「ペンギン・ハイウェイ」 森見 登美彦著 をやっと読み終えた。
「夜は短し歩けよ乙女」を表紙の絵につられて購入。
読んでみて、不思議な話に森見ワールドに興味を持つ。
主人公と彼が好意を寄せる彼女のほんわかした雰囲気が本全体の雰囲気を現しているようで、読んでいて楽しくなった。
その後、「太陽の塔」「恋文の技術」「宵山万華鏡」を購入。
でも、本は積ん読状態。
今回、やっと「ペンギン・ハイウェイ」を読み終えた。
子供目線で書かれた物語ということだったので、面白おかしく話がのほほんと進んでいくと思っていた。
ところが、読み始めるとそんな感じがない。
森見ワールドとちょっと違うかな。
始めは小学生が大人の女性(お姉さん)にほのかな恋心を抱く物語と思っていたら、現実世界から離れてファンタジーの世界になった。
主人公の少年は知識については大人顔負けだけれど、精神はまだやっぱり子供。
まだまだ、人の気持ちは分からない。
物事を論理的に知識を使って考えてしまう。
他人だけでなく自分の感情も理解できていない。
そんな主人公が気になっているのが歯科医院にいるお姉さん。
誰が見ても、お姉さんに恋している主人公。
けれど、主人公自身がそんな自分の気持ちには気づいていない。
読んでいると、お姉さんが何か感情のない、体温が感じられない人間に思えて、感情移入しにくい。
そんな感じを持ちつつ読み進んでいく。
すると、そうだったのか。
という終末。