一昨日の15(土)に東京・上野公園の東京都美術館で開催されているメトロポリタン美術館展へ行ってきた。
すごく混んでいることを想像していたけれど、10月6日からの開催で、月日がたっていることもあり、びっくりするほどの混雑ではなかった。
やはり、お目当ては今回の目玉であるゴッホの「糸杉」ということになる。
ゴッホについては、アメリカ旅行をする前までは、それほど好きだとは思えず、何故みんなはそんなに大騒ぎするのだろうか、という感じだった。
でも、アメリカ旅行で多くのゴッホの作品を見る機会を得て、ゴッホに関する考えが大きく変わった。
ゴッホはやはり、すばらしい。
世間の人達と同じようにゴッホの絵が好きになった。
やはり本物の絵を数多く見ると違う。
アメリカではゴッホの亡くなる前数年の作品を見て、心が震えるのを感じた。
亡くなる前数年間のゴッホの作品は「星月夜」「糸杉」に代表されるように背景が渦を巻いている。
この渦が曲者で、じっと渦を見ていると、心の奥底に隠れていた自分の狂気が引き出されて、踊るような気持ちになるようだ。
ゴッホの狂気と自分の狂気が描かれた絵を通してシンクロするようだ。
これは、ゴッホがこれらの絵を描いたこの頃は精神的に不安定になっていた頃だという先入観によるものかもしれない。
でも、心の中で、とにかく何かが騒ぎ出すのを感じる。
アメリカで感じたことを感じたくて、以前もBunkamuraで開催されたゴッホ展に行った。
今回も心が踊るか密かに楽しみにしていた。
今回のメトロポリタン美術館展には僕が知っている有名な画家ではドラクロワ、ルノアール、ミレー、ゴッホ、ルソー、モネ、セザンヌ、ゴーギャン等の作品が展示されている。
その中で個人的に気に入ったのはミレー「麦穂の山・秋」とゴッホ「糸杉」。
ミレーの「麦穂の山・秋」は麦穂の山の真ん中は影になり、そこから羊たちが全面に向かってくるような絵になっている。
それが中心から光がこちらに向かって輝いているように見える。
何か眩しい感じがする。
この絵をポスターなどで見ると、色が全然違って、光が感じられない。
やはり本物を見ないと感動は得られない。
ゴッホの「糸杉」は糸杉の渦が、空の渦が、躍動していてキャンバスから飛び出てくるような感じだった。
動いていた。
どちらの絵もしばらくずっと前にいて、見ていたいと思った。
メトロポリタン美術館展半券
