パープルが精力的に活動していた,1971年春の欧州ツアーより,1971年4月7日ドイツのオルデンブルグ公演をオーディエンス録音で収録したものです.録音された当時を考えると非常に高音質で収録されています.
 この音源は過去に「Oldenburg '71 (Black Suede BS-11)」としてリリースされていましたが,その音源のアップグレード版です.
 残念ながら,アンコールで演奏されたであろう "Paint It Black" や "Black Night" あるいは "Lucille" は収録されてはいません.しかしアンコールが収録された音源が存在するのかは判りませんし,現段階では,本CDがこの日の決定盤になるでしょう.

 MCで "Ladies And Gentlemen. The Biggest Rock Act In The World DEEP PURPLE." と紹介され,バンドのチューニングの後,イアンの掛声で開始される "Speed King".
 この "Speed King" は前半のジョンのハモンドと,リッチーのギター掛け合いは素晴らしく,中間部の2分44秒頃から3分9秒程度のバンドの静まり返るようなブレイクがあり,そこから徐々に高まっていくような展開もパープルのインプロヴィゼーションの真骨頂でしょうし,その凄さに圧倒されます. この "Speed King" は約10分に及ぶ演奏です. 
 イアンの "This Next One Is A New Record Out … Our New Single And It's A Thing Called "Strange Kind Of Woman.”のMCに導かれ開始される "Strange Kind Woman" は,イアンとリッチーの掛け合いも,メーカー情報に記載されているように1972年代のお決まりのものではなく,非常に新鮮です.
 続く "Child In Time" では,イアンの最高のハイ・トーン・ヴォーカルを堪能できます."Into To The Fire" は,大音量の為か,音が歪んでいますが,逆にこれが迫力があり,イアンが歌の中で,ためて "In To The Fire" と歌う部分も最高です.
 最後の "Mandrake Root" は,"Into The Fire" がまるで序章であったかのように,イントロから叩きつけるようにリフを刻むリッチーがリードし,凄まじい迫力でプレイされます.後半,リッチーが極太アームを折れんばかりにキメまくるソロからエンディングへと,ひた走るパートでは当時のバンドのエネルギーを感じることが出来ます.
 
 メーカー情報では
 『'71年4月9日に行われたこのドイツ・オルデンブルク公演は、ずっと以前から「OLDENBURG '71」などの既発タイトルでマニアから親しまれてきました。この日の録音は当時の音源の中でもかなり上級の部類で、一部では"サウンドボード音源"とする説もあったほどで、アップグレード盤のリリースはまさにファン待望の出来事でした。「DANISH YODEL MASTER」には一歩譲るとしても、40年前の音源としては充分以上のクリアなサウンドで、熱気とクリエイティヴな感性に満ち溢れた最高のステージを追 体験できます。リッチーのギターやギランのヴォーカル、ジョン・ロードのハモンドに対して、ペイスの叩き出すドラムの音が引っ込み気味にも感じられるものの、ライヴの進行につれてバランスは次第に良化し、最終的にはドライブ感いっぱいの演奏を楽しむことができます。
 この録音は昔から「リッチーのギター・サウンドとジョンのハモンドの音色が素晴らしい」と定評で、当時のバンドが身上とするインタープレイやアドリブの 妙を存分に満喫させてくれます。特に全体の中でもオンに収録されたリッチーのギターが全編で堪らない音像を放っており「Speed King」や「Child In Time」などは、彼のプレイをライン音源のようなリアルさでつぶさに把握する事が出来ます。
 演奏全体も興味深いプレイの連発です。「Speed King」の3:00頃では、なぜか演奏全体をブレイクしまい、そこからゆっくりとムーディに盛り上げるパフォーマンスで聴き手を驚かせます。「次のシングルだ」と紹介される「Strange Kind Of Woman」は、曲後半のギターとヴォーカルの掛け合いが'72年と異なり、悪い意味で"お約束"にならない初期ならではのアレンジが新鮮です。この日も 16分を越える大熱演がライヴを盛り上げる「Child In Time」は、静かなパートからスクリーミングにまで至るギランの繊細でムーディな歌唱も極上のトーンで楽しめます。コーラス部分の迫力は各種ある公式ラ イヴ作品をも凌駕する凄まじさ。この当時リッチーとジョンの間柄は(「Strange Kind Of Woman」の作曲クレジット問題などで)あまりしっくり行っていなかったそうですが、同曲中間部で聴かせる彼らのインタープレイは恐るべきスリリングさ で、ステージ上においてはネガティヴな要素を全く感じさせません。5曲目はこのセットの中では小品な印象の「Into The Fire」です。5分弱の演奏とはいえ、ハードロックのお手本のような堂々とした展開は素晴らしいと言う他なく、特にソロではリッチーの真骨頂とも言える プレイを抜群の音色で体感することができます(ここは本録音のサウンドボード説が出るのも納得の素晴らしさです)。
 本音源は続く「Mandrake Root」で終わりを迎え、同時代のライヴでは定番になっていた、ドラムソロをフィーチャーした「Paint It Black」や、「Black Night」は未収録です。しかしトレードされているテープにもこの5曲しか収録されておらず、元々録音もされていないと考えられています。しかし20分 を超える「Mandrake Root」は、曲数の少なさを忘れさせる超ド級の演奏が飛び出します。リッチーならではの中近東フレーズが炸裂する場面や、白熱のやり取りを交わしながら も絶妙な一体感でバシっとまとめるキメのパートなどは、誰もが息を呑んでしまう問答無用の格好良さ! DEEP PURPLEの本質を"メンバー間のインタープレイ"だと考える人には、まさしく夢のような64分間でしょう! この翌日に当たる'71年4月10日の オッフェンバッハ公演は、「LIVE IN GERMANY」のディスク3で聴ける通り、壮絶かつスリリングなライヴが今でもファンの心を揺さぶり続けています。本作の4月9日・オルデンブルクもそ うですが、毎日のように続けて神がかったライヴを披露していた当時のDEEP PURPLEは、長いハードロック史上でも本当に稀有な存在だった事を痛感させられます。』
との事.

Oldenburg 1971 (Darker Than Blue 055)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Deep Purple - Oldenburg 1971 (DTB 055)
 Live At Wesser Ems Halle, Oldenburg, Germany 07th April 1971


 1. Introduction 
 2. Speed King
 3. Strange Kind Of Woman
 4. Child In Time
 5. Into The Fire
 6. Mandrake Root

 Jon Lord:Keyboard
 Ritchie Blackmore:Guitar
 Ian Paice:Drums
 Roger Glover:Bass
 Ian Gillan:Vocal

 
 Speed King
 
 Strange Kind Of Woman
 




[関連情報]
 Oldenburg '71 (Black Suede BS-11)
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