現在、東京の国立新美術館で「ゴッホ展」が12月20日まで開催されている。
残念ながら、今回はこの「ゴッホ展」には行けないようだ。
ゴッホの絵は、それほど好きという感じではなかった。
アメリカを2ヶ月間、1人で旅行をした時に興味を持つようになった。
このアメリカの旅行の目的の1つが美術館めぐりだった。
そこで、2ヶ月間、アメリカの有名な美術館を観て回った。
この時、ルノアールとミロが好きだったので、ゴッホに対しては、それほど関心がなかった。
アメリカの美術館には、日本で展示されると、人だかりができて、なかなか観れなくなってしまうような作品が普通に展示されている。
絵の周りに人も多くない。
そのような状況だから、とことん作品は観ることができる。
そうやって、美術館めぐりをしているうちに、ゴッホの作品が多く展示されている美術館に入った。
そこでゴッホの絵を観ていたら、衝撃を受けた。
特に、ゴッホの晩年に近い頃の作品は、ゴッホ特有の空のうず巻きが心の中にうずを作る。
多くの人がゴッホを支持する理由のひとつが分かったような気がした。
人間の持っている心の中の狂気がゴッホの絵のうず巻きとシンクロしてしまうのだ。
心の奥底に閉じ込められていた狂気が引き出される。
その狂気が心の中で暴れまわる。
ゴッホの絵がそうさせる。
ゴッホの絵は、ゴッホの持っていた狂気を閉じ込めている。
その狂気が、人の心の中の狂気を目覚めさせる。
目覚めた狂気は、心の中を駆け回る。
それが感動という言葉に変わる。
ゴッホの絵の魅力は狂気のうず巻きが、心に突き刺さることによる感動だ。