中学3年生の6月定期テストは式の計算が主になります。
4つの乗法公式を覚えることが絶対条件となります。
乗法公式
①(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
②(x+a)2=x2+2ax+a2
③(x-a)2=x2-2ax+a2
④(x+a)(x-a)=x2-a2
公式というのは、まわり道をしなければたどり着かなかった場所に直線の高速道路を造ったようなものです。
ですから公式を使わなくてもただ掛けてまとめるだけで答えは出ます。
数学が苦手な人は公式を覚えることも大変なので、ただ掛けて答えを出そうとします。
ただ掛けるだけで答えが出るので公式は覚えません。
すると展開の次に学習する因数分解で困ってしまいます。
展開してある式を展開前の掛けるだけの形にするのが因数分解です。
(x+2)(x+4) を x2+6x+8 の形にするのが展開です。
x2+6x+8 を (x+2)(x+4) の形にするのが因数分解です。
乗法公式を覚えなかった人は因数分解でもなかなか方法を覚えることができません。
因数分解ができないと次の2次方程式を解くことができません。
因数分解がなかなかできない人は次のような方法での因数分解に挑戦してみてください。
問題① x2+8x+15 を因数分解しなさい。
いちばん後ろの項の符号が+の場合
(x+ )(x+ ) か (x- )(x- ) のどちらかの形になる。
次に真ん中の符号が+ならば (x+ )(x+ )
真ん中の符号が-ならば(x- )(x- ) となる。
次にいちばん後ろの項の符号が+ならば、x2+Ax+Bの場合
掛けてB、足してAの2数を探す。
問題①で考えてみると、掛けて15、足して8になる2数を探す。
掛けて15になる2数は、1×15、3×5、の2通り。
このうち足して8になる2数は3×5の3と5となる。
よって、答えは(x+3)(x+5)
問題② x2+3x-10 を因数分解しなさい。
いちばん後ろの項の符号が-の場合
(x+ )(x- ) か (x- )(x+ ) のどちらかの形になる。
次に真ん中の符号が+ならば (x+ )(x- )
真ん中の符号が-ならば(x- )(x+ ) となる。
次にいちばん後ろの項の符号が-ならば、x2+Ax-Bの場合
掛けてB、引いてAの2数を探す。
2数のうち大きい方の数を前のかっこの中に書く。
問題②で考えてみると、(x+ )(x- )の形になり、
掛けて10、引いて3になる2数を探す。
掛けて10になる2数は、1×10、2×5、の2通り。
このうち引いて3になる2数は2×5の2と5となる。
大きい方の数を前のかっこに書くので
答えは(x+5)(x-2)
公式は頭で覚えようとしてもなかなか覚えることができません。
公式を使って数多く問題を解くことで体に定着していくものです。
ひたすら問題を解くことがいちばんの近道です。