Grote Zaal (Sigma 38)
 $cinnamonの独り言:音楽ときどき競馬予想
 Live At Grote Zaal, De Doelen, Rotterdam, The Netherlands
- November 7th, 1970

Disc 1:
 1. Introduction
 2. Astronomy Domine
 3. Fat Old Sun
 4. Cymbaline
 5. Atom Heart Mother, The Embryo

Disc 2:
 1. Green Is The Colour
 2. Careful With That Axe Eugene
 3. Set The Controls For The Heart Of The Sun
 4. A Saucerful Of Secrets
 5. Blues

 1970年に行われた3度目のヨーロッパツアーの2日目,11月07日オランダ.ロッテルダムはデドーレンのグローテザール公演をオーディエンスで収録した音源です.収録した席の位置もあるでしょうが,音像的に近く,バランスも良く,収録された年代を考えれば,非常に高音質なオーディエンス録音で,かなりリアルな音です.強いてあげれば,ヒスノイズが多いのと,Voが多少レベルが低いというか遠い状況です,

 特に,ここで演奏されている Fat Old Sun の,演奏は非常に素晴らしいです.そしてそれに続く Cymbaline は,当時としては定番で,殆ど毎回の演奏で用いられていたであろう,足跡の SE(:Sound Effects)が中間部で流れます.
 そして圧巻は A Saucerful Of Secret です.狂気あふれるというか,真さに神秘の演奏です.

この音源は西新宿当りで未だ手に入ると思うので,Pink Floyd ファンの方は是非...

 メーカー情報では
 『1970年「Atom Heart Mother」リリース後に行われた11月から12月にかけてのヨーロッパ・ツアー2日目、11月7日のオランダはロッテルダム公演を高音質オーディエンス録音で2時間22分に渡って完全収録。既発盤「Remergence」とのジェネレーションの差は明らかで、既発に比べヒスの少ない鮮度抜群の高音質で、この時期の創造性に満ちた生々しい演奏を堪能することができます。高域から迫力のある低域までしっかりとして定位で録音されており、しかも曲間のチューニングもノンカット。マニア間でも論じられているとおり、この日のフロイドの演奏は抜群で、勢いのあるAstronomy Domine、ギルモアのロングソロとリックのムーディなオルガンサウンドの絡みが最高の13分近いロングテイクのFat Old Sun、Cymbaline中間でも二人のリード楽器が抜群のコンビネーションで素晴らしい音のドラマを構築していきます。4人だけAtom Heart Motherも最後まで緊張感の切れることの無い見事な演奏でが聴けます。堂々たる演奏が楽しめるThe Embryoの後には2分20秒のチューニングが録音されています(既発はディスク2冒頭)。優しいムードいっぱいに歌うギルモアのボーカルのGreen Is The Colourに続く10分近い熱演のCareful With That Axe, Eugeneでは一変、サイケな演奏とロジャーのヒステリックなボーカル・パフォーマンスが雰囲気を盛り立てます。Eugene 7:28で突如音量が大きくなる部分があります。Set The Controls For The Heart Of The Sunでは9分台にリックのオルガンソロパートで、ロジャーが通常とは違うノートとリズムで切り込み、それに合わせてギルモアが強烈なギターエフェクトサウンドを被せるという、一風変わった展開を聞くことができます。圧巻は19分近い演奏のA Saucerful Of Secretsで、サイケデリック・ミュージックの極みといった前半から狂乱の中間パート、そして劇的なコンクリュージョンと、ここまで緊張感が持続し、音の全てが有機的に結合している演奏も珍しいと思う最高の演奏が堪能できます。ラストはBluesを最高音質で収録。この時期のフロイドのステージの凄まじさをリアルな音像で体感できる最高の一枚。200枚限定のプレスCDにてリリース決定です。

★beatleg誌 vol.108(2009年7月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
 アルバム『Atom Heart Mother』リリースに伴う1970年末の欧州ツアーから、2日目のRotterdam公演をほぼ完全収録。ファンの間で極めて評価の高いコンサートながらも、海賊盤としてリリースされたことがなく、テープトレーダーの間でのみ音源が流通していた。1990年代に、「Highland」レーベルによるFloydブートの怒涛のリリースラッシュが起こった時に、『Remergence (2CD:HL204/205) 』として初ブート化がようやく実現したのだった。しかしながら、Highlandが使用した音源は、マスターからだいぶ離れた世代のもので音質は非常に悪かった。今回のリリースに際して使用された音源は、Highlandと同一ながらも、マスターテープにより近い、1st gen.のオーディエンス音源と思われる。ピッチも正常で、飽和状態寸前の分厚い中域と低域が特徴だ。「Atom Heart Mother」は4人による演奏だが、それに続く「The Embryo」が出色の出来だ。セカンドアンコールとして「Blues」が演奏されるが、これは彼らがその日の演奏に満足している証。ハズレ無しの1970年末の欧州ツアーにおける最高峰の演奏を、ぜひ楽しんでいただきたい。』
との事.