『自分を受け入れる』
これって人類の永遠の課題かもしれません。大きな書店に行くと、「自分を受け入れる方法」とか「自己受容」とか「自己肯定感を上げる」と言ったたぐいの本が、所狭しと並べられています。それだけ需要があるのですね。と言うことは、自分を受け入れられない人がそれだけたくさんいると言うことなんですね。
画像 ラクマ アンデルセン童話 お話し名作 成美堂
それでは、『自分を受け入れる』とは、どういうことなのでしょう。それがはっきりしていないと、どのように自分を受け入れたらよいのかわかりませんよね。「どのようにしたら受け入れられるか」は、上記の本にお任せして、今回からは『自分を受け入れるとは』について、徹底的に深めてまいりますよ。
それを皆さんにお伝えするのに格好の本がありました。それは
アンデルセンの童話である「ひなぎく」です。ご存じの方もおられるでしょうか。全部を載せるわけにはいきませんので、抜粋してご紹介したいと思いますよ。
「田舎の道端に、一見の別荘がある。
庭の花壇には、立派な花が植えられている。庭の隅にはヒナギクが咲いていた。
「ヒナギクは、誰も自分に目を止める者がいないことや、自分が貧しいつまらない花だと言うことは、少しも気に留めませんでした。
それどころか心から満足して、まっすぐおひさまの方を見上げながら、空でさえずっているひばりの歌に、うっとり聞きほれていました。」
画像 amebaブログ 野沢ゆりこさん 「ヒナギク」より、自己実現とは
『自分を受け入れる』とは、つまるところこういうことです。
今の自分のに満足する。と言うことは、『自分が今ここにいること(ここには物理的な場所と、立場や境遇も含まれます)に、満足できているということなんです。
今の自分の存在を「これで良し」とすることです。
そして「今ここにあること」を、喜びと感じることです。
そんな経験を積み重ねていくことで、「今の実際の自分」に満足できるようになります。その状態こそが、『自分を受け入れている』状態です。理想や妄想ではなく、実際のありのままの自分に満足できている状態です。
ヒナギクは、ひばりが歌えることを素晴らしいと思っています。そして自分が空を飛べないことや、歌えないことを悲しいとも悔しいとも思いません。
ただ、ひばりが上手に歌うのを感心して聞いているのです。
参考・・・「やさしい人」、「つらさに耐える心理学」