1972年7月22日(土)の後楽園球場における,エマーソン・レイク&パーマー初来日公演の模様を収録した最長版が Virtuosoレーベルより,プレスCDとしてリリースされました.

 1971年7月17日(土)のグランド・ファンク・レイルロードの後楽園球場での公演から粗 1年.2回目の後楽園球場でのロック公演となった 7月22日のエマーソン・レイク&パーマーの初来日公演.
 当日は,オープニング・アクトがフリーという非常に豪華な公演で,東京12チャンネル(:現 テレビ東京)が,中継と録画でTV放映した事でも有名です.

 野外,および台風接近に伴う雨という悪コンディションにも関わらず,全体的にコンパクトにまとまった,素晴らしい演奏を披露しています.

 メーカー情報では
 『完全初登場パートを含む、1972年7月22日後楽園球場公演のサウンドボード最長収録盤がプレスCDで登場です。
 この公演は当時、民放テレビ放送で生中継され、その夜、再放送も行われましたが、本盤はマスターは放送テイクと同じながら、そこには未収だったパートも含む最長のラインテイクでコンサートを67分39秒に渡って収録しています。

 まず、最重要なポイントとして、放送版未収だった Take A Pebble 前のエマーソンの MC から曲冒頭部分がライン録音で収録されていること(放送では歌の1番の「my face still so gently…」あたりからカットイン)。この部分は1分15秒程ですが非常に重要なテイクです。更に放送ではドラムソロからの収録だった Rondo の4分間の前半部分が史上初めてライン録音で出現したことです。これだけでもファンは絶対に入手しなければならない最重要な1枚であることが容易にお判りになられるのではないでしょうか。

 元は当時の関係者から入手したカセットテープなのですが、ここには後楽園の放送用ライン録音が、どういう意図かベストテイク集のように細切れに収録されていたのです。
 収録されていたのは冒頭のサウンドチェック(ここにテレビのようにアナウンサーの声(提供会社の紹介)が被らない)と Tarkus が冒頭から10分50秒程(ここでカットアウト)、初登場となる冒頭を含む Take A Pebble ~ Lucky Man まで、Pictures At An Exhibition と Rondo のそれぞれ完全収録。
 元は90分テープの片面でトータルタイムは45分38秒。ですので、それ以外の部分のライン録音は全てテレビ放送音源から追加してライン録音全長版に仕上げてあります。今回、新たに発掘されたライン録音テープに未収で放送では収録されていたのは時間にして22分。楽曲的には Hoedown 全てと、Tarkus の Manticore の40秒目以降からラストまで。Take A Pebble のピアノソロ後半からエンドまでは、録画放送を収録したビデオ音声から繋ぎ、疑似最長版収録に仕上げてあります。実際は冒頭のサウンドチェック音のパートは約30秒間の収録で、これもカットアウトで切れてしまっているわけですが、テレビ放送ではここで「この番組はグレコギター、世界を結ぶ日本の翼・日本航空」と言う言葉が被っていますが、今回のテイクにはこのアナウンスが被っていません。よって以降のビデオ音声と繋げると、「明治製菓と、ライオン油脂の提供でお送りいたします。」だけがアナウンスで出現するという、「グレコギター&日本航空の紹介無しヴァージョン」を聴くことができます。マニア以外には「そんなの聞いてどうするの?」と言った箇所でしょうが、本来被っていたものが一部とはいえ、全くない放送前のテイクであると言うのは、結構新鮮です。前述の通りテープには Hoedown は未収だったので、ここもテレビ放送テイクを使用するしかないので、お馴染みの「ハイこんばんわ、こんばんわ八木ちゃんです。聴こえますが、ニッキ―です。今、僕たち二人は後楽園に来ていますが、今、その後楽園では素晴らしいことが起こっています!」というお言葉も勿論入ってしまっていますが、ここはそういうものだと思えば、これはこれで楽しく聴けてしまいます。何であれ、42年ぶりに初登場した72年日本公演ライン録音のパーツは、短いながらもファンは絶対に必聴でしょう。勿論、マニア・オンリーのニッチな企画ではありますが、ファンは間違いなく必聴・必携。』

