町田市(人口42.9万人)を地図(右図)で見ると、とても不思議な感情に駆られてしまう。
周りは東京都(八王子市、多摩市)と、神奈川県(横浜市、川崎市、相模原市、大和市)に囲まれているが、いわば飛び地のような存在である。
どうしてここが東京都なんだろうか。
元は他の多摩郡域と(南多摩郡、北多摩郡、西多摩郡)ともに神奈川県だったのが、1893年(明治26年)4月1日に当時の東京府に編入されたのだ。
何が不自然かというと、町田市は、中東部を小田急線が、南部を東急田園都市線が、南西部と西部をJR横浜線が、北西部を京王相模原線が走っているが、隣接駅は下図のようになっている。
赤の囲いが町田市、青の囲いが神奈川県、緑の囲いが東京都である。
まず、小田急線では、町田の西はずっと神奈川県の駅である。東は玉川学園前と鶴川の次から神奈川県の駅になる。
東急田園都市線は、町田駅は通っていないが、主要駅の長津田は神奈川県、その西のつくし野、すずかけ台、南町田は町田市。
と言っても、ほとんど神奈川県との県境にあり、すずかけ台駅(写真)のすぐ裏は神奈川県だ。
これは余談だが、こんなことはたまにあり、以前に行ったことのある、休暇村・瀬戸内東予(旧東予国民休暇村)は、域内が左地図の通り、愛媛県西条市(旧東予市内)と今治市で真っ二つに分かれている。
それも確か、建物の中に市の境があると聞いた。税金はどうしているんだろうね。
話を元に戻そう。
JR横浜線は町田の北はずっと神奈川県。ところが、町田から6つ目の駅、相原だけは町田市である。南は、隣駅の成瀬だけが町田市。後はずっと神奈川県。
京王相模原線は、始点の橋本は神奈川県、次の多摩境だけが町田市。その東は東京都。
「神奈川から町田を抜けるとそこはまた神奈川だった」状態である。
オセロなら完全に神奈川になっているパターンだ。
自分も調べてみてこんな状況をになっていることを初めて知った。
住民にとって東京都と神奈川県とは生活に大きな違いがあると思うが、交通網だけでもこんなに入り乱れているのだ。
町田が神奈川県と思い違いをする理由は、これ以外にもある。
その1.町田を走っているバスのほとんどが「神奈川中央交通」(通称:かなちゅう)であること。(小田急バスもあるが一部の地域に限られている)
その2.町田の店の紹介記事が「東京ウォーカー」に載ることはあまり無いが、「横浜ウォーカー」にはよく載る。最近このシリーズの別冊が発売されたが、その名も「町田相模原ウォーカー」。やはり神奈川県と一緒くたである。
その3.市の指定金融機関が2009年から「横浜銀行」である。(正確にいうと、八千代銀行と奇数年で輪番制となっている)
町田は今でも勤務地の通勤経路にあり、たまに下車することもあるが、以前は会社が登戸にあり、歩いて4~5分かかるJRと小田急の乗り換え基地であった。
従って、よく駅周辺の街中を歩いたものだが、町田が大きく変わったのは2002年に「109 MACHIDA」(写真)が駅前に進出してきてからである。
駅前の商店街は、ちょっとにぎやかな田舎という感じだったが、これで一変にセンスのある都会風の街に変身した。
一方、残念なのは、東急ハンズ町田店が縮小化して場所も変わったことだ。JR町田駅からお店まで直結していたのもアクセスとして良かった。行くのが楽しみだったし、繁盛していたと思うのにどうして辞めたのだろうか。
その横にある「ぱ・る・るプラザ町田」も郵政民営化に伴う事業再編で映画館が閉店となり、これで町田駅周辺の映画館が一軒も無くなってしまったのも残念である。
最近町田駅は通り過ぎるだけになってしまった。御無沙汰している焼き鳥屋、焼き肉屋、スナック、サロン。
この機会に、久しぶりに町田へ繰り出してみようかしらネ。