エロチックシリーズ第3弾。今回は、エロとはなんぞや?
エロとそれ以外の差は何か
文学、漫画、映画などで、「エロ」と呼ばれているものと、呼ばれていないものとの差は何だろうか。
その差は、性描写の頻度(わいせつ性)と、物語としての完成度(ストーリー性)ではないだろうか。 しかし、両者とも恣意性が強く、判断するのが難しい。
古くは井原西鶴の「好色一代男」から、永井荷風の「四畳半襖の下張」、谷崎潤一郎の「白昼夢」、「鍵」、「卍」、渡辺淳一の「失楽園」、「愛の流刑地」、そして「チャタレイ夫人の恋人」は芸術か、はたまた「エロ小説」か、絶えず議論の対象になっていた。
結局、その境目が定かでないので、「官能小説」などといってお茶を濁さざるを得ないのだろう。警察の出る幕ではないのだ。
映画においても、エロとそれ以外の判断は難しい
渡辺淳一作「失楽園」(1997年)/「愛の流刑地」(2007年)
用語の整理をしてみる
AV関係にはたくさんの用語が混在して使われていて、どうも本当の意味が良くわからないし、またそれをまとめたものが見つからないが、どうやらこういうことのようである。(違っていたらご指摘ください)
成人映画には、3つのジャンルがある。
1.映画館で公開されているもの
①ポルノ映画(日活ロマンポルノなど大手映画会社で作ったもの)
②ピンク映画(それ以外のマイナーレーベルのもの)
2.オリジナルビデオ…Vシネマなど、プロモーションのため短期的に公開する場合もあるが、ビデオとしてのみに作成された映画
3.アダルトビデオ…オリジナルビデオと違い、ストーリー性が少なく、性的欲情を強く誘うもの
日活ロマンポルノから育った監督
「日本映画界を支えてきた名監督たちは、みんなピンク映画出身だ」といっても間違いではない。
それも多くは、日活ロマンポルノ出身である。
「おくりびと(2008年)の滝田洋二郎監督、「デスノート」(2006年)の金子修介監督、「ヒーローショー」の井筒和幸監督、、「トウキョウソナタ」(2008年)の黒沢清監督、「それでもボクはやってない」(2007年)の周防正行監督、「セーラー服と機関銃」(1981年)の相米慎二監督(2001年、53歳で没)、「失楽園」の森田芳光監督、そして、「血と骨」(2004年)で、現在映画監督協会理事長の崔洋一監督までもが日活ロマンポルノ出身の監督である。
若松プロダクション
若松孝二監督(現在73歳)にもお世話に(?)なった。「ピンク映画の黒澤明」と呼ばれ数々のヒット作品をつくったが、自身の独立プロである、「若松プロダクション」を立ち上げ、足立正生、小水一男、沖島勲、高橋伴明など多くの映画監督を育てたことでも知られる。
若松孝二監督天使の恍惚(1972年)/大島渚監督 若松孝二製作愛のコリーダ(1976年)
若松孝二監督作品「キャタピラー」
日本人3人目の快挙!といわれる、寺島しのぶが、第60回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞した、若松孝二監督の最新作「キャタピラー(CATERPILLAR)」が8月14日、全国一斉公開される。
太平洋戦争の悲惨な出来事を訴える、問題作。全国公開に先駆けて行った、6月19日の沖縄公開には長蛇の列ができたという。8月6日 広島公開、8月9日 長崎公開の予定。
若松孝二監督インタビュー/「キャタピラー主題曲」元ちとせ 死んだ女の子
あまり続くと、自分の本質が見破れそうなので、次回を最終回としたい。![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/324.gif)
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