Korakuen Stadium 1972 (Virtuoso 200)
 
 Live At Korakuen Stadium, Tokyo, Japan 22nd July 1972

  1. Introduction
  2. Hoedown
    [Tarkus]
  3. Eruption
  4. Stones Of Years
  5. Iconoclast
  6. Mass
  7. Manticore
  8. The Battlefield (Incl. Epitaph)
  9. Aquatarkus
  10. Take A Pebble
  11. Lucky Man
  12. Piano Improvisation
  13. Take A Pebble(reprise)
    [Pictures At An Exhibition]
  14. Promenade
  15. The Hut Of Baba Yaga
  16. The Curse Of Baba Yaga
  17. The Hut Of Baba Yaga
  18. The Great Gates Of Kiev
    [Encore]
  19. Rondo
  20. Drum Solo
  21. Rondo(Reprise)
  22. Finale
  TOTAL TIME (67:39)

 Take A Pebble
 

 Rondo
 

 本商品には,以下の二特典が付属しています.
 両方とも,過去に商品付属のボーナスやギフトで配布されていたものなので,個人的には両方持っており面白みは無いですが,未だお持ちでない方は,このエマーソン・レイク&パーマー初来日 3点セット(CD+ボーナス 2点)は,買いだと思います.

 一点目は,初回プレス分のみの付属ですが,同日の後楽園球場公演の東京12チャンネルによるテレビ放送版(生中継と当日夜に録画放送された 2テイク)を収録した「Rock Explosion Special (Bonus DVDR)」です.

 メーカー情報では
 『1972年7月22日、東京・後楽園球場でのライブのテレビ放送映像のアップグレード・ヴァージョンを73分に渡って収録。
 当時、民放テレビで生中継され、同日夜中に再度、未放送分を含めて放送されたその 2テイク全てを収録。
 冒頭「4万人大集会 於:後楽園球場」というテロップが時代を感じさせてくれますが、今見ても、1972年に日本で放送された生中継ロック・コンサート映像としては驚くほどのクオリティであり、当時、放送に関わったスタッフのセンスと技術には改めて驚かされます。
 ビデオをマスターとしているため、途中、ヨレやトラッキングノイズが入ったりもしますが、画質・音声ともに非常に優秀です。冒頭には故糸居五郎氏の「じゃあお待ちどうさま!エマーソン・レイク&パーマー」のアナウンスも収録されています。冒頭の「今、僕達二人(八木ちゃんとニッキー)は後楽園に来ていますけど、後楽園球場では凄い事が起こっています!」という絶叫と、チューニングが狂いまくったムーグがインパクト抜群。
 生中継ゆえに、元々用意してあった Tarkus のサブタイトル曲名が実際の展開と全く合っていないのはご愛嬌。冒頭 Hoedown の冒頭でムーグが完全にチューニングが狂っているのにはずっこけますが、演奏は総じて素晴らしく、3人のロックスター然としたルックスやアクション、そしてまるで漫画の主人公達のような、この世の者とは思えない程のカッコよさは凄いものがあり、当時、この放送を生で見た関東圏の人たちのショックは相当なものだったことでしょう。
 Battlefield の歌の途中でグレッグが「Confusion!」と Epitaph の一節を歌い、一瞬の間のあと、観客がどよめく所はなかなかリアルで感動的です。Piano Improvisation の途中に「ロック・エクスプロージョン・スペシャル…このあと11時35分より午前1時まで、「二大ロック・真夏の激突」と題して、フリーとEL&Pを中継録画でお送りします。」とのテロップが流れます。「展覧会の絵」の途中でエンドテロップが流され、"NOW 7時55分"、"10時35分につづく"と手書きの時計の絵が出てきます。Rondo では、若きカールの口に鐘の紐を加えての壮絶なドラムソロ、更に直後にはエマーソンが日本刀を持っていきなり登場、ハモンドに突き刺すという、迫力あるシーンを見ることができます。
 ラストにはインタビューシーンも収録。ロックが本当にロックであった時代の最高のサンプル映像と言えるでしょう。当時のムードをリアルに体感できる、全ての70's 洋楽ファン必携・必見の一枚です。新装ジャケ&オリジナル・メニュー付きで登場です。』

Rock Explosion Special (Bonus DVDR)
 
 Live At Korakuen Stadium, Tokyo, Japan 22nd July 1972
 PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 73min.

