第253話:採用活動 | 中高年の中高年による中高年のための音楽

中高年の中高年による中高年のための音楽

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苦戦の採用活動

 私は今年の4月21日、ある会社で定年を迎え、その直後運よくこの会社に入社した。現在総務関係を任せられているので、採用業務は重要な仕事のうちの一つである。
 前の会社で役職定年となり、「担当部長」という肩書きで1年間だけだが採用の実務を経験させてもらった。
 自分としては、採用のノウハウを持ってるものと自負し、この不況下は採用活動にとって「追い風」なので、少し高をくくっていたところがあったのかもしれない。
(第4話:人員採用についてhttp://blogs.yahoo.co.jp/y0_yamaguchi/84765.html参照)
 ところが、採用は苦戦続き。事務職を募集したが、応募者の数が少ない上、思ったような人材が集まらない。

 新聞折込みを2回、WEB広告は1回出した。応募者が少ないので熟考する必要もない。それでも採用通知した人からことごとく(3人)断られた。そればかりが原因ではないのだろうが、面接のとき他社との掛け持ちをもっと確認すべきであった。過去経験したことがないほどの惨敗、まるで失恋したときのように落ち込んだ。
 募集には、従来から使っていた媒体を使った。キャッチ・コピーはどこにでもあるありきたりもので、魅力的なものではなかった。

苦戦の原因の追究と対策

 この状況を聞きつけたある採用媒体の担当者が「私に任せてください」と言ってきた。何が苦戦の原因か、彼とじっくり話し合った。
 一体どんな人材を望んでいるのだろうか。よく考えてみると、今活躍している社員は、「元美容師」や「化粧品販売」など、事務経験のない接客商売をしてきた人たち。仕事をしていく上でもっとも必要なスキルは事務処理能力ではなく、コミュニケーション能力であることにようやく気がついた。

 「人材を欲張り過ぎていた」キャッチコピーを変更した。「元美容師が活躍できる事務職の仕事」 。これまでの職場の雰囲気的な写真ではなく、「キャリア風の兼業主婦」と、「ノンキャリア風の若手で独身」という好対照な女性社員のインタビュー記事に差し替えた。どちらも事務職の経験はない。
 その彼は「私に任せてください」という言葉通り、一生懸命にやってくれた。出稿までの時間が短いため、おそらく徹夜作業だったのだと思う。出来上がった原稿を見て、もう既に応募が殺到する予感がした。
 それで、募集広告が出る前にねぎらいのメールを送った。「短期間で原稿作成、ありがとうございました。これは間違いなく応募者がきますね。対応についてはしっかりと体制を整えておきます。」彼は、クライアントからその言葉を貰うのを励みに仕事をしているという、現代まれに見る好青年であった。

募集の結果

 案の定電話の問い合わせや応募者が殺到した。私の長い総務経験でももっとも多い応募者数であった。正に「天国と地獄」。いや、「地獄からの生還」というべきか。「元美容師が活躍できる事務職の仕事」というキャッチ・コピーが効いた。事務経験のない若い人の応募が多い。募集広告が2週間に渡ったので、書類選考を繰り返し、何度か面接を行った。 
 募集活動がスターとして今日が丁度20日。最終的に内定者を決定し、その二人を「入社前の顔合わせ」のため会社に来てもらい、社長にも会っていただいた。
 前年に比べて会社の景気は決して良くない。今は1名採用すれば十分という状況下にある。それはわかっているが、社長に頼み込んで、あえて2名採用することにした。「同期入社」というのは大切である。一人だと相談相手がいなくて孤立しがちである。入社してすぐに退職するケースがあるのはそのせいだと思っている。二人はたまたま同学年で、それに前職は事務職ではない。性格も違いそうな感じである。よき仲間であり、よきライバルとして、この先上手くやってくれるものと信じている。

 長い時間と、高い授業料がかかったが、「雨降って地固まる」。将来が期待される人材を2名採用することができて今ホッとしている。ずっと欠員状態だったが、これまで耐えてくれた職場の皆さんにも感謝している。

余談

 応募が多いと当然書類選考するが、履歴書の中身を見る前に「これはNGだろう」と思うものがあるので、現在就職活動をされている方に採用担当者として少しアドバイス。
(書類選考自体はこういうのがあると楽だけどね)
1.封筒について。DMのようにラベルを貼って送ってくるのがあり、驚いた。これはダメですよ。切手を貼らないのや、代金が不足しているのもある。あわて者もNGですよ。
2.履歴書の写真について。これも大きな判断材料。応募の写真は「見合い写真」と一緒でしょう。よくこんなものを平気で送ってくるものだと感心(?!)させられる。まるで、採用しないで欲しいと訴えているような写真や、サイズが大き過ぎたり、小さ過ぎたり。写真の切り方が雑で、斜めになっていたり。写真の上からテープを貼ってるのもある。カジュアルすぎる写真もNGですよ。
3.ワープロか自筆か。個人的にはワープロでもいいと思っている。しかし、使いまわししているような履歴書はダメだよ。「作成の日にちが入っていないもの」は何回も使えるから便利だと思っている輩もいるかもしれないが、すぐにバレルのでご注意を。
4.履歴書の書き方。前職を辞めた理由はできれば簡潔に書いて欲しい。けれども、正直過ぎるのも善し悪しで、もっと婉曲に書けないのかと思うものがある。それで「引いてしまう」ことがあるからね。「配偶者や扶養家族の記入欄」も、あるからには空欄にしないで欲しい。記入がないと、何かわけありかなと思ったり、妙に権利意識が高いのかと勘ぐられてしまいますよ。