11月26日のドイツ・スチュットガルト公演をオーディエンス収録した「Killesberg Hall 1970 (Sigma 81)」にボーナスとして付属している音源で,1970年12月の全英ツアー最終日である12月22日のヨークシャー・シェフィールドのシティホール公演を超高音質オーディエンス録音で完全収録したものです.オーディエンス録音ではありますが,音像が近いのとバランスが良いのでサウンドボード音源と言われても,判らないでしょう.

 何と言っても本公演の目玉は,30分におよぶ "Alan's Psychedelic Breakfast" のパフォーマンスでしょう.同曲のパフォーマンスというか音源が残っているのは,おそらく本公演だけです.しかも高音質で聴けることは嬉しいですね.尚,本CDRは以前にもボーナスかギフトとして取り扱っていました.

 ちなみに "Alan's Psychedelic Breakfast" は,どの様にステージ上でパフォーマンス&演奏されたのでしょうか.殆どが SE(:Sound Effect)を用いているので,その時メンバーはどうしていたのか...非常に気になるところでもあります.またメーカー情報に記載されている『ステージ上でベーコン・エッグを焼いたりといったパフォーマンスが行われた』んでしょうか.確かに観客の笑い声等を聴くと,そうかも知れません.

 "The Embryo" では赤ん坊の泣き声のSE(:Sound Effect)と共に,後の "Echoes" の通称カモメパートで使用される部分もあり,またツアー最終日という事で "Fat Old Sun" の前半では,ギルモアがリラックスして歌っている様子も伺えます.そして後半のジャジーな演奏も素晴らしいのですが,後半の歌の前のソロは指運が少し怪しい部分もあります.続く "Careful With That Axe, Eugene" は静から動へ,動から静へと,全体を通して,素晴らしい演奏で,9分30秒からのロジャーのスクリーミング部分は,鬼気迫るものがあります.
 "Set The Controls For The Heart Of The Sun" に続いて演奏される "A Saucerful Of Secrets" では,ビンソンのエコーチェンバーと,スライドバーを使用したギルモアのギターが,ロジャーの叩くシンバルとあわせるように,神秘的なサウンドを作り出しています.しかしメーカー情報にも記載しているように,ギルモアのボーカルが入りだす,18分19秒に電源トラブルなのか,ドラム音しか聴こえなくなり,演奏は中断します.暫くすると,ライトがピアノのみで伴奏をし出します.電源が回復したのか,20分過ぎにハモンドオルガンの音が出だして,コードを引き出し,再度電源トラブルの前の部分から徐々に開始します.ウォーターズのベースが入り,ギルモアのスライドが入り....
 他の公演でも電源トラブルで中断された音源もありますが,本当にドキュメントです.
 ちなみに1970年10月17日カナダのペッパーランド・オーデトリアムも同様の電源トラブルで,"Astronomy Domine" を複数回繰り返すところが,Siréneレーベルの「Pepperland 1970 (Siréne-073)」に記録として残されています.

 最後の "Atom Heart Mother" は,オーケストラ,コーラス隊,バンドが一体となった,30分をゆうに超える素晴らしい演奏です.そして大喝采に応えて,ギルモアのスライドから入る "Atom Herat Mother (Reprise)" で演奏を終了します.

 メーカー情報では
 『1970年「Atom Heart Mother」のプロモーション・ツアーより、12月22日のシェフィールド公演を超高音質オーディエンス録音で完全収録。フロイドの歴史的映像・音源を最良の形で世の中に送り出しているHarvestedレーベルから発表された同公演の決定版。この日は冒頭に「Alan's Psychedelic Breakfast」が約30分に渡ってライブ披露されており、史料価値の高い音源になっています。「The Man & The Journey」と並ぶ、もうひとつのフロイド版ロックオペラとも言うべき組曲の唯一のライブ・ドキュメント音源であり、ステージ上でベーコン・エッグを焼いたりといったパフォーマンスが行われたとされる実験的ステージを非常にクリアーなサウンドで収録しています。続くThe Embryo、Fat Old Sunといったナンバーでも、円熟の極みといった演奏が披露されます。鬼気迫る演奏の聴けるCareful With That Axe, Eugeneは必聴。25分の壮大な演奏が聴けるA Saucerful Of Secretsですが、18分台で電源が落ち、ドラムの生音だけになってしまい、2分近く中断してしまうアクシデントも生々しいサウンドで収録されています。ラストはブラスとコーラス隊が参加したAtom Heart Motherで、アルバムの録音でも指揮を取ったジョン・オルディスがこの夜のコンダクターを務めており、緊張感の持続した密度の濃い演奏を聴くことができます。その演奏は32分にも及ぶ素晴らしい出来栄えで、終演後の大喝采に、バンドとオケがコーダを再演するという感動的な盛り上がりを楽しむことができます。同内容の既発盤に「Alan's Psychedelic Master Tape」がありますが、アナログ然とした既発盤のサウンドに比べ、更にクリアーなサウンドで収録されており、また、本盤のリリースに際し、適度なリマスターと正確なピッチ補正を行っておりますので、間違いなく、現状ベストなヴァージョンといえます。収録時間2時間32分。ファンはこれを聞かなければ始まらない程の、フロイド史に残る最重要音源が、1970年スチュットガルト公演決定版「KILLESBERG HALLE 1970」のボーナス・ディスクで登場です。』
との事.

Rise & Shine (Bonus 2CDR)
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 Live At City Hall, Sheffield, UK 22nd December 1970

 
 Disc 1
  1. Alan's Psychedelic Breakfast
  2. The Embryo
  3. Fat Old Sun
  4. Careful With That Axe, Eugene

 Disc 2
  1. Set The Controls For The Heart Of The Sun
  2. A Saucerful Of Secrets
  3. Atom Heart Mother
  4. Atom Heart Mother (Reprise)


  Alan's Psychedelic Breakfast
  
  The Embryo
  
  Set The Controls For The Heart Of The Sun
  
  Atom Heart Mother (Reprise)
  



[参考情報]
 1970 UK Tour
  December
   11 Big Apple, Regent Theatre, Brighton, UK
   12 The Roundhouse Public House, Dagenham, UK
   18 Town Hall, Birmingham, UK
   20 Colston Hall, Bristol, UK
   21 Free Trade Hall, Manchester, UK
   22 City (Oval) Hall, Sheffield, UK

 
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