 

  1. Intro.
  2. Hoedown
    [Tarkus]
  3. Eruption
  4. Stones Of Years
  5. Iconoclast
  6. Mass
  7. Manticore
  8. The Battlefield (incl. Epitaph)
  9. Aquatarkus
  10. Take A Pebble
  11. Lucky Man
  12. Piano Improvisation
  13. Take A Pebble (Conclusion)
    [Pictures At An Exhibition]
  14. Promenade
  15. The Hut Of Baba Yaga
  16. Drum Solo
  17. Rondo
    [Pictures At An Exhibition]
  18. Promenade
  19. The Hut Of Baba Yaga
  20. The Curse Of Baba Yaga
  21. The Hut Of Baba Yaga
  22. The Great Gate Of Kiev
  23. Interviews

 ジャケ違いではありますが,実際の映像は過去ブログ「Rock Explosion Special (Bonus DVDR)」に貼り付けてあるので,参考にしてください.

 二点目は,ナンバリング・ステッカー付きに限っての付属ですが,1972年7月の初来日時に収録・ラジオ放送された貴重な 3人のインタビューテイクを収録したボーナス・ディスク「Interviews In Tokyo 1972 (Special Bonus CDR)」です.

 メーカー情報では
 『1972年7月の初来日時に収録・ラジオ放送された貴重な3人のインタビューテイクを収録。DJは「ベストヒットUSA」でお馴染みのVJの方で、堪能な英語でメンバーにインタビューを行っています。
 番組は氏が DJ を務める洋楽専門ラジオ番組「サウンド・フリー」(ヤマハ)で、収録は東京ヒルトン・ホテルのキース・エマーソンの部屋で行われたたもの。(おそらく放送は7月23日日曜の夜)番組自体は 1時間番組と思われますが、本テイクは、当時、放送された楽曲はカットされており、純粋にインタビューのみを収録しています。(放送されたのは Knife Edge、Tank、Lucky Man、Stones Of Years、Blues Variation、Hoedownの7曲) 
 エアチェック音源を使用していますが、音質は安定しており、サウンド自体は非常にクリアー。当時のテープとしては破格のクオリティを誇る世界中のファン驚愕&必聴のテイクと言えるでしょう。
 英語が堪能な DJ は、番組編集時に後から対訳を入れるのではなく、その場で、日本語対訳を行っており、当時としては、かなりレベルの高いインタビューを実現しています。決して場当たり的な一般的な質問ではなく、本当に良く考えられたシリアスな質問に、キースを始めメンバーもしっかりした受け答えをしています。

 ホテルでのインタビューなので途中で、インタビューでシリアスにキースと語り合っている最中に、突然、裸でシャワールームから出てきたカールやグレッグにDJが驚いたり、面白いシーンも収録しています。インタビューの前半はキースで、「3人の出会い」「シンセサイザーについて」「スタジオとライブの演奏の違い」「影響を受けた音楽」、次はグレッグで「他メンバーとの共作・創作について」「マンドリンやバンジョーなどの楽器について」等が真剣に語られます。最初はふざけ気味のメンバーでしたが、DJ の英語が非常に堪能な事、質問がしっかりしていることから、珍しく、非常にしっかりとした応えを行っているのが良く分かります。グレッグの「それぞれが違うので良い音楽ができる。意見の相違は多々あるが、だからこそ良いものが出来る」という意見が印象的です。次の「好きなアーチスト」ではキース、グレッグに加えカールも登場します。6トラック目では、空港の到着時に、大勢のファンにもみくちゃにされた様子をキースが冗談気味に語ります。ここからはメンバーや関係者の談笑も多々入る楽しいQ&Aになっています。7トラック目ではキースの製作中のソロアルバムについて語られます。(ニュークリアスのトランペッターのイアン・カー、ニュー・ジャズ・オーケストラが参加していると言っています。)

