取材式自己紹介? | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

さて、今日から再びアドラー心理学の学習が始まります。と言っても何回かやっているので「またかよ?」とおっしゃる方もおられるでしょう。

しかし私も今回からは心を入れ替えて? これまでと重複しないような内容に編集しなおしました。

よろしければ新たな気持ちで、アドラー心理学と向き合っていただけたらと思います。

 

さて、まず初めは参加者のリレーションづくりですね。例えば皆さんが受験をした時を思い出してみましょう。周りには誰も知っている人がいません。あなたは一人ぽっちで試験に挑戦しなければなりません。こんな時って、他の人たちが優秀に思えて、ますます劣等感にさいなまれるものですよね。

でも、考えてみれば皆同じ条件なんです。

例えば休み時間などに、ふと隣の人に話しかけてみます。

「試験難しかったよねぇ」

「そうそう、私なんか全然だったよ・・」

本当かウソかはともかく、「ああ、私と同じだ」と感じるだけで、なんとなく安心感を覚えませんか。

 

 

アドラー心理学を学ぶための研修会も同様です。もちろん仲の良い友達に誘われてきた方もおられるでしょうが、多くは一人で参加しています。特に初めての人にとっては不安だと思います。

「私についていけるだろうか」

「みんなの足を引っ張ってしまうのではないか」

これは会に参加している人みんなに共通する心理ではないでしょうか。だらお互い最初の段階で心の内を話し合い、「ああ、みんなおんなじなんだ」と思ってもらうだけでも、随分不安感は小さくなってくると思うのです。

 

さて、リレーションづくりには、それなりの「場」が必要です。今回は上の図のように「班編成」をすることにしました。会の大きさにもよりますが、一つの班が4人~数人程度が望ましいと思います。

最初から机で班をいくつか形成しておいて、参加者は来た順に好きな班に入ってもらいます。ただし友達同士知り合い同士の場合は、別れて座ってもらいます。友達同士で盛り上がって、他の参加者が置いてけぼりを食らうのを避けるためです。

会が始まるころには班も埋まってくると思いますが、班によって人数のばらつきが大きい場合は、適宜移動していただいて調整します。

 

さて、いよいよ自己紹介です。

ふつう「自己紹介」と言うのは、下図の様に一人づつステージに上がって自分の名前や趣味などを話していくのが一般的だと思われます。

しかし、このやり方はいろいろデメリットが大きいのです。

例えば順番を待つ間、何をしゃべろうか非常に緊張しますよね。

「あ、あの人子供の話をし始めたぞ、私も家族の話を入れた方がいいかなぁ・・だけどうちは仲が良くないし年中喧嘩ばっかりしているし、・・そんなことしゃべっても恥さらしになるだけだよなぁ・・ならば無難な趣味の話でやめておくか・・」

等と考えていては、人の話を聴いている余裕はありません。結局相手の事を中途半端に理解したまま会が進行してしまうんです。

 

 

そこで考え出されたのが「取材式自己紹介」と言うもの。

基本的に班の中だけの自己紹介になりますので、時間がかからなくて済みます。これは自分で自分の事を紹介するのではなく、他の参加者がインタビュー形式で質問していくのです。

例えばAさん、Bさん、Cさん、Dさんが一つの班だとします。まずはAさんがほかのメンバーからインタビューを受けます。質問の内容は何でもよいのですが、基本的に仕事の話とお金の話はNGです。それと一問一答を原則とします。なぜかというと、

Aさんが野球の話をしたとします。質問をするBさんも野球が大好きとなれば、「どのチームを応援しているのですか?」、「誰のファンですか?」、「思い出の試合ってありますか?」など、エンドレスになってしまい、他の人が質問できなくなります。ここでは「質問力」も鍛えることが出来ます。Aさんのインタビューが終わったらBさん、次にCさんと言う風に順番に回していきます。

 

それとこれは常識の範疇ですが、ここで話された個人情報は、外では決して話さないこと。制限時間を守ること。一人でも守れない人がいると、他の人にしわ寄せが行ってしまいます。それと相手が返答に困るような質問はしないこと。「今の貯金残高はいくらですか?」などと聞かれても、答えることは出来ませんよね。

それとたまに見かけるのが、深入りしすぎの質問。例えばAさんがある心理療法について話したら、「ああ、それについてはアメリカの何とか教授がこんなことを言ってましたね。私は賛成しかねるんですが、Aさんはその点どう思われますか?」などと言うもの。

熱心さはわかるのですが、あくまでリレーションづくりが目的です。深入りは後に取っておきましょう。一通り自己紹介が終了した時点で、メンバー一人一人が、「ああ、この人たちと一緒のグループで良かったなぁ」と思えたら、大成功です。