1971年5月に英国,6月に米国で発売されるセカンド・アルバム『タルカス (Tarkus)』に合わせて,サウスカロライナ州グリーンヴィルのタイル・ユニバーシティー公演を皮切りに行われる北米ツアーから,6月19日カリフォルニア州ロサンゼルスのハリウッド・ボウル公演をオーディエンス収録したものです.

 既発では Highlandレーベルから『At Hollywood Bowl (Highland HL556)』としてリリースされていますが,今回は 2014年の技術でリマスターしたとの事です.

 メーカー情報の beatleg誌 のレビュー内容から,昔から相応に高音質だったと思いますが,Hightlandレーベルの音源は保有していないので,比較のしようがありません.ただ単純に,本CDを聴くと確かに高音質である事は判ります.
 音のバランスも良く,何よりオーディエンス・ノイズが殆ど無く,オーディエンスの拍手が,遠くに聴こえるので,特別な場所で収録されたものなのでしょう.
 これは,ファンならば,特典なしでも買いだと思います.

 メーカー情報では
 『1971年、ELPは4月から9月頭にかけて大規模な北米ツアーを展開、この地での人気を不動なものにしますが、本盤は「Tarkus」のアメリカでのリリースのちょうど1か月前にあたる時期、7月19日のLAはハリウッド・ボウル公演をマスター・クオリティを確信させる、怒涛の超高音質オーディエンス録音で収録しています。現状、これ以上の音質テイクは無しと言われている1st Genマスターを、2014年の技術で丁寧にリマスター収録。
 
 このマスター音源は最高音質ながら前半の Take A Pebble の7分強でカットがあり後半が未収になっているところが失点と言えます。本テイクでもそれは同じで、Take A Pebble のピアノソロのあと、エマーソンがピアノの弦で「第3の男」のテーマを弾き、その後、グレッグがアコースティックソング・パートに入ったところでテープがブツ切れしています。今回のリマスターでは、そのカットポイント前後で感触が違っていたのをそれぞれ適宜補正。前半は弱かった低音部を自然に補強、Tarkus 以降は右チャンネルのみ不足していた高音を足したリマスターを行っています。全体を覆っていたヒスノイズも全て適度に調整、間違いなく、本テイクのベスト・ヴァージョンを実現しています。

 本音源が初登場した2001年の beatleg vol.16号 のレビューを見ますと、「音質は当時の機材で収録できる最高レベルと言って良いだろう。高域・低域ともに良く録れており、また野外公演ということもあってライン録音のような音像である。」と評されており、本盤は、それを更にスケールアップした音質で収録されていることを考えると、これはもうまさに、絶頂期ELPのステージを最高音質で捉えたベストブートレッグ盤と断言して良いでしょう。音の定位、艶、鮮度、バランス、全てが満点の音源であり、Take A Pebble 後半のカットさえなかったら、オフィシャル・リリースも可能な程の内容になっています(大元のマスターテープに起因するドラムソロの6分25秒目からの約25秒間の劣化も残念!)。

 ボーナスに同年8月12日のカナダはオンタリオ公演で演奏された貴重なレアテイク A Time And A Place を追加収録。
 こちらも既発「Riders On The Storm」に収録されていたテイクと同じですが、より鮮度の良い抜けの良いヴァージョンを採用しており、その音質の差は歴然です。最高レベルのオーディエンス録音でお馴染みの1971年6月20日のロンドンをも上回る、ELP史上最強・最高音質で録音された、全てのロック・ファン必携の一枚が、好評VirtuosoレーベルよりプレスCDリリース決定です。』

Definitive Hollywood Bowl 1971 (Virtuoso 207)
 
 Live At Hollywood Bowl, Los Angeles, CA. USA 19th July 1971
 [Bonus Track]
 Live At Stanley Park, Toronto, Ontario, Canada 12th August 1971

  1. Intro.
  2. Moog Tuning
  3. The Barbarian
  4. Take A Pebble
    [Tarkus]
  5. Eruption
  6. Stones Of Years
  7. Iconoclast
  8. Mass
  9. Manticore
  10. Battlefield
  11. Aquatarkus
  12. Knife Edge
  13. Rondo
  14. Drum Solo
  15. Rondo (Reprise)
  16. Nutrocker
    [Bonus Track]
  17. A Time And A Place
  TOTAL TIME (73:10)

 Take A Pebble
 

 本商品には,以下の二特典が付属しています.

 一点目 は,初回プレス分に限ってとなりますが,本ハリウッドボウル公演と同じ1971年第一次北米ツアーより,5月26日のニューヨークはカーネギー・ホール公演をオーディエンスで73分に渡って収録した「Carnegie Hall 1971 (Bonus CDR)」が付属しています.このカーネギー・ホール公演も有名な公演の一つで,過去に Ayanamiレーベルから「Carnegie Hall 1971 (Ayanami-247)」としてリリースされていましたが,今回ボーナスとして付属しているので,本音源を持っていない人には有難いところでしょう.

