昨日とおとといで、「放っておく」事の重要性を説明しました。強迫性障害の方はどうしても不安や恐怖が先立ってしまい、なかなか「放っておく」ことが出来ません。下手に「放っておこう」とすると、なおさら強迫観念の引力に引き戻されそうな気がするのです。
このような方には、「放っておく」プラスアルファが必要になるかもしれません。
画像 イメージマート 辛くてもとにかく前に進む
そのプラスアルファとは、「先に進もう」とする力です。「先に進む」力のいかんによって、強迫観念の誘惑が振り切れるかどうかが決まってくるのです。
例えば、会話中、何度も聞き直す癖のある人がいました。単にわからないから聞き直すのではなく、聞き直さないと不吉なことが起こるかもしれないという、強迫観念があるそうなんです。
まず彼に伝えたのは、どんなに誘惑が襲ってきても、「絶対に聞き直さない」と自分に言い聞かせることなんです。それがあることで「聞き直さなければ」と言う観念が浮かんだ時に、観念に引き戻されるのをある程度防ぐことができるのです。
さて、大切なのはここからです。せっかく観念に引き戻されるのを防げても、そのままでは再度引き戻される可能性があります。
そういう時、とにかく先に進むのです。頭の中では「ああ、聞き直さなければ」と言う観念を抱えたまま、とにかく先に進むのです。言い換えれば行動だけは「先へ先へ」ずんずんと進んでしまうのです。
大切なのは、観念や雑念に引っかかって無駄な時間や精神力を浪費することを極力防ぎ、心身の自然な流れを乱さないことなんです。
参考・・・「不潔・縁起・雑念・不完全恐怖症」