NHKにっぽん紀行「ばあちゃんたちのトチの里~京都綾部・古屋集落~ | 中高年の中高年による中高年のための音楽

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  今年の1月9日、再放送だったが、NHK・にっぽん紀行「ばあちゃんたちのトチの里~京都綾部・古屋集落~という番組を見た。

 場所は、京都府綾部市街地から東方へ車で45分

 福井県との境、奥上林地区中心地よりさらに山奥へと向かう細い道5キロメートルの途中民家はなく、うっそうとした杉林をくねくねと進み、つきあたりの集落、そこが綾部市睦寄町古屋だ。山道の峠をはさんで向かい側は南丹市美山町となる。(地図)

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 集落は谷間にあり、狭小な土地に、数戸の民家と少しばかりの農地が広がっている。

 そこに住民わずか4人の限界集落で、先祖が守り継いだ樹齢数百年の「トチの木」(写真)から特産品を作り続ける3人のおばあちゃんがいる。平均年齢89歳

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 古屋は、樹齢500年から1,000年のトチの木が600本以上自生する世界的にも希少な地域。

 おばあちゃんたちは若い頃、よく山に入って
トチの実拾いをする日常だったそうだ。

 年月がながれ、人も少なくなり、ついに限界集落の烙印を押された古屋の変化のきっかけは綾部市が全国に先駆けて制定した「地域活性化のための水源の里条例」だった。

 この条例は、廃れゆく集落を活性化して、人の集まる場所にする取り組みで、各地域の特徴を生かした物産の製造販売を地元の人たちの手で行うというもの。

 古屋のおばあちゃんたちも「自分たちでできることはないか?」と話し合いを重ねて、昔からこの地域に根付いていたトチの実を使った食べ物を特産品として販売しようと立ち上がったのだそうだ。

 その時は、すでに80歳を超えていたけど、このチャンスを逃さず実際に行動に移し、自分たちでトチの実製品の加工・製造を行って特産品として商品化し、販路も増やして各地でも販売を行っている

 トチの実のアク抜きは、灰を使っておこなうそうだが、それには熟練の技を必要とする。

 この灰のアク抜きは、後世に残すべき伝統技能として、おばあちゃんのうちの一人が京都府が定めた「農の匠」という称号をお持ちとのこと。

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 近年は、このパワフルおばあちゃんたちの噂を聞きつけて、トチの実を保護するボランティア隊も結成され、若い人たちの姿も多く目にするようになった。 

 先祖が大切に守り継いだ樹齢数百年のトチの木の実を使って「おかき」「あられ」などの特産品作りを続けている3人のおばあちゃん。自ら販売に出向き売り子もこなす。(写真)

 毎朝バイクで作業所(古屋の公民館)に通勤し夕方4時まで年中休まず働く。

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 仕事のおかけで長生きさせてもらっとる、仕事がなければ弱っていたという前向きな生き方、この木を残しといてくれた昔の人に感謝せないかんなど、おばあちゃんたちの物事への感謝の気持ちや、クッキー作りへチャレンジする姿が感動を誘う。

 年齢なんて自動的に貼られるレッテルは無関係。動ける、働けるのなら動いて働く。「もう歳だから…」と自分でレッテルを貼るのではなく、「まだ動けるから」とポジティブにとらえることでいくらでも仕事は生まれて来るのだ。

 
7月の盛夏に、綾部の住民が集まる、マラソン大会が開催される。

 普段は人もいないひっそりと下集落がものすごい車列と人の数で賑やかになる日だ。

 大会にあわせて、様々な出店ブースが設けられるが、古屋のおばあちゃんたちもこの日にあわせて、トチの実まんじゅうおこわなどを販売。


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 おこわ朴葉(ほおば)(写真)という植物の葉っぱに包んで販売される。
葉には芳香があり、殺菌作用もあるために、食材を包んで、朴葉寿司や朴葉餅などに使われるそうだ。

 朴葉は、その木の枝を山から刈り取って、大きめの葉っぱをもぎ取っていく。小さい葉っぱや破れていたり虫食いがあるものはダメで、大きくて形の良いものを選ぶ。

 そして、トチの実まんじゅうが最高!

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 いくつになっても生きがいを持つことの大切さ、働けるうちは働くことの大切さが、改めて身に染みる。



八代亜紀/愛を信じたい(1991年)