 後述の「A Time And A Place (Special Bonus CDR)」より音質も,バランスも良く,曲間カットもありませんが,テープ反転によると思われるカットが "Take A Pebble" の終盤部分あり,また然程気にはなりませんが "Knife Edge" の導入部も変な繋ぎらしきものがあります.
 メンバー紹介の MC の後,キース・エマーソンが,モーグ・シンセサイザーを用いたデモ的(チューニング)なフレーズと音を奏で,破壊的な "The Barbarian" に継続する部分は鳥肌もので,この時期しか聴けない,オフィシャルに殆ど忠実な "Tarkus" も,ある意味新鮮に感じます.そして,この時期公演終盤に演奏される "Rondo" での観客の興奮している様子が手に取るように判ります.

 メーカー情報では
 『本編プレスCDのハリウッド・ボウル公演と同じ1971年第一回目の北米ツアーより、5月26日のニューヨークは名門、カーネギー・ホールでの公演を73分に渡ってマスター・クオリティを確信させる高音質オーディエンス録音で収録。
 トレーダー間で流通していたヒスノイズが大きめな極悪音質のライヴ盤とは一線を画するハイレベルな高音質で収録されています。オリジナルが旧 Ayanamiレーベルより初めてリリースされたとき beatleg誌(vol.39)でも「本盤に使用された音源は、マスターに極めて近い世代のコピーが使用されたと思われ、音質はこれまで流通していたものとは比較にならないほど向上している」と高い評価を受けた名音源です。
 まだこの公演のタイミングでは「Tarkus」は正式リリースしておらず(イギリスが6月、アメリカが8月)、エマーソンではなく(珍しく)レイクによるMCで「次のアルバムに収録される曲…」と紹介されています。アレンジは正規盤に忠実で、徐々に長大になっていく「Aquatarkus」もこの時点では非常に短いのが特徴です。「Rondo」は演奏開始後に Emerson の機材に何らかの問題が生じたのか、構成が滅茶苦茶になるが何とか強引に立て直していく様子は聴いていて非常にスリリング。
 前述のbeatleg誌でも「ファン必携盤」と強く推薦された隠れた名盤・名音源が、最強のハリウッド・ボウル公演と同時に復活リリース決定です!』

Carnegie Hall 1971 (Bonus CDR)
 
 Live At Carnegie Hall, New York City, NY, USA 26th May 1971

  1. Intro.
  2. The Barbarian
  3. Tarkus
  4. Take A Pebble (Incl. Piano Improvisation)
  5. Knife Edge
  6. Rondo (Incl. Drums Solo)
  7. Nutrocker

 Take A Pebble (Incl. Piano Improvisation)
 



 二点目 は,ナンバー入りステッカー付きに限ってとなりますが,「Tarkus」リリースに伴う,1971年第二次北米ツアーから,8月12日カナダはオンタリオ州トロントのスタンリー・パーク公演をオーディエンス録音で71分に渡って収録した「A Time And A Place (Special Bonus CDR)」が付属しています.

 本公演は,"A Time And A Place" が演奏されている事で,貴重かつ有名な公演であり,過去に Ayanamiレーベルからも同ジャケット,同タイトル「A Time And A Place (Ayanami-253)」でリリースされていましたが,今回ボーナスとして付属しているので,本音源を持っていない人には有難いところでしょう.

 マスター・テープの劣化が相応にあり,音がよれます.
 曲間のオーディエンスの拍手等が,意図的にテーパーによりカットされており,メーカー情報にもあるように "The Barbarian","Knife Edge","A Time And Place" の頭はカット・インでスタート,また "Tarkus" での導入部でのカットがあります.ここでの "Tarkus" は演奏が良いだけに残念です."Take A Pebble" のグレッグ・レイクのアコースティック・パートで,機器不調の関係か,音が徐々に小さくなり消えますが,機転を利かせたキース・エマーソンがピアノ・ソロで乗り切る場面も,ある意味ブートだから楽しめる記録です.

 メーカー情報には,高音質と記載されており,確かに当時の録音を考えれば,高音質で収録されていると言えますが,最近のブートを聴き慣れた人にとっては,マスター・テープの劣化も伴って,このこの音質は中々厳しいかも知れません.(苦笑)

