昨年11月にネット上に登場した,完全初登場のオーディエンス録音音源が,プレス化されたものであり,メーカーの情報によると
『 1978年にドイツの某コレクターが誕生日プレゼントに友人から貰ったカセットを、昨年になってデジタル化し、発表 』 との事.

 録音時の年代を考えると,非常にクリアに録音されており,未だに未発表且つこんなクリアな音源が現存することに驚きで,Disc 1 の「Fat Old Sun」は中間部終了後,メインの Gilmour の歌に入る 11:44時点で Fadeout してしまいます.また「Green Is The Colour」の開始時に,Roger Waters の MC後に,続く「Careful With That Axe, Eugene」の為?のテストなのか,少し SE(:Sounds Effect)-Tape が流れるのも興味深いです,Disc 2 の「Careful With That Axe, Eugene」も 3:40の時点でFadeoutしてしまうのが残念(多分,Master にも存在しないのでしょう)ですが,1曲目の「The Embryo]からドラムのシンバルの音等,高音部含めて,非常にクリアなオーディエンス録音で,且つ他の楽曲はしっかりと収録されており,マニアで無くとも,充分楽しめると思います.

 メーカーの情報では
 『 発表されたカセットインデックスには、カセットA面には1970年11月14日ハンブルグから2曲(21分)、11月27日ハノーバーから3曲(30分)、そしてB面には1971年2月24日ミュンスターから5曲(41分)~ (略) ~ しかしながら、このカセットの日付は誤りで、11月27日と書いてあったハノーバー公演は、実際は14日のハンブルグです。

 ハンブル公演だけは過去より音源が出回っており、決定盤は Siréneレーベル の『Corrossion (Siréne- 235) 』です。この既発と比較すると判るのですが、この部分は間違いなく、同日別ソースであり、テープA面の後半3曲はハンブルグ公演と断定できます。カセットB面のミュンスター公演の41分は、ミュンスターそのものが初登場ですので、これは信じても良いと思います。ただ判らないのはテープA面の冒頭2曲(「Astronomy Domine」と「Fat Old Sun」)観客の喋り声がドイツ語しかも北部のアクセントということ(ヨーロッパのフロイドのハードコレクターに確認)であり、これはドイツ公演で間違いありません。

 オープニングが「Astronomy Domine」で2曲目が「Fat Old Sun」ということは、1970年11月のライブでなければあり得ないセットリストですので、該当するドイツ公演は下記7公演ということになります。既発と比べ、全て違う演奏であることは確認できましたので、こうなると可能性としては11月27日のハノーバー、28日のザールブリュッケン、そして12月3日のハンブルグということになりますが、これは推測ですが、テープインデックスの日付が入れ替わってしまった可能性が高いのではないでしょうか。(そもそも疑いだしたら71年2月24日のミュンスターも既発が存在しないので確証無しということになります)ですので、今回の楽曲構成は,発表された通りに収録し、日付と公演地を逆転して記してあります。
 おそらく大元のテープにはもっと長く存在しており、それぞれ最良のパーツを組み合わせて、疑似完全盤を造ったのがテープのA面と言うことになると思います。』
 との事であり,今回のプレスに当たっては,あえて上述したTape-Indexの表記からクレジットを変更しています.

