金魚を飼っている。
らんちゅうを飼っている。
もう、何十年も飼っている。
残念ながら命を落としてしまうことが何度もあって、今になっている。
その度に、新しい金魚を入れて現在に至っている。
週に1回は水槽の掃除をしなければならない。
さくらももこがエッセイで、子供の頃に実家のグッピーを全滅させた。
と書いている。
酸素を送るポンプの電源を外したままで忘れてしまったそうだ。
このエッセイのように、自分も水槽の掃除をした後に酸素を送るポンプのスイッチを入れ忘れて2日間放置し、金魚が1匹だけ残ってあとは全滅したという経験もある。
かわいそうなことをした。
その反面、そのような後は新しい金魚があらたに住人となる。
せっかく大きく成長したのに。
という気持ちと、
小さいと可愛いな。
という気持ちがクルクル回る。
新しく入った金魚は小さくて可愛い。
金魚屋さんからやってくる。
金魚屋さんは金魚のことをこの子と言っていた。
商品とは考えていない。
このことを子供に言うと、
「そんなことは当たり前。
ぬいぐるみをこれなんて店員さんが言ったらお客さんは怒るよ。
ぬいぐるみは物じゃないんだよ。
ましてや、金魚は生き物なんだから当然。」
そうなんですね。
赤ちゃんがよちよち歩きをするように、
金魚が小さい時は(らんちゅうは特に)、ヒレを大人の金魚よりも多くふらないと水中で体を保てない。
前に動けない。
だからその分、ヒレをふる回数が多い。
子供のフグのように多くヒレを動かして動いていく。
その様は見ていて心が癒される。
それがいつの間にか2年ぐらいすると、いや、1年ぐらいするともう大きくなってしまう。
よちよち歩きの赤ちゃんのような動きがなくなる。
あの可愛い時を返して。
という気持ちも起きる。
ちょっと可愛いさが半減したな。
そう思う自分もいる。
成長すると金魚も変化する。
小さい時に、この金魚はやけに下あごが出ているな。
と思っていた金魚がいる。
それが成長して、大きくなってくると上あごの上に水泡ができて下あごとちょうど良い具合になる。
顔の前面の形もちょうどよくなる。
成長してスタイルが良くなった。
そんな金魚もいる。
小さい時は体の色が赤色だった。
それが成長したら色が変わって、全部体の色が白色になってしまった
なんていうこともある。
せっかく赤色の金魚が欲しくて選んだのに…。
そんな思いをすることもある。
大きくなると小さい頃の可愛さはなくなってしまう。
人間も同じかもしれない。
あんなに可愛かったのに大人になると…。
と思うかもしれない。
でも よく言われる。
子供が大人になっても親から見ればいつまでも子供。
つまり、可愛いのである。
いつまでも、可愛いのだ。
ほう、ほう、口答えできるようになったのか。
成長したな。
2023/10/28
