「子育て」に生かそう!⑧ | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

すみません、急遽「子育て」番外編をお届けします。実は昨日で終わすはずだったのですが、今頃になって資料が見つかりましたので、追加と言う形でお届けいたします。

「子育て」についての記事は今回で一区切りつけますが、今後も時折気が向いたときに挿入する場合がありますので、その際はまたよろしくお願いいたします。

 

 

これまでいろいろ子育てについて述べてきましたが、では一体「どんな子育てが子供にとって最も望ましいのか?」については、心理学や教育学などの分野で様々な意見があり、実は結論が出ていない状況です。

しかしこれらの分野では数十年単位の研究の蓄積があり、それらを通じておおよその「結論」はでているとも言われています。

こんなことを言うと、驚かれるかもしれませんね。

 

もっとも良いとされる子育ては、

『子供が欲しがっているものを与えるなどの応答性の高い、温かいケアをしつつも、一方できちんと子供に要求し、枠組みを与えるという意味での「しつけ」をする育て方。』と言うものだそうです。

もっとわかりやすく言うと、『子供の要求を聞きながら、きちんと子供にも要求する親』と言うことが出来るでしょうか。

調査の結果、このように育てられた子供は、自主性が高く、成績もよく、非行に走る率も低かったそうです。そのあたりが「子育ての王道」と言われるゆえんかもしれません。

 

 

現代の心理学において、子供の育て方は大きく四つに分類できます。上の図を見て欲しいのですが、『子供に要求し、枠組みを与える意味でのしつけをする』と言うX軸と、『子供が欲しがっているものを与えると言った温かい応答的なケアをする」と言うY軸で区切られた4つの「象限」に相当するものです。

四つの象限のうち、右下の「権威型」は、『子供に厳しくしつけをし、応答的ケアはしない」グループです。子供が要求に応えられなかったら厳しく責め立てますが、褒めることはしません。

 

左上は、「迎合型」と呼ばれます。

『子供の要求に何でもかんでも応答し、しつけはしない」親です。つまり「甘すぎる過保護な親」ですね。

左下は、「放任型」と呼ばれます。

『子供に対して、応答的ケアもせず、何のしつけもしない」タイプです。「ネグレスト」タイプです。

以上三つのタイプは、「正しい子育て」とは言えません。これまでの子育て研究が「正しい子育てである」と結論付けたのは、実は右上の象限である「信頼型」なのです。

これこそが「子供の要求に応答的にケアをし、」かつ「枠組みを与えて、子供にも要求する」子育て方法にあたるのです。

 

 

言ってみれば、「厳しさ」と「暖かさ」の両面を持つ子育てと言えるでしょう。このような関わりによって親が子供の可能性を信頼し、子供も親の応答によって親自身を信頼するようになります。こうして人間関係の基盤ともいうべき「愛着関係」が形成されるのです。

子供を温かく見守り、子供が求めてきたときは、きちんと応答をする。ここで言う「応答」とは、単に欲しいものを与えるということではなく、子供からの問いかけや感情表現にキチンと向き合い、答えてあげることです。そうしたうえで生きていくために必要なルールや、人とのしてのふるまいをきちんと教えていくのです。

 

「忙しくてなかなか子供と向き合えない」

と言う親御さんも多いことでしょう。でも「信頼型子育て」の場合、子供に接する時間の長短はあまり関係ないのです。

長ければ良いわけではありません。仕事などで忙しく、子供と接する時間が限られているとしても、子供が求めてきたらちゃんと話を聴いてあげること、(「後でね」、は言わないこと。親御さんにとって「後で」が永遠に来ない時もある)そして積極的に関わろうとしてください。

そして子供にしてほしいこと、やってはいけないことをきちんと子供に伝えることです。これらをしっかり守っていれば、時間に関係なく、信頼型の子育ては可能になるのです。

 

参考・・・「小児科医が伝えたい、最高の子育て」、「幸せは人に伝わる」