 メーカー情報では
 『セカンドアルバム「Tarkus」リリース時に行われた第二次北米ツアーより、8月12日に行われたカナダはトロント、スタンリー・パーク公演を高音質オーディエンス録音で71分に渡って収録。
 The Barbarian はカットインでスタート。最初はテープ劣化による音のよれがありますが、スタートして20秒程で改善します。以降は音質もこの当時の録音としては上々のクオリティで最後まで聴き通すことできます。
 Tarkus 冒頭では録音者の誤操作による一瞬の切れが残念。(これはマスターテープによるものです。)
 Take A Pebble では4分台のアコースティック・ギターの出音が小さく、それも突然途切れてしまいます。ステージの様子に気づいた観客も応援の歓声を上げていますが、エマーソンが突如ラグタイム風のピアノソロを披露し、その場を乗り切ります。アクシデントながら、楽しい聴きどころと言えるでしょう。8分台でお馴染みのTankのクラヴィ演奏を披露しますが、これまたトラブルなのか、いきなり生ピアノに切り替えると言うスリリングなエマーソンのパフォーマンスが楽しめます。逆にこの部分の全体の熱い演奏はかっこよく、非常に楽しく聴けます。後に Tiger In A Spotlight で借用されるロックンロール風のピアノリフも素晴らしいグルーブに満ちています。
 壮絶な Rondo の後には、ライブでは非常に珍しい A Time And A Place をこれまた高音質収録。レイクの絶叫ボーカルも迫力ある音で録れており、やはり本盤が名音源・名録音であることを確信させられます。ファン絶対必聴の一枚です!』

A Time And A Place (Special Bonus CDR)
 
 Live At Stanley Park, Toronto, Canada 12th August 1971

  1. The Barbarian
  2. Tarkus
  3. Take A Pebble
  4. Knife Edge
  5. Rondo (Incl. Drums Solo)
  6. A Time And A Place
  TOTAL TIME (70:42)

 Knife Edge
 

[参考]
 

タルカス(紙ジャケット仕様)




 At Hollywood Bowl (Highland HL556)
 
 Carnegie Hall 1971 (Ayanami-247)
 
 A Time And A Place (Ayanami-253)
 

1971 1st, 2nd & 3rd North American Tour Dates

 1st
 April
  21 Theil University, Greenville, SC, USA
  23 Easttown Theatre, Detroit, MI, USA
  24 Easttown Theatre, Detroit, MI, USA
  25 The Spectrum, Philadelphia, PA, USA
  28 Sullivan County Community College, NY, USA
  30 Fillmore East, New York City, NY, USA
    (with Edgar Winter & Curved Air)
 May
  01 Fillmore East, New York City, NY, USA
    (with Edgar Winter & Curved Air)
  02 Shea Theatre, Buffalo, NY, USA 
  11 Guthrie Theatre, Minneapolis, MN, USA
    (with Mott the Hoople)
  19 Kiel Opera House, St. Louis, MO, USA
    (with Mott the Hoople)
  26 Carnegie Hall, New York City, NY, USA
  28 Upsala College, East Orange, NJ, USA
  29 Hatch Memorial Shell, Boston, MA, USA
  30 Possibly Bucknell University, Lewisburg, PA, USA

 2nd
 July
  17 Sports Arena,San Siego,CA,USA
  18 Berkley Community Center,Berkley,CA,USA
  19 Hollywood Bowl, Los Angeles, CA, USA
    (with Edgar Winter and Humble Pie)
  22 Place de Nation, Montreal, QC, CANADA
  23 Argadone, Vancouver, BC, CANADA
  24 Paramount Theatre, Seattle, WA, USA
  25 Paramount Theatre, Portland, OR, USA
  30 Music Hall, Houston, TX, USA
  31 Municipal Auditorium, San Antonio, TX, USA

 August
  04 Municipal Auditorium, Atlanta, GA, USA
  06 Pirates World, Dania, FL, USA
  07 Pirates World, Dania, FL, USA
  09 Hollywood Sportatorium, Miami, FL, USA
  10 Hollywood Sportatorium, Miami, FL, USA
  12 Stanley Park Stadium, Toronto, ON, CANADA
  13 Place des Nations, Montreal, QC, CANADA
  14 NJ Convention Hall, Asbury Park, NJ, USA
  18 Syracuse Auditorium, Syracuse, NY, USA
    (Featuring ELP & Edgar Winter's White Trash)
  19 Peace Bridge Center, Buffalo, NY, USA
  20 Dayton Hara Arena, Dayton, OH, USA
  21 Transit Auditorium, Chicago, IL, USA
  22 Stanley Theate, Pittsburgh, PA, USA
  24 Wonderland Gardens, London, ON, CANADA
  25 The Opera, National Arts Center, Ottawa, ON, CANADA
  28 Public Auditorium, Cleveland, OH, USA
  30 Bushnell Auditorium, Hartford, CT, USA
  31 Alexandria Roller Rink, Alexandria, VA, USA

 September
  01 Gaelic Park, Riverdale, NY, USA

 3rd
 November
  12 Music Hall, Boston, MA, USA
    (Free Concert)
  13 The Spectrum, Philadelphia, PA, USA
    (with YES)
  14 Transit Auditorium, Chicago, IL, USA
  15 Eastown Theatre, Detroit, MI, USA
    (with YES)
  20 The Warehouse, New Orleans, LA, USA  
  20 Municipal Auditorium, Atlanta, GA, USA
  25 Madison Square Garden, NYC, NY, USA
    (with J GEILS BAND)
  26 Civic Arena, Pittsburgh, PA, USA
  29 Lyric Theater, Baltimore, MD, USA