. Stairway To Heaven
  2. Whole Lotta Love
  3. Rock And Roll

  




[参考]
Keith Moon On Stage - Rare film - L.A. 6/23/77
 

For Badgeholders Only Part 1 (2LP) (Dragonfly Records, LZ1234)
 
For Badgeholders Only Part 2 (2LP) (Dragonfly Records, LZ7)
 

For Badgeholders Only (Rockwrok RW 3301 - 3303)
 
For Badge Holders Only (Singer's Original Double Disk SODD 088 -090)
 
For Badge Holders Only (Wendy wecd-74 - 76)