 そして、そして…!この後、ボーナストラックで17分51秒の、大変、大変貴重な生録が追加収録されています。ここに何が収録されているか。。。これはもう聴いてもらうしかありません。おそらくプログレファンにとっては、今後、最も重要な音源の一つになること間違いなし。音質は非常に良好で、記録としての価値はとんでもないものがあります。ストレートに語ってしまうと、来日5日目、前日は後楽園球場で長嶋茂雄氏と会談したELPのメンバーが、翌日7月17日、今度は、歌舞伎座を訪問、有名女形役者の楽屋を表敬訪問します。ここでは18分間に渡って、その楽屋での会話を、新たに発見された大変貴重な隠密録音で聴くことができます。8mmフィルムでカタカタと撮影されている音が生々しいのですが、とにかく、その場にいた少数の関係者のみが体験、そして知りえることができた、1972年ELPの歌舞伎座楽屋訪問の様子を、初めて一般の我々がこのテイクと通じて聴くことが出来るのです!!誰もが「こんなものが世の中にあったなんて…」と驚きの思いで聴き入ってしまうこと間違いありません。これは洋楽史にとっても非常に重要なテイクとなることでしょう。必聴・驚愕!!!!

 ★ボーナストラックに関しての詳細解説

 ① 日時は1972年7月21日13:00前後の(ELP後楽園公演の前日)歌舞伎座(東銀座)の楽屋で最初の出番の「鳥居前」と次の「吉野山」の合間。

 ② ELPは歌舞伎観劇前に来ている模様。

 ③ 途中拍子木が入って幕があいて役者の台詞が聞こえる。(楽屋にはスピーカーがあって舞台の音が常に流れています。)

 ④ 表敬訪問を受けた役者さんは、ELPに静御前の衣装やかつら(簪や飾りが付いている)を説明している。

 ⑤ ELPの表敬訪問に、「押し隈」(歌舞伎役者が紙や布に顔の化粧をあてて(落とす)サインをし贔屓筋にあげる。)を渡す。付き人に墨をすらせてサイン、朱肉(押印)をしようとしているが朱肉が見つからない模様。別に浴衣をあげた。(「2番目のやつ」と言っている)

 ⑥ ELPからは「展覧会の絵」のレコードを渡されたようだが これは別の人が貰うはずだったもののよう。「私がとりあえず預かる」など話している。
⑦明日のELP後楽園公演に行けるかスケジュールを確認している。後援会が6:30からなので終わり次第、間に会えば行く、と言っている。(行ったかどうかは不明。)

(補足説明)
「義経千本桜」は義経が落ちのびていく前後の話で、主役は義経ではなく、その場その場で関わった人たちの話。静御前は「鳥居前」の場で義経が家臣の佐藤忠信に預け別々に落ちのびる算段をする。「吉野山」は落ちのびる途中、静と忠信が桜が満開の奈良の吉野山での舞踊劇。』

Interviews In Tokyo 1972 (Special Bonus CDR)
 
 "Sound Free Yamaha" (FM Tokyo) Radio Interviews In Tokyo  
 Recorded At Keith Emerson's Room Of Hilton Hotel In July 1972

  1. Q&A 1 (Keith Emerson)
  2. Q&A 2 (Keith Emerson)
  3. Q&A 3 (Keith Emerson)
  4. Q&A 4 (Greg Lake)
  5. Q&A 5 (Keith Emerson, Greg Lake, Carl Palmer)
  6. Q&A 6 (Keith Emerson, Greg Lake, Carl Palmer)
  7. Q&A 7 (Keith Emerson, Greg Lake, Carl Palmer)
    [Bonus Track]
  8. Recorded at Kabuki-za, Tokyo On 17th July 1972

 実際の音源は過去ブログ「Interviews In Tokyo 1972 (Gift CDR)」に貼り付けてありますので,そちらを参考にしてください.


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