スーパーなどに買い物に行くと、見切り品ということで値段が安くなっている商品がある。
パンなどを買いに行くと、安くなったラベルが上に貼られたりしている。
すぐに食べるつもりでパンを買いに行ったのだから、その見切り品の安くなったパンを買えばよいのに、ちょっと躊躇してしまう。
賞味期限など、明日までになっている。
すぐに食べるなら、安くなった物を購入すればよい。
店にとっても、ありがたいことのはずだ。
購入者にとっても、ありがたいことになる。
そこで、その安くなったラベルのついたパンなどを買い物カゴに入れると、何か、ちょっと自分がみじめな行動をしているように感じてしまう。
これは、見栄を張っているからだろうか。
スーパー、消費者、どちらにとってもよいことのはずだから、堂々と胸をはってもよいはずだ。
なのに、ちょっとコソコソしてしまう。
昔、西川きよしさんが、まだ売れていない頃、食べるのに困って、ゴミ箱を漁っていた時代があったそうだ。
その時、先輩に、
「いつか売れて人気者になるつもりならば、そんなみじめなことは死んでもするな。
売れるつもりの者がすることではない」
と言われたそうだ。
それから、ゴミ箱漁りは止めたそうだ。
芸人さんの話を聞くと、そのような話が多い。
売れなくても、立派なスーツを着て、みじめな格好はするな。
そんなことを先輩に言われたという芸人さんは多い。
ただし、それは売れた芸人さんが、後から語ることだ。
100人いて、数人の話だろう。
残りの人達も、同様のことを言われて、売れていなくても見栄を張って生活をして、身を滅ぼしている可能性が高い。
見栄を張ることは、必要なことなのだろうか。
特に、今のような時代は、どうなのだろうか。
分からない。