昨日、書店で本を買っていた時、隣のレジで女性が「ガラスの仮面」45、46巻を買っていた。
今回は今までにないハイペースでの出版で、作者美内すずえさんのやる気を感じる。
昔、美内すずえさんがテレビに出演して、ガラスの仮面について「もう途中下車はしないで、終点まで行く」というようなことを言っていたのを見たことがあるけれど、本当かもしれない。
この時、美内すずえさんは、漫画を単行本にする時に、雑誌で掲載した漫画を描きかえたり、追加したりするので、単行本の出版に時間がかかると言っていた。
そんなことしていたら、確かに時間はかかる。
ガラスの仮面は日本人が好きなパターンの大道をいっている作品だと思っている。
「ガラスの仮面」は天才的な演技の才能を持つマヤと演劇界のサラブレットの亜弓との演技の戦いを描いている漫画です。
当然、庶民である一般人は貧しい出身のマヤがお嬢様の亜弓を打ち負かしていくのが、面白いと感じるわけです。
でも、さすがに、そのパターンはマンネリ化してしまう。
だから、実は亜弓もただのお嬢様ではなく、血のにじむような努力をしなければならないわけです。
今回は、それだけでなく、もっと重荷を亜弓に背負わせて紅天女に向けて走らせている。
同じような感じの漫画に「ピアノの森」がある。
「ピアノの森」では主人公カイは天才的なピアノの才能を持つ貧民街出身の少年。
そのカイをライバル視するピアニストの家系で幼少から英才教育を受けている少年雨宮。
この2人の関係が「ガラスの仮面」のようになっている。
やはり、雨宮はどうしても天才的才能の持ち主のカイには勝てない。
どんなに努力をしても雨宮はカイの自分にはない才能を感じて苦悩する。
ピアノに対する環境は非常にめぐまれていても、足りないものを感じてしまう。
それは、自分自身の才能ではないのだろうか。
というような、おぼっちゃまが鼻をへし折られて、努力するけれども越えられない壁を感じて苦悩するわけです。
人間が感動するパターンの大道を突っ走っていく物語は好感が持てる。