チタンジュエリーは加治屋さんのようなカンカンと地金を鍛え、叩いて作るジュエリーです。
チタンリングの場合は、指輪を硬い鋼鉄の棒に刺し、輪っかを固定させ、それを鉄の金槌でカンカンとたたくのです。
100回たたいて、どんどん形を成形して作ります。
貴金属が金属アレルギーのために着けられないひとのためにチタン製のジュエリーが生まれてかなり知名度が上がって来ました。しかしチタンを見たことも触ったこともなければ、ましてや金属加工すら関与していないひとが妄想でチタンについて書いている、そこに大きな誤解や都市伝説やフェイクニュースがひろがっていると思います。
例えばチタン製のゴルフクラブや銀製、プラチナ製のゴルフクラブがないのは、折れ曲がってしまうから。チタン製はしなり、跳ね返す強さがあるからよく飛距離の出せるドライバーが作れるのです。
金銀プラチナでドライバーを作っても、ゴルフボールが勝って、プラチナのドライバーにゴルフボールのあとがくっきりつくことになります。
チタンは硬いからといって、変形しないわけではなく、貴金属に比べはるかに強いとはいえ、手で加工できる素材であり、消防署でもカッターを途中で替えればチタンも切断できる素材です。硬いから砕けるというのはチタンの場合でなく、タングステンになります。
ガラスが硬いのとチタンの丈夫さはまるで違います。チタンは200回叩いてもくだけることなく、薄く延びていく展延性をそなえた柔軟で強固な金属なのです。金属アレルギーでも大丈夫で、かつ日頃着けるマリッジリングなどの場合、チタンは最も適した材質の金属と言っていいと思いますし、硬すぎて危ないということはありません。むしろやわらかく変形して危ないのがプラチナ、ゴールドです。結婚指輪の素材探しでしたら、タングステンほど硬い必要もないとは思います。