 またその後の
 メーカー情報では
 『2011年に登場、フロイド・マニアの間で話題騒然となった、完全初登場のオーディエンス録音テイクを1時間31分収録。
 1978年に、ドイツの某コレクターが誕生日プレゼントに友人から貰ったカセットを、昨年になってデジタル化し、発表したのが本テイクです。ジャケのイナーに、発表されたカセットインデックスの写真を掲載してありますので、購入された方はご覧になって頂きたいのですが、そこにはカセットA面には1970年11月14日ハンブルグから2曲(21分)、11月27日ハノーバーから3曲(30分)、そしてB面には1971年2月24日ミュンスターから5曲(41分)が曲名と一緒に記載されていました。
 合計収録時間は91分で、これらは今まで一切出回っていない新音源でした。更に驚くべきは音質の素晴らしさです。3公演それぞれが初登場で、どれもが現代の基準に合わせても高音質等と言うことはほとんどありえない話ですが、事実なのです。
 特にミュンスター音源は、驚く程に高音質でファンを唖然とさせる程のレベルでした。この3公演の中でこれまで音盤化されているのは11月14日のハンブルグ公演だけで、他は未ブートであり、テープも存在していない日付です。
 しかしながら、このカセットの日付は誤りで、11月27日と書いてあったハノーバー公演は、実際は14日のハンブルグです。前述の通り、ハンブル公演だけは過去より音源が出回っており、決定盤はSireneレーベルの「Corrossion」です。この既発と比較すると判るのですが、この部分は間違いなく、同日別ソースであり、テープA面の後半3曲はハンブルグ公演と断定できます。カセットB面のミュンスター公演の41分は、ミュンスターそのものが初登場ですので、これは信じても良いと思います。ただ判らないのはテープA面の冒頭2曲(Astronomy DomineとFat Old Sunです。)観客の喋り声がドイツ語しかも北部のアクセントということです。(ヨーロッパのフロイドのハードコレクターに確認を取りました。)ということはこれはドイツ公演で間違いありません。
 オープニングがAstronomy Domineで2曲目がFat Old Sunということは、これは1970年11月のライブでなければあり得ないセットですので、該当するドイツ公演は下記7公演ということになります。既発と比べ、全て違う演奏であることは確認できましたので、こうなると可能性としては11月27日のハノーバー、28日のザールブリュッケン、そして12月3日のハンブルグということになりますが、これは推測ですが、テープインデックスの日付が入れ替わってしまった可能性が強いのではないでしょうか。(そもそも疑いだしたら71年2月24日のミュンスターも既発が存在しないので確証無しということになります。)ですので、今回のSigma盤は、楽曲構成は、今回、発表された通りに収録し、日付と公演地を逆転して記してあります。おそらく大元のテープにはもっと長く存在しており、それぞれ最良のパーツを組み合わせて、疑似完全盤を造ったのがテープのA面と言うことになると思います。推測文が長くなりましたが、これは本当に凄い音源です!ディスク1のFat Old Sunが11分44秒で、ディスク2のCareful With That Axe, Eugene が3分40秒で途切れてしまうのが残念ですが(どちらも恐らくこれ以上は存在しないのでしょう)、他は楽曲そのものはしっかりと収録しています。テープの劣化やアナログノイズは原音に影響出ない程度に緩和してあります。勿論、ピッチも正確に補正してあります。とにかく驚くしかない新音源集です。マニアは勿論、ビギナーでも十分に楽しめる程の高音質と鮮度の良さ。特にディスク2のミュンスター音源の音のクリアーさ、澄み切ったような音の美しさ、幽玄さは圧巻です!歴史のミッシング・ピースを埋める非常に重要な1枚がプレスCDにて登場です。

 ★下記は参考まで。

 November 1970
 14th
  - Ernst-Merck Halle, Hamburg, West Germany(既発:CORROSION(Sirene))
 25th
  - Friedrich Ebert Halle, Ludwigshafen, West Germany(既発:ATOMIC ENSEMBLE(Sigma))
 26th
  - Killesberghalle, Stuttgart, West Germany(既発:KILLESBERG HALLE 14 (Ayanami))
 27th
  - Niedersachsenhalle, Hannover, West Germany(既発:無し)
 28th
  - Saarlandhalle, Saarbrucken, West Germany(既発:無し)
 29th
  - Zircus Krone, Munchen, West Germany(既発 ZIRKUS KRONE '70(Sigma))

 December 1970
 03rd
  - Audimax, Hamburg, West Germany(既発:無し)

