何時もの事ながら,西新宿はダイカンプラザ 9F某店で 2組商品を購入すると貰えるギフト・アイテムで,エマーソン・レイク&パーマーの 『Pictures At An Exhibition Rehearsals (Gift CDR)』 です.
 
 本ギフト・アイテムの元ネタとなっているのは,今年の 2月10日に Doctodavros氏 なる人物が,突如ネット上にアップした 『1970-00-00 Pictures Rehersals Unknown Venue』 なるタイトルの音源で,私も今まで聴いた事の無い音源でした.
 特にメーカー情報にもあるように,後半に入っているオーケストレーションを使用した演奏テイクは貴重で,全体を通しても重要な音源と言えるでしょう.

 元々,収録された場所も日時も不明な音源で,アップロードした Doctodavros氏は,1970年末としていますが,メーカー情報にあるように,1971年の早い段階のものかも知れません.

 音質的には決して悪くは無いのですが,パンチに欠ける音質です.元々ネット上にアップされた音源は少し篭った感があったのですが,その部分はマスタリング等により少し改善されています.

 メーカー情報では
 『驚愕の初登場音源を収録。ネットを通して突如出現した「展覧会の絵」のスタジオ・リハーサル・テイクです。「展覧会の絵」の公式ライヴテイクそのものは1971年3月26日のイギリスはニューキャッスル公演で、同時期の公式ライヴ映像は1970年12月9日のロンドン・ライシアム公演です。
 本テイクは実際のライヴではないものの、スタジオにおけるドレス・リハーサル用で、録音を意識してなのか、本番同様に気合の入った完成度の高い演奏を延々と繰り広げています。時期的には1970年の後半なのか、年が明けてからのものなのかは不明なのですが、演奏のクオリティの高さと公式版を彷彿とさせるアレンジの細かさからして、3月のUKツアー時における「実際のライヴ録音を想定して」のフル演奏だったのではないでしょうか。

 ネットにアップしてくれた人の情報を読むと、80年代にオーストラリアのコレクターのリストに本音源があったとのことですが、その正体そのものは不明です。
 聴いてみると、明らかにレコードから落とされているスクラッチノイズがあり、A面に相当するテイクとしてはカットインで始まる Promenade 後半から Blues Variation 前半まで(同曲の2分40秒付近まで)、B面に相当するテイクは、Blues Variation 後半の5分からそのまま(ライシアム映像のように)ノンカットで Promenade で収録されており、The Curse Of Baba Yaga 後半でフェイドアウトと言う内容です。よってリプライズされる The Hut Of Baba Yaga や The Great Gates Of Kiev は未収です。

 そもそもこの内容のブートレッグ・レコードは無かったので、不思議な音源です。音質は公式で録った割にはこじんまりしており、ピッチも全体的に低く不安定でした。本盤ではピッチを正確に補整し、もこもこ感を削り、よりクリアーで聴きやすい音にしました。
 非常に重要な音源ですので、これならプレスCDでもいけるのではないでしょうか。是非、聴いてみて下さい。演奏自体は前述の通り、かなりニューキャッスル公演のライヴアレンジに似ており、時期的に演奏内容に差が出る The Gnome 等は殆ど同じ(細かいところは全然違いますが)。The Old Castle でのリボンコントローラーの演奏が全く違うのは当然ですが、インプロヴィゼーション主体の Blues Variation や The Curse Of Baba Yaga のソロなどは公式版とは全く違うオルガン&シンセソロが聴き応え満点です。面白いのは冒頭の Promenade で、公式版同様に会場備え付けのパイプオルガンで弾いている音に聴こえ、更にエマーソンがキーボードセット内に駆け込む時間稼ぎとしてカールがドラムロールする長さが公式版とほぼ同じですので、憶測ですが、これは公式録音前のニューキャッスルでの会場リハーサルではないのでしょうか(当然ですが、Blues Variation #2 では公式でも聴けるビル・エバンスの Interplay も登場します)。
 勿論、全てが推測の域を出ませんが、とにかく、これまで誰も聴いたことのない「展覧会の絵」オルタティト・ヴァージョンは間違いなく全てのELPファン必聴です。

 これだけでファンにとってはここ10年間の最大級の驚きなのですが、これまた興味深いボーナストラックが後半に収録されています。「展覧会の絵」冒頭を飾る Promenade / The Gnome / Promenade の、オリジナル・キーボードデモヴァージョンが2種入っているのですが、これが「The Return Of The Manticore」でのスタジオ版「展覧会の絵」等を作成する際の超アーリー・ヴァージョンのひとつ…かどうかは不明です。Demos #1 と Demos #2、ともにやろうとしていることは一緒で、大筋のアレンジも一緒です。Demos #1 の方がややシンプルな音色で作製されているようです。The Gnome の冒頭のキーボードでリズムを取るアレンジは珍しいと言えるでしょう。途中からリズムマシンを入れて、映画「Jaws」並みの派手なリズムで、独特のオーケストラレーションが聴けるため、なかなか面白いテイクと言えるでしょう。

 ヒスノイズが部分的に大きく被ったりもしますが、この2テイクはステレオ・サウンドボード録音で収録されているので、聴きやすいです。
 約38分に渡って楽しめる全てのELPファン必聴の、近年・最強の最重要テイクです!!』

Pictures At An Exhibition Rehearsals (Gift CDR)
 
 Pictures At An Exhibition Rehearsals Recorded In Early 1971

  1. Promenade
  2. The Gnome
  3. Promenade
  4. The Sage
  5. The Old Castle
  6. Blues Variation #1
  7. Blues Variation #2
  8. Promenade
  9. The Hut Of Baba Yaga
  10. The Curse Of Baba Yaga
  [Demos #1]
  11. Promenade
  12. The Gnome
  13. Promenade
  [Demos #2]
  14. Promenade
  15. The Gnome
  16. Promenade
  TOTAL TIME (37:39)

 Promenade
 
 The Gnome
 
 Promenade
 
 The Sage
 
 
 Promenade [Demos #1]
 
 The Gnome [Demos #1]