 ★beatleg誌 vol.141(2012年4月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
 1978年のある日、誕生日プレゼントとして手渡された1本のカセットテープ。
 そこに収録されていたオーディエンス音源(内容は1970年末?1971年始めのドイツでPink Floydが行った3公演)が、Floydのブート音源史に一石を投じることになろうとは、torrentサイトにこの音源を提供した人物は想像できなかっただろう。
 このタイトルに収録された音源はそのカセットテープをCD化したもので、前述の通り、ドイツ3公演から比較的短めの曲を抜粋したコンピレーションとなっている。そのため、当時の新曲「Atom Heart Mother」は未収録ではあるが、第一に高音質、第二に別音源あるいは初登場音源、そして第三に、既存音源の日付/会場データの信憑性に対して疑念を示唆している点が当音源の非常に重要な特徴だ。
 ジャケットに記されたデータには若干の混乱があるため、データ修正と若干の補足をしてみたいと思う。まず完全初登場となるのが、Disc 2に収録された1971年2月24日のMunstar公演である。この翌日のHamburg公演(『M-502』のタイトルでCD化)と同様、Munstar公演でもブラス/コーラス隊との共演による「Atom Heart Mother」が披露された公演でもある。この日はこの時期の定番セットリストから「Astronomy Domine」がカットされている。
 次にDisc 1の冒頭2曲、これも完全初登場音源で、ジャケットには「1970年11月27日 Hannover公演」とあるが、正しくは「1970年11月14日 Hamburg公演」である。1970年11月14日のHamburg公演は過去に何度もCD化されており初登場ではないのでは?・・・という疑問を抱くかもしれないが、これまで「1970年11月14日 Hamburg公演」と信じられてきた音源は、実は「1970年11月27日 Hannover公演」ということが判明した。
 あるtorrentサイトにおいても「It transpired that a Deep Purple fan was responsible for the recording and he was able to confirm the correct date」としているし、その証左として「Hamburg公演」の音源が登場したのだから、ほぼ間違いないだろう。
 最後にDisc 1の4曲目以降について。これはジャケットには「1970年11月14日 Hamburg公演」とあるが、正しくは「1970年11月27日 Hannover公演」である。
 しかし、ここでもまだ衝撃の事実が判明した。Disc 1の4曲目以降の演奏を聞くと、これまで「1970年11月14日 Hamburg公演」と信じられてきた音源の演奏と同一であることが容易に判別できるのだが、音質や音像が異なるのである。つまり、これまでの音源(recorder 1)とは異なる第二の音源(recorder 2)がここに収められているということになる。
 なお、コンサートデータを収録したPovey/Russel著「Pink Floyd : In The Flesh」には、1970年11月27日のHannover公演に関するデータはないが、今後明らかにされていくだろう。また残りの楽曲を収録したテープの発掘は望みが薄いようだが、定説が覆るような新たな音源の登場に期待したいと思う。』

In Germany 1970 - 1971 (Sigma 71)
 cinnamonの独り言:音楽ときどき競馬予想-In Germany 1970 -1971 (2)
 Live At Niedersachsenhalle,Hannover,Germany 27th November 1970
 Live At Ernst-Merck-Halle,Hamburg,Germany 14th November 1970
 Live At Halle Munsterland,Munster,Germany 24th February 1971

  Disc 1
   1. Intro. (*1)
   2. Astronomy Domine (*1)
   3. Fat Old Sun (*1)
   4. Green Is The Colour (*2)
   5. Careful With That Axe, Eugene (*2)
   6. MC (*2)
   7. Set The Controls For The Heart Of The Sun (*2)

  Disc 2
   1. The Embryo (*3)
   2. Green Is The Colour (*3)
   3. Careful With That Axe, Eugene (*3)
   4. Fat Old Sun (*3)
   5. Cymbaline (*3)

 (*1) Niedersachsenhalle,Hannover,Germany 27th November 1970
 (*2) Ernst-Merck-Halle,Hamburg,Germany 14th November 1970
 (*3) Halle Munsterland,Munster,Germany 24th February 1971

 Astronomy Domine [Disc 1, Track 2]
 
 Set The Controls For The Heart Of The Sun [Disc 1, Track 7]
 
 Cymbaline [Disc 2, Track 5]
 

 [追記]
 因みに 2020年1月初には 「 ★新春特別企画:2012年リリースの名盤タイトルの在庫ラスト30枚を特別にギフト・リリース! 」 として配布されました.
 太っ腹ですね.

[参考]
 ネット上に発表された際の Tape Index:Sony Chrome (C90)
 cinnamonの独り言:音楽ときどき競馬予想-In Germany 1970 -1971 (1)

 Corrosion (Siréne-235)
 cinnamonの独り言:音楽ときどき競馬予想-crrosion
 Killesberg Halle 14 (Ayanami-189) 
 cinnamonの音楽ときどき競馬予想-KILLESBERG HALLE 14 (Ayanami-189)
 Atomic Ensemble (Sigma 14)
 
 Stuttgart 1970 (Bonus CDR) 
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Stuttgart 1970
 Killesberg Halle 1970 (Sigma 81)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Pink Floyd - Killesberg Halle 1970 (Sigma 81)

[購入元]
 LIGHTHOUSE
 cinnamonの独り言:音楽ときどき競馬予想